今回で99
回目を
迎える競泳の
日本選手権が、
東京 江東区の
東京アクアティクスセンターで4
日、
開幕します。
競泳・日本一を決める大会は、ことし7月に福岡市で行われる世界選手権の日本代表選考を兼ねていて、ハイレベルなレースが期待されます。個人種目の代表内定の条件は、決勝のレースで、日本水泳連盟が今回の世界選手権について定めた記録を突破し、2位以内に入ることとなっています。
大会初日の4日は、女子100メートルバタフライに池江璃花子選手が出場します。
得意種目のバタフライで、2018年のアジア大会以来となる個人種目での代表入りを目指します。
池江選手は、去年の秋ごろから思うような練習ができずに調子を落としていましたが、ことしに入ってからは2月の大会で久々の優勝を果たすと、その後は徐々に調子を上げてきました。
大会前には「自信がすごくあるわけではないが、アスリートとして気持ちを整えて臨めたら」と話した池江選手。
社会人となって最初の大会が今回の日本選手権となり、新たなスタートで代表復帰を果たせるか注目です。
また、女子200メートル個人メドレーには、おととしの東京オリンピックのこの種目で金メダルを獲得した大橋悠依選手が出場します。
その大橋選手を追うのが成田実生選手。伸び盛りの16歳の高校2年生が金メダリストにどこまで肉薄できるか、こちらも目が離せません。
男子400メートル個人メドレーには、この種目で、過去に世界選手権で金メダルを獲得した瀬戸大也選手が出場します。
アメリカでの高地合宿で強化し手応えを感じていて、どこまでよいタイムを出せるか期待がかかります。
さらに去年、この種目で代表入りした本多灯選手が、今大会も力を見せて2年続けての代表権を獲得できるかにも注目です。
NHKでは大会の模様を、4日午後4時半から総合テレビで中継します。
オリンピック金メダリスト、萩野さんの注目は?
リオデジャネイロオリンピックで『キングオブスイマー』とも
呼ばれる400
メートル個人メドレーで
金メダルを
獲得し、
今大会、NHKの
中継放送で
解説する
萩野公介さんに
注目する
ポイントを
聞きました。
まず、萩野さんが現役時代に考えていた日本選手権の位置づけについて「代表選考を兼ね、1年におけるプライオリティが高い大会です。失敗したら世界選手権などに出られないことになるので、すごく集中する試合でした。選手たちの“ここで決めないと”という思いなどが独特な雰囲気を作り出します」と自身の経験を語りました。
今大会は、ことし7月に福岡市で行われる世界選手権の日本代表選考を兼ねていて、個人種目では、日本水泳連盟が定めた記録を決勝で突破した上位2人が代表に内定します。萩野さんは「2位争いなど、レースの順位にフォーカスしても盛り上がる」と着目点を説明しました。
そして、注目するレースにあげたのは、やはり男子400メートル個人メドレー。かつて萩野さんとしのぎを削った瀬戸大也選手について、「何秒が出るか楽しみ」とタイムに期待しています。
そのライバルに、去年、この種目で代表入りした経験がある本多灯選手をあげましたが「そのほかの選手にも十分チャンスがある」と大学生や高校生の選手たちの活躍にも期待しています。
パリオリンピックまで、およそ1年前となる今大会をきっかけに、萩野さんは選手たちに国内だけでなく世界にも目を向けてほしいと考えています。
萩野さんは「世界レベルで見ると、高校生年代の選手が世界記録を出している」と指摘。カナダのサマー・マッキントッシュ選手やルーマニアのダビッド・ポポビッチ選手、さらにはフランスのレオン・マルシャン選手など、世界では若手が台頭している現状を踏まえ、「世界の中の日本という視点でも見てほしい」と提言しました。
そして、よく見ているという大リーグやWBC=ワールド・ベースボール・クラシックでの日本代表の活躍に触れ「WBCはアメリカに勝ったことでより盛り上がった。競泳もそうなってほしい」と期待を込めていました。