ガザ地区での
人道危機が
深刻化する
中、イギリス
など4
か国が
相次いで、パレスチナを
国家として
承認しました。
在加沙地带人道危机日益严重之际,包括英国在内的四个国家相继承认了巴勒斯坦为国家。
ニューヨークでは今週、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」による和平を推進する会議が開かれる予定で、主要国が国家承認に踏み切ったことで、和平への機運が高まるかどうかが注目されます。
本周,纽约将召开推动以色列和巴勒斯坦“两个国家共存”和平的会议。由于主要国家已决定承认国家地位,外界关注这是否会提升实现和平的势头。
イギリスのスターマー首相は21日、ビデオ声明で、パレスチナを国家として承認すると発表しました。
英国首相斯塔默于21日通过视频声明宣布,承认巴勒斯坦为一个国家。
スターマー首相は、イスラム組織ハマスに対してはテロ組織だと非難する一方、イスラエルはガザ地区への攻撃を停止すべきだとして「2国家共存の希望は薄れつつあるが、その光を消してはならない」と強調しました。
斯塔默首相一方面谴责伊斯兰组织哈马斯为恐怖组织,另一方面也强调以色列应当停止对加沙地带的攻击,并表示“虽然两国共存的希望正在逐渐消失,但绝不能让这道光熄灭”。
また、カナダとオーストラリア、そしてポルトガルもパレスチナを国家として承認しました。
此外,加拿大、澳大利亚以及葡萄牙也承认了巴勒斯坦为国家。
パレスチナの国家承認はおよそ150か国が行っていますが、G7=主要7か国では、イギリスとカナダが初めてです。
大约有150个国家承认了巴勒斯坦国,但在七国集团(G7)中,英国和加拿大是首次承认的。
4か国としては、ガザ地区での停戦や期">長期的な和平に向けた機運を高めるとともに、イスラエルに圧力をかけるねらいもあるとみられます。
作为四个国家,目的是在加沙地带推动停火和长期和平的势头,同时也被认为是为了向以色列施加压力。
ニューヨークの国連本部では22日、フランスとサウジアラビアが主導して、イスラエルとパレスチナとの「2国家共存」による和平を推進する会議が開かれます。
6月22日,在纽约联合国总部,由法国和沙特阿拉伯主导,将召开推动以色列与巴勒斯坦通过“两国共存”实现和平的会议。
イスラエルはパレスチナの国家承認に反発していますが、パレスチナ側によりますと、会議に合わせて新たに承認する国はイギリスなどを含めておよそ10か国にのぼる見通しで和平への機運が高まるかどうかが注目されます。
以色列反对承认巴勒斯坦为国家,但据巴勒斯坦方面称,预计将有包括英国在内的大约10个国家在会议期间新近承认巴勒斯坦,备受关注的是这是否会推动和平的氛围升温。
アッバス議長「『2国家解決』実現に向けた道切り開く」
イギリス、カナダ、オーストラリアがパレスチナを国家として承認したことについて、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は21日、声明で「パレスチナの人々の自決権や自由、独立を認めることは、パレスチナとイスラエルが国家として共存する『2国家解決』の実現に向けた道を切り開く」として歓迎しました。
阿巴斯主席:“为实现‘两国方案’开辟道路”——针对英国、加拿大和澳大利亚承认巴勒斯坦为国家一事,巴勒斯坦临时自治政府主席阿巴斯21日在声明中表示:“承认巴勒斯坦人民的自决权、自由和独立,为巴勒斯坦和以色列作为两个国家共存的‘两国方案’的实现开辟了道路”,对此表示欢迎。
その一方で、いま優先することとして、ガザ地区での停戦や人道支援物資の搬入、イスラエル軍の完全な撤退のほか、ヨルダン川西岸でのイスラエルによる入植活動の終了などを挙げました。
与此同时,他还提出了当前应优先考虑的事项,包括在加沙地带实现停火和运送人道主义援助物资、以色列军队的完全撤退,以及以色列在约旦河西岸停止定居点活动等。
イスラエル首相「パレスチナ国家が樹立されることはない」
イギリス、カナダ、オーストラリアが、パレスチナを国家として承認したことについて、イスラエルのネタニヤフ首相は21日、ビデオ声明を発表し、「イスラム組織ハマスのテロ行為に大きな報酬を与えている」と述べて、強く反発しました。
以色列首相表示“绝不会建立巴勒斯坦国家”。针对英国、加拿大和澳大利亚承认巴勒斯坦为国家一事,以色列总理内塔尼亚胡于21日发表视频声明,强烈反对称“这等于是对伊斯兰组织哈马斯的恐怖行为给予了巨大回报”。
そして、「ヨルダン川西岸にパレスチナ国家が樹立されることはない」と強調したうえで、各国がパレスチナを国家承認する動きにどう対応するかは近く明らかにするとしています。
他还强调称“绝不会在约旦河西岸建立巴勒斯坦国”,并表示将很快明确各国承认巴勒斯坦为国家的动向将如何应对。
国家承認 アメリカの立場は
アメリカのトランプ政権は、いまパレスチナを国家として承認しても、ガザ地区での戦闘の終結につながらないなどとして、否定的な立場をとっています。美国的立场 国家承认 美国特朗普政府持否定态度,认为即使现在承认巴勒斯坦为国家,也不会促使加沙地区的战斗结束。
ルビオ国務長官は各国の国家承認の動きについて「交渉を妨げ、ハマスを勢いづかせるもので、賢明な行動ではない」と述べ非難しています。
鲁比奥国务卿对于各国承认国家的动向表示谴责,称这是“妨碍谈判、助长哈马斯的行为,并非明智之举”。
また、日本政府が承認を見送る方針を示したことについて、アメリカ国務省のヒューストン副報道官はNHKの取材に対して「日本の判断こそ私たちが望むものだ。
此外,对于日本政府表示将推迟批准的方针,美国国务院副发言人休斯顿在接受NHK采访时表示:“正是日本的判断才是我们所期望的。”
現時点で『2国家解決』を検討しないという判断を私たちは支持する」と評価しています。我们评价说:“我们支持目前不考虑‘两国解决方案’的决定。”
トランプ政権は、現段階では、パレスチナを誰がどう統治するのかが見えないという認識を示していてパレスチナ暫定自治政府に対しても不信感を抱いています。
特朗普政府表示,目前尚不清楚由谁以及如何治理巴勒斯坦,并且对巴勒斯坦临时自治政府也持有不信任态度。
今回、トランプ政権は、アッバス議長を含むパレスチナ暫定自治政府の当局者が国連総会にあわせてアメリカに入国するためのビザを発給しませんでした。
这次,特朗普政府没有向包括阿巴斯主席在内的巴勒斯坦临时自治政府官员签发与联合国大会相关的赴美签证。
理由として、パレスチナ暫定自治政府がICC=国際刑事裁判所などを通じて、イスラエルとの対立を国際問題化しているほか、教科書などで暴力を扇動したり、たたえたりして、テロを支援しているなどと主張しています。
作为理由,巴勒斯坦临时自治政府通过国际刑事法院(ICC)等手段,将与以色列的对立国际化,此外,还主张通过教科书等煽动或赞扬暴力,支持恐怖主义等。
1期目のトランプ政権で中東政策を担当していた国務省の元高官で、外交問題評議会のエリオット・エイブラムス上級研究員は、「トランプ政権はパレスチナ暫定自治政府の統治能力を非常に否定的に見ている。
在第一任特朗普政府中负责中东政策的美国国务院前高级官员、外交关系委员会高级研究员埃利オ特·エイブラム斯表示:“特朗普政府对巴勒斯坦临时自治政府的治理能力持非常否定的看法。”
ガザ地区を統治する能力はないと考えている。国家承認の動きを政治的なパフォーマンスにすぎないとみて、トランプ政権は重要視しないだろう」と分析しています。特朗普政府认为,国家承认的举动不过是政治表演,因此不会予以重视。
そして「イスラム組織ハマスを壊滅させその復活を防ぐための措置を講じる必要がある。
并且“有必要采取措施,彻底消灭伊斯兰组织哈马斯,并防止其复活。”
パレスチナ国家の重要な基準の1つは、テロ組織を育まないことであり、それがトランプ大統領にとって重要なのだと思う」と述べました。巴勒斯坦国家的一个重要标准是不能滋养恐怖组织,我认为这对特朗普总统来说很重要。
「2国家共存」とは
「2国家共存」とはイスラエルと将来的なパレスチナ国家の平和的な共存を目指す、中東和平交渉の解決策のことです。
“两国共存”是指以色列与未来的巴勒斯坦国家和平共处为目标的中东和平谈判解决方案。
「2国家解決」とも言います。
大きなきっかけとなったのは1993年にイスラエルとパレスチナが結んだオスロ合意です。
1993年以色列和巴勒斯坦签署的奥斯陆协议成为了一个重要的转折点。
「オスロ合意」ではパレスチナ側が暫定的な自治を始めることなどで双方が合意し、国際社会や国連も2国家共存を目指して、交渉を後押ししてきました。
在《奥斯陆协议》中,巴勒斯坦方面同意开始临时自治,双方达成了一致,国际社会和联合国也一直推动谈判,致力于实现两国共存。
ところが、最終合意間近とされた2000年のキャンプデービッド会議は聖地エルサレムの扱いなどをめぐり決裂。
然而,被认为即将达成最终协议的2000年戴维营会议,因耶路撒冷圣地等问题而破裂。
その後、パレスチナではイスラエルに対する武装闘争を掲げるイスラム組織ハマスが台頭しました。
随后,在巴勒斯坦,主张对以色列进行武装斗争的伊斯兰组织哈马斯崛起了。
イスラエル側でもパレスチナに対して強硬な立場を取る右派政権が続き、将来的なパレスチナ国家の領土とされるヨルダン川西岸ではユダヤ人入植地が拡大しました。
在以色列方面,主张对巴勒斯坦采取强硬立场的右翼政权持续执政,未来被视为巴勒斯坦国领土的约旦河西岸地区的犹太人定居点不断扩大。
こうしたなか、交渉は2014年を最後に途絶えています。
2023年10月に始まったイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘に終わりが見えないなか、国際社会では、2国家共存による和平の実現を呼びかける動きが強まっています。
在以色列军队与伊斯兰组织哈马斯于2023年10月爆发的战斗看不到结束迹象的情况下,国际社会呼吁通过两国共存实现和平的呼声日益高涨。
今月12日には国連総会で2国家共存による和平を支持する決議案が日本を含む142か国の賛成多数で採択されました。
本月12日,联合国大会以包括日本在内的142个国家赞成的多数通过了一项支持两国共存实现和平的决议案。
一方で、イスラエルやアメリカなど10か国がこの決議案に反対しました。
另一方面,以色列、美国等10个国家反对了这一决议案。
イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ国家の樹立について「平和的に共存するものではなくイスラエルを破壊するテロの拠点になる」などと否定的な考えを強調しています。
以色列总理内塔尼亚胡强调了否定性的看法,称巴勒斯坦建国“不是能够和平共存的,而是将成为破坏以色列的恐怖主义据点”。