日本新闻: 元首相銃撃容疑者伯父“教会に非情さ感じ怒り募らせ犯行に”

元もと首相しゅしょう銃撃じゅうげき容疑ようぎ者しゃ伯父おじ“教会きょうかいに非情ひじょうさ感かんじ怒いかり募つのらせ犯行はんこうに”

Sep 8, 2022 17:09

Furigana

安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんが奈良なら市しで演説えんぜつ中ちゅうに銃じゅうで撃うたれて死亡しぼうした事件じけんから2か月かげつとなるのを前まえに、逮捕たいほされた容疑ようぎ者しゃの伯父おじがNHKのインタビューに応おうじ、母親ははおやが旧きゅう統一とういつ教会きょうかいに多額たがくの献金けんきんをして家族かぞくが困窮こんきゅうし、兄あにが自殺じさつに至いたったことなどが事件じけんの背景はいけいにあると語かたりました。

ことし7月つき8日にち、奈良なら市しで演説えんぜつをしていた安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんが銃じゅうで撃うたれて死亡しぼうした事件じけんから2か月かげつとなるのを前まえに、逮捕たいほされた山上やまがみ徹也てつや容疑ようぎ者しゃ（41）の伯父おじが自宅じたくでNHKのインタビューに応おうじました。

伯父おじによりますと、山上さんじょう容疑ようぎ者しゃの母親ははおやは「世界せかい平和へいわ統一とういつ家庭かてい連合れんごう」、旧きゅう統一とういつ教会きょうかいに多額たがくの献金けんきんをしていて、事件じけんの背景はいけいには容疑ようぎ者しゃの家庭かていを困窮こんきゅうする状態じょうたいに追い込おいこんだ旧きゅう統一とういつ教会きょうかいが、その後そのごも手てを差し伸さしのべなかった非情ひじょうさがあるなどと語かたりました。

伯父おじによりますと、幼おさないころに父親ちちおやを亡なくした容疑ようぎ者しゃは、子こどものころ、母親ははおやと兄あにと妹いもうとの4人にんで暮くらしていましたが、きょうだいは仲なかがよく一緒いっしょに遊あそんでいたということです。

一方いっぽう、兄あには小児しょうにがんを患わずらい、治療ちりょうする中なかで片方かたほうの目めを失明しつめいするなどして母親ははおやが看病かんびょうにあたり、容疑ようぎ者しゃが妹いもうとの父親ちちおや代かわりになって面倒めんどうをみていたということです。

そうした中なか、母親ははおやは旧きゅう統一とういつ教会きょうかいに入信にゅうしんし、父親ちちおやの死亡しぼう保険ほけん金きんなど、合あわせて1億おく円えんを献金けんきんするなどして家庭かていは困窮こんきゅうしていったといいます。

その後そのご、容疑ようぎ者しゃは自宅じたくを離はなれて海上かいじょう自衛隊じえいたいに勤務きんむし、伯父おじは18年ねん前まえごろの残のこされた家庭かていの様子ようすについて、「容疑ようぎ者しゃの兄あにからSOSの電話でんわがあった。母親ははおやは信仰しんこうで韓国かんこくに行いって帰かえってこず、電気でんき代だいも払はらっていない状況じょうきょうで、家いえの冷蔵庫れいぞうこは空からっぽで食べ物たべものはつき、台所だいどころには洗い物あらいものが積つまれているような状態じょうたいだった」と説明せつめいしました。

容疑ようぎ者しゃはこうした状況じょうきょうを知しり、みずからの死亡しぼう保険ほけん金きんを兄あにと妹いもうとの生活せいかつ費ひにしようと、自殺じさつを図はかったといいます。

自殺じさつ未遂みすいをきっかけに旧きゅう統一とういつ教会きょうかいから寄付きふという形かたちで、合あわせて5000万まん円えんの返金へんきんがあったものの、母親ははおやの信仰しんこうは続つづきました。

返金へんきんが終おわると収入しゅうにゅうが途絶とだえ、生活せいかつもままならなくなり、兄あには、病状びょうじょうが悪化あっかしましたが病院びょういんにも行いけず、みずから命いのちを絶たったということです。

伯父おじは「兄あにの葬式そうしきの時ときに徹也てつやが遺体いたいに覆おおいかぶさって大だい泣なきしたというのが、今回こんかいの事件じけんのいちばんのおおもとにある」としています。

そのうえで「生活せいかつができないほど困窮こんきゅう状態じょうたいに追い込おいこんだことを知しりながら、旧きゅう統一とういつ教会きょうかいが手てを差し伸さしのべなかったことに非情ひじょうさを感かんじて、怒いかりを募つのらせ犯行はんこうに至いたったのではないか」と語かたりました。

伯父おじは、母親ははおやが行おこなった献金けんきんには父親ちちおやの死亡しぼう保険ほけん金きんが含ふくまれ、子こどもたちが受け取うけとる権利けんりがあるとして、旧きゅう統一とういつ教会きょうかいに対にたいし返金へんきんを求もとめています。

現在げんざい、容疑ようぎ者しゃの刑事けいじ責任せきにん能力のうりょくを調しらべる精神せいしん鑑定かんていが行おこなわれていますが、伯父おじは「徹也てつやは精神せいしん的てきにもしっかりして考かんがえを持もっていると思おもう。刑けいを軽かるくするようには求もとめないが、刑罰けいばつについては司法しほうの判断はんだんに任まかせたい」と話はなしていました。