大野投手は初受賞
沢村賞は、その年に最も活躍した先発完投型のピッチャーに贈られ、▽15勝以上、▽防御率2.50以下、▽150個以上の奪三振、▽完投10試合以上、▽投球回数が200イニング以上など7つの基準が設けられています。
23日は沢村賞の選考委員会が東京都内で開かれました。
今シーズンは、新型コロナウイルスの影響で開幕がおよそ3か月遅れ、試合数も143試合から120試合に減りましたが、堀内委員長によりますと、基準は変えていないということです。
ただ、「今シーズンは試合数が少ないうえ、過密日程でもあり、選手がコンディションを整えにくかったことは考慮した」としていて、ことしは最優秀防御率と最多奪三振の2つのタイトルを獲得した中日の大野雄大投手が初めて受賞することが決まりました。
大野投手と開幕13連勝巨人 菅野投手の争いに
今シーズン11勝6敗の大野投手は▽6つの完封を含む10の完投、▽防御率1.82、▽投球回数は148と3分の2イニングと3つの部門が両リーグ通じていずれもトップとなっています。
さらに45イニング連続無失点で、球団記録を塗り替えたことも評価されたということです。
堀内委員長は、最後は大野投手と、開幕13連勝を果たし、14勝2敗で最多勝と最高勝率の2つのタイトルを獲得した巨人の菅野智之投手の2人に絞られたことを明らかにし「2人に対して例年にない長い討議があったが、数字を素直に見ると大野投手のほうが一番。ファンも分かると思う」と話しました。
大野雄大「完投数を評価してもらったと思う」
沢村賞に初めて選ばれた中日の大野雄大投手は23日、ナゴヤ球場で会見し、「自分自身が候補に挙がっているのは知っていたので、少しそわそわしていた。電話をいただいてすごくうれしかったし、隣にいた妻が、一緒に喜んでくれた」と初受賞の喜びを語りました。
そして、「沢村賞は頭のどこかにあるが、自分には程遠い賞だと思っていたので、まさかという感覚だ。意識しても取れる賞ではないが完投数を評価してもらったと思っている。今シーズンは、よく10回も投げきれたなと思う」と振り返りました。
そのいうえで、「何年も続けてこそプロは評価されると思うので、来年以降も同じような成績を残せるようにやっていかないといけないと思う」と責任感を口にしました。