「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード」は、先月から今月にかけてイギリス・ロンドンで開催され、ヨーロッパなど世界中から1万6500点以上が出品される世界最大級のワインの大会です。
この大会で、山梨県甲斐市にある「登美の丘ワイナリー」の「登美の丘甲州」は、出展したワイン全体の0.9%にだけ贈られる最高ランクのプラチナ賞を受賞しました。
ワイナリーによりますと、自社農園のぶどうのみを原料とし、フルーティーな香りと特有の渋みが特徴だということで庄内文雄所長は「日本の品種である甲州ぶどうに力を入れて品質向上に努めた結果だと思う。名誉な賞をもらえてうれしい」と話していました。
また、プラチナ賞に次ぐ金賞には日本からは3点が選ばれ、すべてが山梨県産の甲州ワインでした。
製造元はいずれも甲州市にあるワイナリーで、中央葡萄酒の「グレイス甲州 2018」、盛田甲州ワイナリーの「シャンモリ 山梨/甲州」、さらに白百合醸造の「甲州 ヴィーニュ・ドゥ・中川」でした。
金賞ワイン 85歳が作るぶどうで
このうち、白百合醸造が金賞を受賞したワインは、笛吹市の85歳のぶどう農家、中川君春さんの畑でとれた「甲州ぶどう」だけで作られています。
銘柄の「ヴィーニュ・ドゥ・中川」は「中川さんのぶどう畑」という意味のフランス語です。
中川さんの畑では父親の代からおよそ50年にわたってワイナリーと契約し、ワイン用ぶどうをつくり続けています。
手間を惜しまず、余分なつぼみをハサミで摘み取る「房づくり」を丁寧に行うほか、土壌に稲わらを混ぜてやわらかい土に仕上げ、木の根をよい状態に保つ工夫をしているということです。
中川さんは「ワイナリーからは“いいぶどうを作ってくれる”と言われていたが、受賞してびっくりしている。この賞に恥じないよう責任をもってぶどうを作っていきたい」話していました。