香港では一人の容疑者を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐり抗議活動が続いていて、市民は町なかの至る所の壁にメッセージを書いた数多くの紙を貼って政府や警察への抗議の意思を示しています。
このうち九龍半島の住宅街にある歩く人と自転車に乗る人のトンネル内で、20日未明、その場にいた人たちが刃物を持った男に突然切りつけられました。
香港メディアによりますと背中などを切りつけられた26歳の女性が大けがをするなど男女合わせて3人がけがをしました。
警察によりますと、この事件に関わった疑いで、50歳の男を中国本土との境界近くで拘束したということで、詳しく調べています。
香港では、今月18日、主催者発表で過去2番目に多いおよそ170万人が参加し抗議集会が開かれた一方、その前日の17日には、主催者発表で47万人余りが参加し、香港政府や警察を支持する集会が開かれるなど、社会の分断も深まっています。
先月にはデモの参加者が帰宅途中に白いTシャツを着た集団に襲撃される事件も起きていて、市民の間に不安が広がっています。