日本新聞: 【随時更新】ロシアウクライナに軍事侵攻（9日の動き）

ロシアによるウクライナに対にたいする軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづいています。

ウクライナの各地かくちでロシア軍ぐんとウクライナ軍ぐんが戦闘せんとうを続つづけていて、大勢たいせいの市民しみんが国外こくがいへ避難ひなんしています。戦闘せんとうの状況じょうきょうや関係かんけい各国かっこくの外交がいこうなど、ウクライナ情勢じょうせいをめぐる9日にち（日本にっぽん時間じかん）の動うごきを随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

（日本にっぽんとウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間じかんの時差じさがあります）

ロシア軍ぐん東部とうぶに攻勢こうせい米べいウクライナに追加ついか支援しえん発表はっぴょう

ロシア軍ぐんはウクライナ東部とうぶドネツク州しゅうの完全かんぜん掌握しょうあくに向むけ、ウクライナ軍ぐんが州しゅう内ないで拠点きょてんとする都市としへの攻勢こうせいを強つよめています。

一方いっぽう、アメリカの国防こくぼう総省そうしょうはウクライナに4億おくドルの新あらたな軍事ぐんじ支援しえんを行おこなうと発表はっぴょうし、ウクライナ東部とうぶを中心ちゅうしんとする攻防こうぼうは一層いっそう激はげしさを増ます見通みとおしです。

ウクライナへの侵攻しんこうを続つづけるロシアの国防こくぼう省しょうは8日にち、南部なんぶのミコライウ州しゅうやオデーサ州しゅう、それに東部とうぶのドネツク州しゅうやドニプロペトロウシク州しゅうなど各地かくちをミサイルで攻撃こうげきし、弾薬だんやく庫こや兵器へいきなどを破壊はかいしたと発表はっぴょうしました。

特とくに、ドネツク州しゅうの完全かんぜん掌握しょうあくに軍事ぐんじ作戦さくせんの重点じゅうてんを移うつしていて、地元じもとの州しゅう知事ちじはSNSへの投稿とうこうで、ウクライナ軍ぐんの重要じゅうよう拠点きょてんとなっているクラマトルシクやスロビャンシクなどが7日にちに攻撃こうげきされ、6人にんが死亡しぼうし、21人にんがけがをしたのに続つづき、8日にちにもその東側ひがしがわのシベルシクなどが攻撃こうげきを受うけ、5人にんが死亡しぼうし、8人にんがけがをしたと発表はっぴょうしました。

こうした中なか、アメリカの国防こくぼう総省そうしょうは8日にち、ウクライナに4億おくドル、日本にっぽん円えんでおよそ544億おく円えんの新あらたな軍事ぐんじ支援しえんを行おこない、高こう機動きどうロケット砲ほうシステム＝ハイマース4基きのほか、従来じゅうらいのものより精度せいどが高たかい、新型しんがたの155ミリ口径こうけいの砲弾ほうだん1000発はつなどを供与きょうよすると発表はっぴょうしました。

ウクライナ軍ぐんは先月せんげつ、ハイマースを使つかった攻撃こうげきが領土りょうど内ないに侵入しんにゅうした標的ひょうてきに命中めいちゅうしたと発表はっぴょうし、アメリカ国防こくぼう総省そうしょうの高官こうかんも1日にち、ウクライナに供与きょうよした兵器へいきがロシア軍ぐんへの攻撃こうげきで効果こうかを上あげているという認識にんしきを示しめしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは、8日にちにSNSに投稿とうこうした、アメリカ・CNNテレビのインタビューの中なかで、東部とうぶでの戦闘せんとうが最もっとも厳きびしい状況じょうきょうになっているとしたうえで「ロシア軍ぐんの優位ゆうい性せいを下さげるため、アメリカだけでなく、各国かっこくの指導しどう者しゃたちに支援しえんを求もとめる」と改あらためて訴うったえました。

ウクライナは欧米おうべいの軍事ぐんじ支援しえんを受うけ徹底てってい抗戦こうせんする構かまえで、東部とうぶを中心ちゅうしんとする攻防こうぼうは一層いっそう激はげしさを増ます見通みとおしです。

米べい国防こくぼう総省そうしょうハイマース4基きなど 4億おくドルの支援しえん発表はっぴょう

アメリカの国防こくぼう総省そうしょうは8日にち、ウクライナに4億おくドル、日本にっぽん円えんでおよそ544億おく円えんの新あらたな軍事ぐんじ支援しえんを行おこなうと発表はっぴょうしました。

国防こくぼう総省そうしょうの発表はっぴょうによりますと、追加ついかの軍事ぐんじ支援しえんでは高こう機動きどうロケット砲ほうシステム＝ハイマース4基きのほか、新型しんがたの155ミリ口径こうけいの砲弾ほうだん1000発はつなどを供与きょうよします。

国防こくぼう総省そうしょうの高官こうかんはこの砲弾ほうだんについて「従来じゅうらいのものに比くらべて精度せいどが高たかい。弾薬だんやくの節約せつやくにつながり、より効果こうか的てきだ」としています。

また、この高官こうかんはロシア国防省こくぼうしょうが6日にち、ウクライナ東部とうぶドネツク州しゅうで、ハイマース2基きを破壊はかいしたとする主張しゅちょうについて「正ただしくない。ウクライナ軍ぐんはハイマースを保有ほゆうし、活用かつようしている」と否定ひていし、今回こんかいの供与きょうよでウクライナ側がわのハイマースは合あわせて12基きになると述のべました。

アメリカによるウクライナへの軍事ぐんじ支援しえんは、2月つき下旬げじゅんにロシアが軍事ぐんじ侵攻しんこうを開始かいしして以降いこう、これで合あわせておよそ73億おくドルとなり、日本にっぽん円えんで1兆ちょう円えんに迫せまります。

米べい中ちゅう外相がいしょう会談かいだん始はじまる対面たいめんではロシアのウクライナ侵攻しんこう後ご初はじめて

アメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんと中国ちゅうごくの王おう毅あつし外相がいしょうの会談かいだんが、日本にっぽん時間じかんの9日にち午前ごぜん10時半じはんすぎ、インドネシアのバリ島ばりとうで始はじまりました。

会談かいだんに先立さきだちブリンケン長官ちょうかんは「アメリカと中国ちゅうごくの関係かんけいは複雑ふくざつかつ重大じゅうだいだ。生産せいさん的てきかつ建設けんせつ的てきな会談かいだんとなることを楽たのしみにしている」と述のべました。

一方いっぽう、王おう外相がいしょうは「中国ちゅうごくとアメリカは大国たいこくとして正常せいじょうな交流こうりゅうを保たもつ必要ひつようがある。双方そうほうの努力どりょくによって両国りょうこく関係かんけいを正常せいじょうな軌道きどうに戻もどすことが必要ひつようだ」と述のべました。

両りょう外相がいしょうが対面たいめんで会談かいだんするのは去年きょねん10月つき以来いらいで、ことし2月つきにロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまって以降いこう、初はじめてです。

会談かいだんではインド太平洋たいへいよう地域ちいきで米べい中ちゅう両国りょうこくのせめぎ合あいが激はげしさを増ます中なか、偶発ぐうはつ的てきな衝突しょうとつを回避かいひするため意見いけんが交かわされているものとみられます。

また、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが長期ちょうき化かするウクライナの情勢じょうせいや台湾たいわんについても議論ぎろんが行おこなわれているものとみられます。

ことし後半こうはんにアメリカは中間ちゅうかん選挙せんきょを、中国ちゅうごくは共産党きょうさんとう大会たいかいの開催かいさいをそれぞれ控ひかえる中なか、ともに国内こくないの政治せいじ情勢じょうせいを重視じゅうしする姿勢しせいを強つよめていくとみられ、バイデン大統領だいとうりょうが近ちかく行おこなう考かんがえを示しめしている米べい中ちゅうの首脳しゅのう会談かいだんに向むけて、どのような調整ちょうせいが進すすめられるのかも注目ちゅうもくされています。

聖地せいちメッカウクライナ情勢じょうせいが巡礼じゅんれいにも影響えいきょう

世界中せかいじゅうのイスラム教徒きょうとがサウジアラビアの聖地せいちメッカを一斉いっせいに訪おとずれる大だい巡礼じゅんれい、「ハッジ」が、8日にち最もっとも重要じゅうようとされる日ひを迎むかえ、多おおくの巡礼じゅんれい者しゃが祈いのりをささげました。

ただ、ことしはロシアによるウクライナ侵攻しんこうを背景はいけいに燃料ねんりょう費ひが値上ねあがりするなど巡礼じゅんれいに参加さんかする費用ひようが高騰こうとうしていて影響えいきょうが出でています。

「ハッジ」は、世界中せかいじゅうのイスラム教徒きょうとがサウジアラビア西部せいぶ、メッカにある聖地せいちを訪おとずれる、年としに一いち度どの大だい巡礼じゅんれいです。8日にち、預言よげん者しゃムハンマドが最後さいごに説法せっぽうをしたとされる山やまがあるアラファトの地ちに巡礼じゅんれい者しゃが集あつまる最もっとも重要じゅうような日ひを迎むかえ、白しろい衣装いしょうに身みを包つつんだ巡礼じゅんれい者しゃが一斉いっせいに祈いのりをささげました。

サウジアラビア政府せいふは新型しんがたコロナ対策たいさくのため、おととし（2020年ねん）から外国がいこくからの巡礼じゅんれい者しゃの受け入うけいれを見送みおくり、参加さんか人数にんずうも大幅おおはばに制限せいげんしてきましたが、ことしは参加さんか者しゃの年齢ねんれいを65歳さい以下いかにかぎり、ワクチン接種せっしゅも義務ぎむづけるとしたうえで、100万まん人にんまで人数にんずうを増ふやし、外国がいこくからの巡礼じゅんれい者しゃも受け入うけいれています。

ただ、ロシアによるウクライナ侵攻しんこうを背景はいけいに燃料ねんりょう費ひが値上ねあがりするなど巡礼じゅんれいに参加さんかする費用ひようが高騰こうとうしていると中東ちゅうとうのメディアは伝つたえていて、ウクライナ情勢じょうせいが巡礼じゅんれいに影かげを落おとす形かたちとなっています。

費用ひよう高騰こうとうのため、巡礼じゅんれいを断念だんねんしたという、UAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうに住すむ男性だんせいは「母親ははおやを連つれて行いこうと何なん年ねんも貯金ちょきんをしながら待まって、ようやく参加さんかが認みとめられたのに、残念ざんねんでなりません」と話はなしていました。

G20外相がいしょう会合かいごうラブロフ外相がいしょうは途中とちゅう退席たいせき具体ぐたい的てき成果せいか出だせず

インドネシアのバリ島ばりとうで8日にちまで開ひらかれたG20の外相がいしょう会合かいごうには、アメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんやロシアのラブロフ外相がいしょうなどが対面たいめんで出席しゅっせきしました。また、ウクライナのクレバ外相がいしょうも招待しょうたいを受うけてオンラインで出席しゅっせきしました。全体ぜんたいでの議論ぎろんでは、ウクライナ情勢じょうせいを背景はいけいにした食料しょくりょう危機ききやエネルギー価格かかくの高騰こうとうなどについて話し合はなしあわれ、日本にっぽんのほか欧米おうべい各国かっこくが、ロシアによるウクライナ侵攻しんこうを相次あいついで非難ひなんしました。

一方いっぽう、日本にっぽんの外務省がいむしょう幹部かんぶによりますと、ロシアのラブロフ外相がいしょうは、最初さいしょの議論ぎろんでみずからの発言はつげんを終おえると途中とちゅうで退席たいせきし、その後そのごは代理だいりが出席しゅっせきしたということです。

記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじたラブロフ外相がいしょうは「欧米おうべい各国かっこくはG20の任務にんむを果はたそうとしなかった。ロシアを『侵略しんりゃく者しゃ』などと非難ひなんするばかりだった」と述のべ欧米おうべい各国かっこくを批判ひはんしていて、会合かいごうを通をとおして欧米おうべい各国かっこくとロシアの対立たいりつが一段いちだんと鮮明せんめいになりました。議長ぎちょう国こくインドネシアは、今後こんごもG20を対立たいりつの解決かいけつを目指めざす場ばにしたいという姿勢しせいを強調きょうちょうしましたが、G20として具体ぐたい的てきな成果せいかを出だせず、課題かだいが残のこる形かたちとなりました。

ロシア東部とうぶ完全かんぜん掌握しょうあくへ部隊ぶたい再編さいへんか

ウクライナへの侵攻しんこうを続つづけるロシア国防省こくぼうしょうは、8日にち、南部なんぶのミコライウ州しゅうやオデーサ州しゅう、東部とうぶのドネツク州しゅうやドニプロペトロウシク州しゅうなど各地かくちをミサイルで攻撃こうげきし、弾薬だんやく庫こや兵器へいきなどを破壊はかいしたと発表はっぴょうしました。またロシア軍ぐんは、東部とうぶドネツク州しゅうの完全かんぜん掌握しょうあくに軍事ぐんじ作戦さくせんの重点じゅうてんを移うつしています。戦況せんきょうを分析ぶんせきするイギリス国防省こくぼうしょうは8日にち、「ロシア軍ぐんの最前線さいぜんせんからおよそ8キロ、西にしにあるドネツク州しゅうのシベルシク方向ほうこうに軍ぐんの装備そうびを集中しゅうちゅうさせているようだ。新あらたな攻撃こうげき作戦さくせんに乗り出のりだす前まえに部隊ぶたいは補充ほじゅうのため一時いちじ的てきに休止きゅうししている可能かのう性せいがある」として、本格ほんかく的てきな攻勢こうせいを前まえに、部隊ぶたいの再編さいへんを行おこなっていると指摘してきしています。そのうえでロシア軍ぐんは今後こんご、州しゅう内ないのウクライナ側がわの重要じゅうよう拠点きょてん、スロビャンシクとクラマトルシクの攻略こうりゃくに向むけ、ロシア側がわの最前線さいぜんせんとの間まに位置いちするシベルシクが当面とうめんの戦術せんじゅつ的てきな目標もくひょうになる可能かのう性せいがあると分析ぶんせきしています。

一方いっぽう、イギリス国防省こくぼうしょうは、「南部なんぶヘルソン州しゅうの南西なんせい部ぶではウクライナ軍ぐんが徐々じょじょに前進ぜんしんしている」として、ウクライナ側がわが反撃はんげきする動うごきがみられると指摘してきしていて、一進一退いっしんいったいの攻防こうぼうが続つづいています。

こうした中なか、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは8日にち、クレムリンでエネルギー関係かんけいの会合かいごうを開ひらき、「ロシアに対にたいし、悪意あくいのある国々くにぐにが行おこなった電撃でんげき的てきな経済けいざい制裁せいさいはもちろん失敗しっぱいした」と述のべ、強気つよきの姿勢しせいを示しめしました。また、「ヨーロッパ諸国しょこくは、ロシア産さんからの代替だいたいエネルギーを求もとめているが、価格かかくの高騰こうとうにつながるだろう。さらなる制裁せいさいは、世界せかいのエネルギー市場しじょうにより深刻しんこくで破滅はめつ的てきな結果けっかをもたらすかもしれない」と述のべ、欧米おうべい側がわを強つよくけん制けんせいしました。

米べい中ちゅう外相がいしょう軍事ぐんじ侵攻しんこう開始かいし以来いらい初はじめて対面たいめんで会談かいだんへ

アメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんと中国ちゅうごくの王おう毅あつし外相がいしょうは、G20＝主要しゅよう20か国かこくの外相がいしょう会合かいごうが開ひらかれていたインドネシアのバリ島ばりとうで、9日にち会談かいだんを行おこないます。2人にんが対面たいめんで会談かいだんを行おこなうのは、ことし2月つき、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまって以降いこう、初はじめてです。

米べい中ちゅう両りょう政府せいふによりますと、今回こんかいの会談かいだんでは2国こく間かん関係かんけいについて意見いけんを交かわす見通みとおしで、アメリカ国務省こくむしょう高官こうかんは「両国りょうこくの競争きょうそうが対決たいけつに陥おちいらないよう、ガードレールづくりをめぐって意見いけんを交かわす」と述のべています。

また、ウクライナ情勢じょうせいをめぐっても意見いけんを交かわすとみられ、アメリカ側がわは、中国ちゅうごくがロシアに対にたいし軍備ぐんび面めんや制裁せいさい逃のがれにつながる支援しえんを行おこなわないよう改あらためてけん制けんせいするのに対にたいし、中国ちゅうごく側がわは、アメリカが主導しゅどうする制裁せいさいについて「世界せかい経済けいざいに悪あく影響えいきょうを及およぼす」として、反対はんたいの立場たちばを重かさねて示しめすものとみられます。