日本新聞: “夫に無断で冷凍保存の受精卵移植” 親子関係認める判決確定

“夫おっとに無断むだんで冷凍れいとう保存ほぞんの受精卵じゅせいらん移植いしょく” 親子おやこ関係かんけい認みとめる判決はんけつ確定かくてい

Jun 7, 2019 17:06

Furigana

凍結とうけつ保存ほぞんしていた夫婦ふうふの受精卵じゅせいらんを妻つまが別居べっきょ中ちゅうの夫おっとに無断むだんで移植いしょくして出産しゅっさんし、夫おっとだった男性だんせいが子こどもとは法律ほうりつ上じょうの親子おやこ関係かんけいがないと訴うったえた裁判さいばんで、最高さいこう裁判所さいばんしょは男性だんせいの上告じょうこくを退しりぞける決定けっていをし、親子おやこ関係かんけいを認みとめた判決はんけつが確定かくていしました。奈良なら県内けんないの40代だいの男性だんせいは、別居べっきょしていた妻つまがクリニックに凍結とうけつ保存ほぞんされていた受精卵じゅせいらんを無断むだんで移植いしょくして出産しゅっさんした２に人にん目めの子こどもについて「同意どういのない出産しゅっさんで、法律ほうりつ上じょうの親子おやこ関係かんけいはない」と、離婚りこんしたあとに訴うったえました。

民法みんぽうには結婚けっこん中ちゅうに妻つまが妊娠にんしんした子こどもは法律ほうりつ上じょう、夫おっとの子ことするとした「嫡出ちゃくしゅつ推定すいてい」という規定きていがあり、裁判さいばんでは夫おっとに無断むだんで受精じゅせい卵たまごを移植いしょくしたことについて、この規定きていが及およばない事情じじょうといえるかが争あらそわれました。

２に審しんの大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは、この夫婦ふうふについて別居べっきょしていても夫婦ふうふの実態じったいが失うしなわれていなかったとしたうえで「同意どういがないことは子この身分みぶんの安定あんていを保たもつ必要ひつようがなくなる理由りゆうにならず、民法みんぽうの規定きていが及およばない特段とくだんの事情じじょうとはいえない」と指摘してきし、１いち審しんに続つづいて法律ほうりつ上じょうの親子おやこ関係かんけいを認みとめていました。

これに対にたいして男性だんせいが上告じょうこくしていましたが、最高さいこう裁判所さいばんしょ第だい２に小しょう法廷ほうていの三浦みうら守まもる裁判さいばん長ちょうは７なな日にちまでに上告じょうこくを退しりぞける決定けっていを出だし、親子おやこ関係かんけいを認みとめる判決はんけつが確定かくていしました。