「インボイス制度せいど」発行はっこう始はじめる事業じぎょう者しゃの負担ふたん軽減けいげん図はかれるか課題かだいに

インボイス制度せいどは、食品しょくひんなど一部いちぶの品目ひんもくで、消費しょうひ税ぜいの税率ぜいりつを8％に据え置すえおく軽減けいげん税率ぜいりつが導入どうにゅうされたのに伴ともない、納税のうぜい額がくを正確せいかくに把握はあくするため1日にちから始はじまりました。

この制度せいどでは、消費しょうひ税ぜいの控除こうじょや還付かんぷを受うけるには品目ひんもくごとに税率ぜいりつや税額ぜいがくを記載きさいしたインボイスと呼よばれる請求せいきゅう書しょやレシートが必要ひつようとなります。

インボイスを発行はっこうするための登録とうろくを行おこなうと、これまで納税のうぜいが免除めんじょされてきた年間ねんかん売り上うりあげ1000万まん円えん以下いかの小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃも新あらたに納税のうぜいが義務ぎむとなるため、政府せいふは税ぜい負担ふたんを一定いってい期間きかん、軽減けいげんする措置そちを設もうけています。

また、小規模しょうきぼ事業じぎょう者しゃに限かぎらず登録とうろくを済すませてインボイスの発行はっこうを始はじめる事業じぎょう者しゃはインボイスの発行はっこうや会計かいけい上じょうの処理しょりに伴ともなう追加ついかの事務じむ作業さぎょうが必要ひつようとなります。

政府せいふは中小ちゅうしょう企業きぎょうを対象たいしょうに会計かいけいソフトを購入こうにゅうする際さいに必要ひつような費用ひようの一部いちぶを補助ほじょするなどの支援しえん策さくを用意よういしているほか税理士ぜいりしや商工しょうこう会かいなどの相談そうだん体制たいせいを強化きょうかしています。

インボイス制度せいどの定着ていちゃくに向むけては、こうした支援しえん策さくを十分じゅうぶんに行き渡いきわたらせ、幅広はばひろい事業じぎょう者しゃに対にたいして事務じむ作業さぎょうの負担ふたんの軽減けいげんを図はかれるかも課題かだいとなります。

「インボイス制度せいど」開始かいしで事業じぎょう者しゃの負担ふたん軽減けいげんに向むけたサービスも

「インボイス制度せいど」の開始かいしにあわせて、IT企業きぎょうなどの間までは事業じぎょう者しゃの事務じむ負担ふたんの軽減けいげんに向むけてサービスを提供ていきょうする動うごきが広ひろがっています。

このうち、会計かいけいソフトを手てがける「freee」は、請求せいきゅう書しょやレシートをスマートフォンで撮影さつえいし、そのデータを取り込とりこむ機能きのうで、新あらたにインボイス制度せいどに対応たいおうしたサービスを開発かいはつしました。

取引とりひき先さきがインボイスを発行はっこうする事業じぎょう者しゃかどうかや、国税庁こくぜいちょうの登録とうろく番号ばんごうの確認かくにんのほか、記帳きちょう内容ないようのチェックをシステムが自動じどうで行おこないます。

会社かいしゃでは小規模しょうきぼ事業じぎょう者しゃを対象たいしょうに講習こうしゅう会かいを開ひらき、事務じむ作業さぎょうの負担ふたんの軽減けいげんにつながるなどと説明せつめいしていました。

「freee」の内門うちかど佑介ゆうすけさんは「制度せいどの導入どうにゅうで何なにをしたらいいのかわからないという問い合といあわせも多おおい。確認かくにん作業さぎょうを楽らくにできるようにしたい」と話はなしていました。

一方いっぽう、「リクルート」は、店舗てんぽ向むけに提供ていきょうしているレジ会計かいけいサービスに、インボイス制度せいどに対応たいおうした機能きのうを追加ついかしました。

国税庁こくぜいちょうの登録とうろく番号ばんごうのほか、品目ひんもくごとの税率ぜいりつや税額ぜいがくがレシートや請求せいきゅう書しょに自動じどうで印字いんじされる仕組しくみです。

今月こんげつからこのシステムを導入どうにゅうした埼玉さいたま県けん本庄ほんじょう市しの飲食いんしょく店てんは、消費しょうひ税ぜいの免税めんぜい事業じぎょう者しゃでしたが、食品しょくひんの仕入しいれ先さきの事業じぎょう者しゃから取り引とりひきを打ち切うちきられるリスクもあると考かんがえ、インボイスの発行はっこう事業じぎょう者しゃとしての登録とうろくを決きめたということです。

飲食いんしょく店てんの山田やまだ秀樹ひでき代表だいひょうは「事業じぎょう者しゃとして信用しんようされることにもつながると思おもうので、適切てきせつに対応たいおうしていきたい」と話はなしていました。

リクルートのAirプロダクトマネジメントの林はやし裕ひろし大だいユニット長ちょうは「今後こんごも社会しゃかい情勢じょうせいの変化へんかに臨機りんき応変おうへんに対応たいおうできるサービスを提供ていきょうしていく」と話はなしています。

専門せんもん家か「消費しょうひ税ぜいの申告しんこくや納税のうぜいの方法ほうほうなどをしっかりケアを」

税理士ぜいりしの資格しかくも持もつTMI総合そうごう法律ほうりつ事務所じむしょの岩いわ品ひん信明のぶあき弁護士べんごしは、インボイス制度せいどについて「適正てきせいな納税のうぜいのためには必要ひつような制度せいどだ。違法いほうな仕入しいれで控除こうじょを受うけるなどの脱税だつぜい行為こういを抑制よくせいし課税かぜい事業じぎょう者しゃが増ふえて税収ぜいしゅうも増ふえるなど、国くににはメリットがある。一方いっぽう、事業じぎょう者しゃにとっては請求せいきゅう書しょの変更へんこうや登録とうろく番号ばんごうの確認かくにんといった負担ふたんが大おおきく、導入どうにゅう当初とうしょは事務じむの間違まちがいが多数たすう出でることも予想よそうされる」と話はなしています。

そのうえで「インボイスを発行はっこうするために課税かぜい事業じぎょう者しゃに登録とうろくしたあと、実際じっさいに何なにをしなければいけないかを十分じゅうぶん理解りかいしていない人ひとが多おおいのが現状げんじょうだ。消費しょうひ税ぜいの申告しんこくや納税のうぜいの方法ほうほうなどをしっかりケアしないと、納税のうぜい漏もれが多数たすう生しょうじる可能かのう性せいもある。国くには免税めんぜい事業じぎょう者しゃから課税かぜい事業じぎょう者しゃとなった人ひとを中心ちゅうしんに対応たいおうを改あらためててこ入てこいれし、税務署ぜいむしょでの相談そうだんを気軽きがるに受うけられるようにするなど具体ぐたい的てきな対応たいおうが求もとめられる」と指摘してきしました。