アメリカの
関税措置をめぐり、
赤澤経済再生担当大臣は、
訪問先のワシン
トンで、ラトニック
商務長官とともに、
日米で
合意した
日本からの
投資に
関する
文書に
署名しました。
關於美國的關稅措施,經濟再生擔當大臣赤澤在訪問華盛頓期間,與商務部長拉蒙多一起,簽署了日美雙方就日本對美投資達成協議的文件。
このあと
記者団に
対し
文書の
内容などについて
説明する
見通しです。
アメリカ・ホワイトハウスは、トランプ大統領がさきの日米合意に基づき、自動車などへの25%の追加関税を従来の税率とあわせて15%に引き下げることなどを盛り込んだ大統領令に署名したと発表しました。
美國白宮宣布,川普總統已根據日前的日美協議,簽署了一項總統令,其中包括將對汽車等商品徵收的25%追加關稅,與現行稅率合併後下調至15%。
これに続き、ワシントンを訪問している赤澤経済再生担当大臣は、日本時間の午前6時すぎにアメリカ商務省に入りました。
隨後,正在華盛頓訪問的赤澤經濟再生擔當大臣於日本時間上午6點過後進入了美國商務部。
そして、日本時間の午前7時すぎにラトニック商務長官とともに、日米で合意した日本からの投資に関する文書に署名し、握手を交わしました。
然後,在日本時間上午7點過後,他與拉特尼克商務部長一起,簽署了日美雙方就來自日本的投資達成協議的文件,並互相握手。
赤澤大臣は、このあと記者団に対し、署名した文書の内容などについて説明する見通しです。
赤澤大臣預計隨後向記者說明所簽署文件的內容等相關事項。
アメリカの関税措置めぐり、日米交渉で合意した自動車への関税引き下げなどは、10回目となる赤澤大臣の今回の訪米で実現することになります。
圍繞美國的關稅措施,日美談判中達成的對汽車關稅下調等事項,將在赤澤大臣第十次訪美時得以實現。
ラトニック商務長官「歴史的な合意」
ラトニック商務長官は、赤澤経済再生担当大臣との文書の署名にあたって「歴史的な合意を実現できることを大変うれしく思っている。
拉托尼克商務部長:「歷史性的協議」拉托尼克商務部長在與赤澤經濟再生擔當大臣簽署文件時表示:「我非常高興能夠實現這一歷史性的協議。」
石破政権とトランプ
政権は、
極めて
特別なパートナーシップを
築いて
いくことなる」と
述べました。
署名のあと、ラトニック長官と赤澤大臣は握手を交わしていました。
ベッセント財務長官「アメリカと日本の同盟新たな節目」
アメリカのベッセント財務長官はSNSに投稿し「きょうアメリカと日本の同盟は新たな節目を迎えた。
貝森特財政部長:「美國與日本的同盟迎來新的里程碑」美國財政部長貝森特在社群媒體上發文表示:「今天美國與日本的同盟迎來了新的里程碑。」
トランプ
大統領の
指導力のもと、
両国の
貿易に
関する
合意は
大統領令によって
公式に
実行に
移された。
在川普總統的領導下,兩國關於貿易的協議已透過總統行政命令正式付諸實行。
合意は
両国の
経済面での
関係を
強化し、アメリカの
労働者を
支え、トランプ
大統領のもとでの
繁栄と
協力の
黄金時代への
関与を
確かにするものだ」としています。
此協議將強化兩國在經濟層面的關係,支持美國勞工,並確保在川普總統領導下邁向繁榮與合作的黃金時代。
トランプ大統領 大統領令に署名
アメリカ・ホワイトハウスは4日、トランプ大統領がさきの日米合意に基づき、自動車などへの25%の追加関税を従来の税率とあわせて15%に引き下げることなどを盛り込んだ大統領令に署名したと発表しました。
川普總統簽署總統令 美國白宮於4日宣布,川普總統根據日前的日美協議,簽署了一項總統令,內容包括將對汽車等產品徵收的25%追加關稅,連同原有稅率一併下調至15%。
トランプ政権はさきの日米合意で自動車などへの追加関税を引き下げるとしていましたが、具体的な時期が示されておらず、日本政府は速やかな実施を求めていました。
川普政府在此前的日美協議中曾表示將降低對汽車等產品的追加關稅,但並未明確指出具體時期,日本政府一直要求儘速實施。
ロイター通信によりますと、新たな税率はこの大統領令の公表から7日後に適用されるとしています。
根據路透社報導,新的稅率將於這項總統令公布後七天開始實施。
また、日本の幅広い品目への関税は、日米合意が反映されず先月7日から一律で15%が上乗せされる状況となっていますが、大統領令には、従来の税率が15%以上の品目には新たな関税が上乗せされないことなども盛り込まれています。
此外,日本對多項商品徵收的關稅,因未反映日美協議,自上月7日起一律加徵15%,但在總統令中,也包含了對原本稅率超過15%的品項不再加徵新關稅等內容。
この措置は、日米合意に基づき、先月7日にさかのぼって適用されるとしています。
大統領令 農業などの分野も
大統領令では、日本がアメリカに対し、製造業や農業、エネルギーなど主要な分野での市場アクセスで画期的な機会を提供するとしています。
總統令 在農業等領域,總統令指出,日本將在製造業、農業、能源等主要領域,向美國提供劃時代的市場准入機會。
このうち、農業の分野では、アメリカからのコメの輸入について、日本政府が毎年およそ77万トンのコメを 関税をかけずに義務的に輸入する「ミニマムアクセス」と呼ばれる仕組みの中で75%増やすとしています。
在農業領域中,關於從美國進口稻米,日本政府計劃在所謂的「最低市場准入」機制下,每年義務性地以免關稅方式進口約77萬噸稻米,並將進口量增加75%。
また、トウモロコシや大豆といったアメリカ産の農産物などを年間80億ドル、日本円にしておよそ1兆1800億円分、輸入することも盛り込んでいます。
此外,協議中還包括每年進口價值80億美元(約合1兆1800億日圓)的美國農產品,如玉米和大豆等。
自動車の輸入については、アメリカで生産され、安全基準を満たした乗用車を追加の試験をせずに日本国内で販売することができるようにするとしています。
關於汽車進口,將允許在美國生產且符合安全標準的乘用車,在不需額外檢驗的情況下於日本國內銷售。
一方、「決定的なのは日本政府がアメリカへの5500億ドルを超える投資に同意したことだ」とした上で、アメリカで数十万人の雇用を創出すると強調しています。
另一方面,「決定性的是日本政府同意對美國進行超過5500億美元的投資」,並強調這將在美國創造數十萬個就業機會。
また、投資先についてはアメリカ政府が選定すると付け加えています。
“日米貿易 新たな時代の基盤”大統領令
大統領令では、ことし7月22日の日米合意について、「互恵の原則と共通の国家利益にもとづく日米貿易関係の新たな時代の基盤を築くものだ」としています。
「日美貿易 新時代的基礎」總統令中提到,關於今年7月22日的日美協議,「這是建立在互惠原則和共同國家利益基礎上的日美貿易關係新時代的基礎。」
また、この合意はアメリカの生産者にとって公平な競争環境を整え、国家安全保障を踏まえた関税の枠組みを確立するもので、アメリカが抱える貿易赤字を削減し、経済を活性化させると意義を強調しています。
此外,此協議為美國生產者建立了公平的競爭環境,並確立了考慮國家安全保障的關稅框架,強調其意義在於減少美國所面臨的貿易赤字並活化經濟。
大統領令どうみる? 経済部記者が解説
【今回署名に至った大統領令をどう見るか?】
関税の引き下げ時期が分からなかったことで、自動車メーカーを中心に不透明感が広がっていました。
如何看待總統令?經濟部記者解說【如何看待此次簽署的總統令?】由於無法確定關稅下調的時機,汽車製造商為中心的不透明感正在擴大。
それだけに、プラスだと受け止められていると考えられます。
相互関税と呼ばれる、自動車分野以外の、幅広い品目に課される関税についても、先の日米合意の内容が反映された大統領令になっていまして、この点も、日本側の求めに沿うものとなっています。
所謂相互關稅,除了汽車領域之外,對於廣泛品項所課徵的關稅,也已經反映在此前日美協議內容所制定的總統令中,這一點也符合日方的要求。
一方、アメリカ側が求めてきたアメリカへの投資などについては、総額5500億ドル、日本円で80兆円規模とされています。
另一方面,美國方面所要求的對美投資等,總額被認為達到5500億美元,折合日圓約80兆圓的規模。
また、詳細を確認する必要はありますが、ミニマムアクセスと呼ばれる枠組みの中でアメリカ産のコメの輸入を増やすことを含め、年間80億ドル、日本円でおよそ1兆円あまりの農産物を輸入することなどが、基本的に従来の合意に沿った形で盛り込まれています。
此外,雖然還需要確認詳細內容,但基本上按照以往的協議,包括在所謂的「最低進口承諾」框架下增加美國產稻米的進口,以及每年進口價值約80億美元、折合日圓約1兆多日圓的農產品等,都被納入協議內容。
日本としては、こうした投資などを明確に約束することで、7月の日米合意を大統領令という形に落とし込むことをようやく実現させたと言えます。
作為日本,通過明確承諾這類投資等,終於實現了將7月的日美協議以總統令的形式具體化。
【日本経済への影響は?】
結局は従来よりは関税が上がったことには変わりはありません。
對日本經濟的影響是什麼呢?結果還是關稅比以往提高了,這一點沒有改變。
国内のシンクタンクからは実質GDP=国内総生産が押し下げられるとの指摘は相次いでいて、国内経済への影響は避けられません。
來自國內智庫的指摘接連指出,實質GDP=國內生產總值將會被拉低,對國內經濟的影響無法避免。
赤澤大臣は、これまで日本の基幹産業でもある自動車業界への影響について「会社によっては1時間に1億円ずつ、1日で10億円、20億円の損失を出している」として、関税措置の影響が顕在化していることに懸念を示していました。
赤澤大臣表示,對於一直以來作為日本基幹產業的汽車業界所受到的影響,「有些公司每小時就損失1億日圓,一天就損失10億、20億日圓」,對於關稅措施的影響已經顯現出來,他表達了憂慮。
今後、トランプ政権は、半導体分野などにも高い関税を課すとしていて、その影響などについても「慎重に見極めが必要だ」としている関係者は多くいます。
今後,川普政府也計劃對半導體等領域徵收高額關稅,對於其影響等問題,許多相關人士表示「有必要謹慎評估」。
政府は、来年度予算の編成作業で、関税対策を新たに盛り込む考えで、経済産業省はすでに、概算要求の中に企業の販路拡大に向けた支援策などを盛り込んでいて、日本経済の打撃を軽減することが大きな課題となります。
政府打算在明年度預算的編制作業中,新增關稅對策,經濟產業省已經在概算要求中納入了支援企業擴大銷售渠道等措施,減輕對日本經濟的衝擊將成為一項重大課題。
アメリカ側はなぜ署名? 国際部デスクが解説
【アメリカ側はなぜ署名?】
日本政府が自動車関税の引き下げについて大統領令を出すことを求めていたのに対し、アメリカのラトニック商務長官は、日本からアメリカへの5500億ドル、日本円でおよそ80兆円の投資の内容を明確にすることを求めていました。
美國方面為什麼簽署?國際部主任解說【美國方面為什麼簽署?】日本政府曾要求美國總統發布有關降低汽車關稅的總統令,而美國的拉托尼克商務部長則要求日本明確說明從日本到美國的5500億美元,約80兆日圓的投資內容。
今回の大統領令には日本がアメリカに5500億ドルの投資を行うことで合意したと明記されました。
這次的總統令明確記載,日本同意向美國進行5500億美元的投資。
また、アメリカが目指す貿易赤字の削減に向けて日本がアメリカの農産物を輸入することについても、ミニマムアクセスと呼ばれる枠組みの中でアメリカ産のコメの輸入を増やすことなども盛り込まれています。
此外,針對美國旨在削減貿易赤字的目標,日本進口美國農產品一事,也包括在所謂的「最低市場准入」制度下增加美國產稻米進口等內容。
大統領令への署名に踏み切ったのはその要求に日本側から一定の回答を得られたと判断したものと見られます。
簽署總統令被認為是因為判斷已經從日本方面獲得了一定程度的回應。
【今後アメリカ側はどう動く?】
トランプ政権の関心は日本からの投資の呼び込みにあります。
【今後美國方面會如何行動?】川普政府關注於吸引來自日本的投資
ベッセント財務長官は、合意に基づく日本からの投資について実施状況を四半期ごとに評価するとも発言していて、アメリカが日本に対して投資を促す状況が続き、対応が求められることになりそうです。
貝森特財政部長也表示,將每季度評估根據協議來自日本的投資執行情況,美國持續促使日本進行投資,預計日本方面將需要做出相應的對應措施。
また、トランプ政権は半導体や医薬品に新たな関税を課す方針を示していて、関税の対象をさらに拡大することへの警戒も必要になりそうです。
此外,川普政府已表示有意對半導體與藥品徵收新關稅,對於關稅適用範圍進一步擴大的警惕也變得必要。
一方で、トランプ政権の関税措置をめぐるアメリカの司法の判断が注目されています。
另一方面,美國司法對於川普政府關稅措施的判決備受關注。
アメリカの連邦控訴裁判所は29日、トランプ政権が発動した相互関税などの措置について大統領に与えられた権限を越えていて、無効で違法だなどとした1審の決定を支持する判断を示しました。
美國聯邦上訴法院於29日表示,支持一審裁決,認為川普政府所實施的互惠關稅等措施超越了總統所賦予的權限,因此無效且違法。
トランプ政権は連邦最高裁判所に上訴したと伝えられています。
最高裁が判断を示すまでは関税措置は継続されるが、司法の判断が関税政策に大きな影響を及ぼすため注意して見ていく必要があります。
在最高法院做出判決之前,關稅措施將會持續實施,但由於司法判決對關稅政策有重大影響,因此有必要密切關注。
関税交渉 これまでの経緯
アメリカの関税措置を受けた日米交渉は、ことし4月から7月にかけて、赤澤経済再生担当大臣がワシントンを訪れる形で集中的に行われました。
美日關稅談判的經過 由於美國實施關稅措施,美日之間的談判自今年4月至7月期間,由經濟再生擔當大臣赤澤前往華盛頓,以集中的方式進行。
4月中旬の最初の訪米で赤澤大臣はホワイトハウスでトランプ大統領と会談したのに続き、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、USTR=アメリカ通商代表部のグリア代表の3閣僚と会談しました。
在四月中旬的首次訪美中,赤澤大臣繼在白宮與川普總統會談後,又與貝森特財政部長、拉特尼克商務部長,以及美國貿易代表署(USTR)的格利亞代表等三位閣員舉行了會談。
この後も頻繁にアメリカに足を運び、多い時は4週連続で閣僚レベルでの話し合いを重ねました。
之後也經常前往美國,有時甚至連續四週以閣僚級別進行會談。
6月にはカナダで開かれたG7サミット=主要7か国首脳会議に合わせて、石破総理大臣とトランプ大統領が首脳会談を行い、担当閣僚にさらに協議を進めるよう指示することで一致。
6月在加拿大舉行的G7高峰會——七大工業國領袖會議期間,石破首相與川普總統舉行了首腦會談,雙方一致同意指示相關閣員進一步推動協商。
7月下旬の8回目の訪米で赤澤大臣は閣僚に続いてトランプ大統領とも会談し、日本がアメリカに5500億ドル、日本円にしておよそ80兆円の投資を行い、アメリカは関税率を引き下げることなどで合意します。
在七月底第八次訪美時,赤澤大臣繼與閣僚會談後,也與川普總統會談,雙方同意日本將對美國進行5500億美元(約合80兆日圓)的投資,美國則將透過降低關稅率等方式作出回應。
関税率は8月1日から25%を課すとされていた「相互関税」は15%、自動車や自動車部品は既存の関税率とあわせて15%で決着しました。
「相互關稅」原定於8月1日起徵收25%,最終確定為15%;汽車及汽車零件則與現行關稅率合併後,最終也確定為15%。
しかし、その後「相互関税」についての合意内容が大統領令に反映されていないことが判明。
然而,之後發現關於「相互關稅」的協議內容並未反映在總統令中。
赤澤大臣は8月上旬に急きょ訪米し、大統領令を適時修正する措置をとることや同じタイミングで自動車などの関税を下げるための大統領令を発出することを閣僚と確認しました。
赤澤大臣於八月上旬緊急訪問美國,並與閣員確認,將適時修正總統令,以及在同一時機發布降低汽車等關稅的總統令。
そして、日本側は「相互関税」をめぐる大統領令の修正と、自動車などの関税の引き下げをできるだけ早く行うようアメリカ側に求め、事務レベルでの調整が続けられてきました。
然後,日本方面要求美國方面盡快修改有關「相互關稅」的總統令,並儘早下調汽車等的關稅,雙方一直在事務層面進行協調。