日本新聞: コロナで受診控えか症状悪化してから移植受ける子ども増加

コロナで受診じゅしん控ひかえか症状しょうじょう悪化あっかしてから移植いしょく受うける子こども増加ぞうか

Dec 20, 2020 11:12

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで受診じゅしん控ひかえが問題もんだいとなっていますが、小児しょうに医療いりょうが専門せんもんの国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンターで、ことし生体せいたい肝かん移植いしょくを受うけた子こどもたちを調査ちょうさしたところ、去年きょねんよりも症状しょうじょうが悪化あっかしてから移植いしょくを受うける子こどもが増ふえていることが分わかりました。調査ちょうさを行おこなったのは、国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンター高度こうど感染かんせん症しょう診断しんだん部ぶの山田やまだ全ちょん毅あつし医師いしらのグループです。

国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンターには重おもい肝臓かんぞう病びょうのため移植いしょくが必要ひつような子こどもたちが全国ぜんこくの病院びょういんから紹介しょうかいされてきていて、毎年まいとし50件けんほどの生体せいたい肝かん移植いしょくの手術しゅじゅつが行おこなわれています。

グループでは、ことし5月つきから10月つきまでに移植いしょくを受うけた子こども15人にんについて、手術しゅじゅつ前まえの肝臓かんぞうの状態じょうたいなどの症状しょうじょうを詳くわしく調しらべ、新型しんがたコロナウイルスが無なかった去年きょねん移植いしょくを受うけた子こどもと比較ひかくしました。

その結果けっか、ことし移植いしょくを受うけた子こどもたちは手術しゅじゅつ前まえの重じゅう篤あつし化かを示しめす数値すうちの平均へいきんが去年きょねんよりも2倍ばい以上いじょう高たかくなっていて、より悪わるい状態じょうたいで移植いしょくを受うけていたことが分わかったということです。

グループでは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで受診じゅしんが遅おくれたり、かかりつけの病院びょういんからの紹介しょうかいが遅おくれたことが影響えいきょうしている可能かのう性せいがあるとしています。

調査ちょうさを行おこなった山田やまだ医師いしは「受診じゅしんを控ひかえて病状びょうじょうが悪化あっかする傾向けいこうはほかの病気びょうきでも生しょうじている可能かのう性せいがある。病院びょういんは感染かんせん対策たいさくを徹底てっていしているので、子こどもの体調たいちょうが悪わるかったらすぐに病院びょういんを受診じゅしんしてほしい」と話はなしていました。