日本新聞: ゲノム編集で遺伝子操作外来魚「ブルーギル」駆除に可能性も

ゲノム編集へんしゅうで遺伝子いでんし操作そうさ外来がいらい魚ぎょ「ブルーギル」駆除くじょに可能かのう性せいも

Oct 27, 2019 05:10

Furigana

ゲノム編集へんしゅうという最新さいしんの技術ぎじゅつを使つかって、卵たまごを産うめないように遺伝子いでんしを操作そうさした外来がいらい魚ぎょの「ブルーギル」を作つくりだすことに国くにの水産すいさん研究けんきゅう・教育きょういく機構きこうの研究けんきゅうグループが成功せいこうしました。ブルーギルは外来がいらい魚ぎょとして各地かくちで問題もんだいを引き起ひきおこしていて、将来しょうらい的てきに湖みずうみなどに放ほかすことで駆除くじょできる可能かのう性せいがあるとしています。ブルーギルは北米ほくべい原産げんさんの淡水たんすい魚ぎょで、昭和しょうわ30年代ねんだいに日本にっぽんに持ち込もちこまれました。各地かくちで繁殖はんしょくして在来ざいらいの魚さかなを捕食ほしょくして生態せいたい系けいに大おおきな影響えいきょうを与あたえるなどしたため、捕獲ほかくする取り組とりくみが行おこなわれているものの、効果こうかが小ちいさく問題もんだいとなっています。

三重みえ県けんにある国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん水産すいさん研究けんきゅう・教育きょういく機構きこうの岡本おかもと裕之ひろゆきグループ長ちょうらの研究けんきゅうグループは、ゲノム編集へんしゅうと呼よばれる最新さいしんの技術ぎじゅつを使つかって、遺伝子いでんしを操作そうさしたオスのブルーギルを作り出つくりだしました。

このオスの子孫しそんは、メスに卵たまごができにくくなるよう遺伝子いでんしが操作そうさがされていて、世代せだいを重かさねるほど卵たまごを産うめないメスが増ふえてブルーギルを減へらすことができるとしています。

ゲノム編集へんしゅうを使つかって新あらたな品種ひんしゅを作り出つくりだす取り組とりくみは近年きんねん、急速きゅうそくに進すすんでいますが、環境省かんきょうしょうによりますと、外来がいらい種しゅの駆除くじょにゲノム編集へんしゅうの技術ぎじゅつを使つかおうという研究けんきゅうは国内こくないでは初はじめてではないかとしています。

水産すいさん研究けんきゅう・教育きょういく機構きこう増ぞう養殖ようしょく研究所けんきゅうじょの岡本おかもと裕之ひろゆきグループ長ちょうは「環境かんきょうへの影響えいきょうなど十分じゅうぶんに配慮はいりょしながら社会しゃかいの理解りかいも得えて実施じっしできるように進すすめていきたい」と話はなしていました。

外来がいらい生物せいぶつ駆除くじょこれまでの取り組とりくみ

外来がいらい生物せいぶつを駆除くじょしようという取り組とりくみは、これまでさまざまな方法ほうほうで試こころみられてきました。

昭和しょうわ24年ねんには小笠原おがさわら諸島しょとうで、サトウキビの害虫がいちゅうを駆除くじょするためにアメリカから「オオヒキガエル」が持ち込もちこまれましたが、害虫がいちゅうよりも小笠原おがさわら諸島しょとうの貴重きちょうな昆虫こんちゅうを食たべて繁殖はんしょくし、問題もんだいとなりました。

沖縄おきなわ県けんや鹿児島かごしま県けんの島しまでは、ハブを減へらすために「マングース」を放はなしましたが、絶滅ぜつめつ危惧きぐ種しゅに指定していされている「アマミノクロウサギ」などの貴重きちょうな野生やせい生物せいぶつを捕食ほしょくして深刻しんこくな問題もんだいとなるなど、ねらったとおりの成果せいかがあがらない時代じだいがありました。