日本新聞: ＡＥＤ女性への使用に抵抗感？京大調査

ＡＥＤ女性じょせいへの使用しように抵抗ていこう感かん？京大きょうだい調査ちょうさ

May 6, 2019 07:05

Furigana

学校がっこうで心こころ停止ていしになった子こどもにＡＥＤが使つかわれたかどうかを調しらべたところ、小学生しょうがくせいと中学生ちゅうがくせいでは男女だんじょ差さがなかったのに対にたいして、高校生こうこうせいでは女子じょし生徒せいとに使つかわれる割合わりあいが、男子だんし生徒せいとより低ひくい傾向けいこうにあることが、京都大きょうとだい学がくなどの研究けんきゅうグループの調査ちょうさでわかりました。京都大きょうとだい学がくなどの研究けんきゅうグループは、平成へいせい20年ねんから27年ねんにかけて全国ぜんこくの学校がっこうの構内こうないで心こころ停止ていしになった子こども232人にんについて、救急きゅうきゅう隊たいが到着とうちゃくする前まえにＡＥＤのパッドが装着そうちゃくされたかどうかを調しらべました。

その結果けっか、小学生しょうがくせいと中学生ちゅうがくせいでは、男女だんじょの間まで有意ゆういな差さはありませんでしたが、高校生こうこうせいでは、男子だんし生徒せいとの83.2％にパッドが装着そうちゃくされたのに対にたいして女子じょし生徒せいとは55.6％と、30ポイント近ちかく低ひくくなっていました。

ＡＥＤは心臓しんぞうの動うごきを正常せいじょうに戻もどす医療いりょう機器ききで、鎖骨さこつの下したなどの素肌すはだに直接ちょくせつパッドを貼はる必要ひつようがあり、研究けんきゅうチームでは女子じょし高校生こうこうせいの場合ばあい、近ちかくにいた人ひとたちが素肌すはだを出だすことに一定いっていの抵抗ていこうがあったのではないかと分析ぶんせきしています。

心こころ停止ていしの状態じょうたいで何なにもしないと、救命きゅうめい率りつは１いち分ふんたつごとにおよそ10％ずつ下さがるため、救急きゅうきゅう隊たいの到着とうちゃくする前まえにできるだけ早はやく胸骨きょうこつ圧迫あっぱく＝心臓しんぞうマッサージをして、ＡＥＤを使つかうことが大切たいせつです。

研究けんきゅうグループのメンバーで京都大きょうとだい学がく健康けんこう科学かがくセンターの石見いわみ拓たく教授きょうじゅは「パッドは服ふくを完全かんぜんに脱ぬがせなくても貼はることができ、貼はった後のちに服ふくなどをかぶせてもよい。命いのちを救すくうため女性じょせいにもＡＥＤを迷まよわず使つかってほしい」と話はなしています。

女性じょせいに使用しよう…どんな配慮はいりょを？

倒たおれて意識いしきがない女性じょせいに救命きゅうめい処置しょちを行おこなう場合ばあい、どんな配慮はいりょや工夫くふうができるのか、京都大きょうとだい学がく健康けんこう科学かがくセンターの石見いわみ拓たく教授きょうじゅによると、声こえをかけ意識いしきがなければ、119番ばんに通報つうほうして、近ちかくの人ひとにＡＥＤを持もってきてもらうように頼たのみます。

呼吸こきゅうをしていない、またはよくわからなければ、胸骨きょうこつ圧迫あっぱく＝心臓しんぞうマッサージを始はじめます。

ＡＥＤが届とどいたら、電源でんげんを入いれ、２に枚まいのパッドを素肌すはだに貼はりますが、服ふくをすべて脱ぬがす必要ひつようはなく、下着したぎをずらして右みぎの鎖骨さこつの下したと左ひだりの脇腹わきばらの辺あたりに貼はることで対応たいおうできます。貼はった後のちは、上うえから服ふくなどをかけても大丈夫だいじょうぶです。

石見いわみ教授きょうじゅは「ＡＥＤのパッドは貼はるべき位置いちに貼はれれば、服ふくをすべて脱ぬがさなくても問題もんだいはない。女性じょせいであっても男性だんせいと同おなじだけの救命きゅうめいのチャンスが与あたえられるべきで、訓練くんれんの場ばなどで女性じょせいへの対応たいおうのしかたを広ひろく伝つたえていきたい」と話はなしています。