日本新聞: 岸田首相侵攻1年で会見 “G7首脳会合で新たな制裁考え示す”

ロシアのウクライナ侵攻しんこうから1年ねんとなるのに合あわせて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは記者きしゃ会見かいけんし、G7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのう会合かいごうで、ロシアに対にたいする新あらたな制裁せいさいの考え方かんがえかたを示しめすととともに、第三国だいさんごくによるロシアへの軍事ぐんじ支援しえんの停止ていしを呼よびかける考かんがえを明あきらかにしました。一方いっぽう、みずからのウクライナ訪問ほうもんについては、安全あんぜん確保かくほや秘密ひみつ保護ほごなども踏ふまえながら検討けんとうしているものの現時点げんじてんでは決きまっていないと述のべました。

この中なかで、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、ウクライナ情勢じょうせいは今いまも予断よだんを許ゆるさない状況じょうきょうが続つづいているとしたうえで、「力ちからによる一方いっぽう的てきな現状げんじょう変更へんこうの試こころみを断だんじて許ゆるすことがないよう、法ほうの支配しはいに基もとづく世界せかいの平和へいわ秩序ちつじょを回復かいふくしなければならない。そうした国際こくさい社会しゃかいの固かたい決意けついの中核ちゅうかくとなるのはG7だ」と強調きょうちょうし、ことしのG7の議長ぎちょう国こくとして、ウクライナ情勢じょうせいへの対応たいおうを主導しゅどうしていく考かんがえを示しめしました。

そして、24日にち夜よる、日本にっぽんが主催しゅさいして開ひらくオンラインでのG7首脳しゅのう会合かいごうについて、「欧米おうべいの武器ぶき支援しえんの動うごきが広ひろがる一方いっぽう、ロシアが新あらたな攻勢こうせい拡大かくだいに出でつつあるなど、戦況せんきょうは緊迫きんぱくの度たびを増ましている。最新さいしんの状況じょうきょうを意見いけん交換こうかんしてG7の結束けっそくを確認かくにんし、復興ふっこうに向むけた支援しえんの在り方ありかたなどを集中しゅうちゅう的てきに議論ぎろんしたい」と述のべました。

そのうえで「G7として新あらたな対ロたいろ制裁せいさいの考かんがえを示しめしたい。さらに第三国だいさんごくによるロシアへの軍事ぐんじ支援しえんが指摘してきされていることも踏ふまえ、G7として、そうした支援しえんを停止ていしするよう呼よびかける考かんがえだ」と明あきらかにしました。

一方いっぽう、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうがアメリカとの核かく軍縮ぐんしゅく条約じょうやく「新しんSTART」の履行りこう停止ていしを一方いっぽう的てきに主張しゅちょうしたことに、唯一ゆいいつの戦争せんそう被爆ひばく国こくの立場たちばから強つよい懸念けねんを表明ひょうめいするとともに「過去かこ77年間ねんかんの核兵器かくへいき不ふ使用しようの歴史れきしがけがされることがあってはならない」と述のべ、核軍縮かくぐんしゅくの議論ぎろんを先導せんどうしていく考かんがえを示しめしました。

また、ウクライナ支援しえんについて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、現地げんちで最もっとも必要ひつようとされているのは、ロシアと戦たたかう装備そうび品ひんだとしながらも、日本にっぽんは殺傷さっしょう能力のうりょくのある武器ぶきを提供ていきょうすることには制約せいやくがあると指摘してきしました。

そのうえで、日本にっぽんならではの形かたちで、人道じんどうや復旧ふっきゅう・復興ふっこう支援しえんを続つづけていくと強調きょうちょうし、電力でんりょく不足ふそくに対応たいおうする関連かんれん機材きざいのほか、地雷じらいの探知たんち機きや除去じょきょ機きなどの供与きょうよを進すすめる方針ほうしんを示しめしました。

さらに、ウクライナが再ふたたび世界せかいの食糧しょくりょう庫ことして穀物こくもつを世界せかいに供給きょうきゅうできるよう、農業のうぎょう生産せいさん能力のうりょくの回復かいふくに向むけた取り組とりくみのほか、教育きょういくや文化財ぶんかざい保護ほごの支援しえんなども拡充かくじゅうしていく考かんがえを示しめしました。

そして、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは5月つきのG7広島ひろしまサミットなど、今後こんごの国際こくさい舞台ぶたいで日本にっぽんの外交がいこう力りょくを発揮はっきできるよう最大限さいだいげん努力どりょくしていくと強調きょうちょうしました。

一方いっぽう、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、ウクライナ情勢じょうせいを背景はいけいにした世界せかい的てきな物価ぶっか高騰こうとうにも引き続ひきつづき、警戒けいかいが必要ひつようだとして、電気でんき料金りょうきんの負担ふたん軽減けいげん策さくも含ふくめた国内こくないの対策たいさくにも遺漏いろうなく取り組とりくんでいくと説明せつめいし理解りかいを求もとめました。

みずからのウクライナ訪問ほうもん “検討けんとう中ちゅう”

みずからのウクライナ訪問ほうもんについては「安全あんぜん確保かくほや秘密ひみつ保護ほごなど諸般しょはんの事情じじょうも踏ふまえながら検討けんとうしているところであり、時期じきなど具体ぐたい的てきに決きまっているものは現在げんざいない」と述のべました。

G7広島ひろしまサミット “ウクライナ政府せいふとの連携れんけい協力きょうりょくを緊密きんみつに”

G7広島ひろしまサミットについては「招待しょうたい国こくや招待しょうたい機関きかんについては、関係かんけい国こくとの意見いけん交換こうかんも行おこないながら議長ぎちょう国こくとして検討けんとうしているところで、まだ決きまっていない。ただ、ゼレンスキー大統領だいとうりょう含ふくめ、ウクライナ政府せいふとの連携れんけいや協力きょうりょくを緊密きんみつに実施じっししていくことは重要じゅうようだ」と述のべました。

G7広島ひろしまサミット “核兵器かくへいきのない世界せかい目指めざす機運きうんを”

また「ロシアの動うごきによって核兵器かくへいきのない世界せかいに向むけた道みちのりは、一層いっそう、厳きびしいものになっているがだからこそ厳きびしい安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょうという現実げんじつを、核兵器かくへいきのない世界せかいという理想りそうに結び付むすびつけていくのか、現実げんじつ的てきかつ実践じっせん的てきな取り組とりくみを進すすめ、国際こくさい的てきな機運きうんを一層いっそう高たかめていくことが重要じゅうようだ」と述のべました。

そして「G7広島ひろしまサミットを再ふたたび核兵器かくへいきのない世界せかいを目指めざそうという国際こくさい的てきな機運きうんを盛り上もりあげ、反転はんてんさせる機会きかいにしたいという思おもいで議長ぎちょう国こくとしても議論ぎろんをリードしていきたい」と述のべました。

G7広島ひろしまサミット “ロシアを関与かんよさせること考かんがえていない”

G7広島ひろしまサミットにロシアを関与かんよさせる考かんがえはあるか記者きしゃ団だんに問とわれ「ウクライナ侵略しんりゃくについても、核かく使用しようの威嚇いかくについても、非難ひなんされるべきはロシアであることは間違まちがいなく、G7広島ひろしまサミットにロシアを関与かんよさせることは考かんがえていない」と述のべました。

プーチン大統領だいとうりょうへの働はたらきかけ “今いまの時点じてんで予断よだんを持もたず”

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうに直接ちょくせつ、働はたらきかける考かんがえはないのか記者きしゃ団だんに問とわれたのに対にたいし「ロシアの強硬きょうこうな態度たいどを考かんがえると、今いまはまず国際こくさい社会しゃかいが結束けっそくし、ロシアに対にたいする強つよい制裁せいさいとウクライナ支援しえんを行おこなっていく意思いしを明確めいかくに示しめしていくことが求もとめられている」と述のべました。

そのうえで「そうした取り組とりくみを進すすめる中なかで、情勢じょうせいの変化へんかを注視ちゅうししていくというのが、わが国わがくにの現時点げんじてんでの姿勢しせいで、それから先さきのことについては、今いまの時点じてんで予断よだんを持もって申し上もうしあげることは適切てきせつではない」と述のべました。

“第三国だいさんごくの対応たいおうについて明確めいかくなメッセージを”

中国ちゅうごくがロシアに軍事ぐんじ支援しえんを行おこなった場合ばあいの対応たいおうを問とわれたのに対にたいし「中国ちゅうごくとの対話たいわやG7＝主要しゅよう7か国かこくの議論ぎろんを踏ふまえて対応たいおうしていく。明確めいかくなメッセージを国際こくさい社会しゃかいに発はっしていくことが重要じゅうようで、わが国わがくにとしても第三国だいさんごくの対応たいおうについてメッセージを発はっし続つづけていかなければならない」と述のべました。

自民じみん茂木もぎ幹事かんじ長ちょう「支援しえん策さくを着実ちゃくじつに実施じっし」

自民党じみんとうの茂木もぎ幹事かんじ長ちょうは、国会こっかい内ないで開ひらかれたウクライナ避難ひなん民みんの支援しえんについて考かんがえるシンポジウムであいさつし「ロシアによる侵略しんりゃくは、われわれが長年ながねんにわたって構築こうちくしてきた国際こくさい秩序ちつじょを揺ゆるがしかねない事態じたいを招まねき、インフレの進行しんこうをはじめ、世界せかい経済けいざいにも大おおきな影響えいきょうを与あたえている」と指摘してきしました。

そのうえで「侵略しんりゃくを一刻いっこくも早はやく止とめるためには、強力きょうりょくな対たいロシア制裁せいさいと、国難こくなんに直面ちょくめんするウクライナの人々ひとびとに寄り添よりそった支援しえんが重要じゅうようだ。今後こんごも政府せいふ・自民党じみんとうで連携れんけいして支援しえん策さくを着実ちゃくじつに実施じっししていく」と述のべました。

立たつ民みん泉いずみ代表だいひょう「戦闘せんとうが続つづいていることを大変たいへん憂慮ゆうりょ悲かなしい思おもい」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの泉いずみ代表だいひょうは、記者きしゃ会見かいけんで「今いまなお戦闘せんとうが続つづいていることを大変たいへん憂慮ゆうりょし、悲かなしい思おもいだ。力ちからによる現状げんじょう変更へんこうや領土りょうどの侵略しんりゃくを国際こくさい社会しゃかいとして許ゆるしてはいけないし、政府せいふも、ロシアの即時そくじ撤退てったいやウクライナの復興ふっこうに取り組とりくんでいくべきだ」と述のべました。

そのうえで、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんが検討けんとうしているウクライナ訪問ほうもんについて「まだ果はたせていないのは残念ざんねんだ。5月つきのG7広島ひろしまサミットまでに訪問ほうもんするのであれば、国会こっかいにもしかるべき話はなしがあると思おもうので、真摯しんし（しんし）に対応たいおうしていきたい」と述のべました。

立たつ民みん安住あんじゅう国対こくたい委員いいん長ちょう「首相しゅしょうのウクライナ訪問ほうもん貢献こうけんならば協力きょうりょくも」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの安住あんじゅう国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし「日本にっぽんの総理そうり大臣だいじんがウクライナに行いくことが、この戦争せんそうを一いち日にちも早はやく終おわらせるために大おおきな貢献こうけんをするのであれば、国会こっかいとして協力きょうりょくすることはやぶさかではない。しかし、ウクライナに行いくことで支持しじ率りつを上あげようといったよこしまな考かんがえであれば、行いくのを止とめたい」と述のべました。