「投なげ抹消まっしょう」改善かいぜんへ FAに必要ひつような日数にっすうに6日間にちかんを加算かさん 来季らいき導入どうにゅうへ

プロ野球やきゅうではピッチャーが先発せんぱつ登板とうばんする日ひに1軍ぐんに出場しゅつじょう選手せんしゅ登録とうろくされ、登板とうばん翌日よくじつに2軍ぐんに降格こうかくして中ちゅう10日にち以上いじょう空あけて再さい登録とうろくされるケースがあり、まだ体からだの出来上できあがっていない若手わかてや、体力たいりょくが落おちてきているベテランが調整ちょうせいをしながら先発せんぱつローテーションを守まもるために用もちいられています。

一方いっぽうで、移籍いせき先さきを自由じゆうに探さがすことのできるFAの権利けんりについて、現在げんざい、取得しゅとくには1軍ぐんの出場しゅつじょう選手せんしゅ登録とうろく145日にちを1シーズン・1年ねんと換算かんさんし、国内こくない移籍いせきで7年ねんから8年ねん、海外かいがい移籍いせきでは9年ねんが必要ひつようとなっています。

先発せんぱつとして登板とうばんする日ひのみに登録とうろくされるピッチャーは、権利けんりを得えるために必要ひつような登録とうろく日数にっすうが野手やしゅに比くらべて不利ふりな状況じょうきょうとなっていて、日本にっぽんプロ野球やきゅう選手せんしゅ会かいが改善かいぜんを要求ようきゅうしていました。

これについて、NPBは日本にっぽんプロ野球やきゅう選手せんしゅ会かいと協議きょうぎした結果けっか、先発せんぱつとして登板とうばんした翌日よくじつ以降いこう、6日にち以内いないに登録とうろくが抹消まっしょうされ、抹消まっしょうされた日ひから14日にち以内いないに再ふたたび登録とうろくされて先発せんぱつ登板とうばんした場合ばあい、6日間にちかんの登録とうろく日数にっすうを加算かさんする新あらたなルールを来きシーズンから導入どうにゅうすると発表はっぴょうしました。

日本にっぽんプロ野球やきゅう選手せんしゅ会かいの森もり忠仁ただひと事務じむ局長きょくちょうは「長年ながねん、選手せんしゅも交まじえて訴うったえてきたことが実現じつげんしてよかった。選手せんしゅは現役げんえき生活せいかつが長ながいわけではないので、満足まんぞくできるような野球やきゅう界かいにできるよう、今後こんごもやっていきたい」とコメントしています。

「投なげ抹消まっしょう」めぐる議論ぎろん その経緯けいいは

先発せんぱつ投手とうしゅの登板とうばん後ごに登録とうろくを抹消まっしょうするケースは「投なげ抹消まっしょう」とも呼よばれ、日本にっぽんプロ野球やきゅう選手せんしゅ会かいでは2021年ねんにほぼ中ちゅう10日にちのペースで先発せんぱつ登板とうばんしていたヤクルトの当時とうじ2年ねん目めの奥川おくがわ恭きょう伸しん投手とうしゅが登板とうばん後ごに登録とうろく抹消まっしょうされるのを繰り返くりかえし、FA＝フリーエージェントの権利けんりを取得しゅとくするのに必要ひつような登録とうろく日数にっすうがなかなか増ふえないことを問題もんだい視しし、NPB＝日本にっぽん野球やきゅう機構きこうと協議きょうぎを始はじめました。

この中なかで、当初とうしょは登板とうばん後ごに登録とうろく抹消まっしょうされた先発せんぱつ投手とうしゅが30日にち以内いないに先発せんぱつした場合ばあい、7日間にちかんの登録とうろく日数にっすうを加算かさんする案あんを提示ていじしていましたが、NPB側がわは30日間にちかんという幅はばでは「投なげ抹消まっしょう」にはならないなどの意見いけんが出でて、議論ぎろんは平行へいこう線せんとなっていました。

こうした中なか、ことし9月つきにともにプロ11年ねん目めの巨人きょじん 菅野かんの智之としゆき投手とうしゅとヤクルト 小川おがわ泰弘やすひろ投手とうしゅがシーズン中ちゅうにも関かかわらずNPBと選手せんしゅ会かいの交渉こうしょうの場ばに出席しゅっせきし、「投なげ抹消まっしょう」の後のち、14日にち以内いないに先発せんぱつした場合ばあい、登板とうばん日びを含ふくめて7日間にちかんの登録とうろく日数にっすうを加算かさんする修正しゅうせい案あんを提示ていじして理解りかいを求もとめました。

その際さい、菅野かんの投手とうしゅは、「僕ぼくもあと何なん年ねんやれるかわからないので、あとの世代せだいの選手せんしゅたちになにか残のこしてあげたいなという気持きもちで出席しゅっせきした」と話はなしていました。

また、小川おがわ投手とうしゅは、「FAが1年ねん早はやくなることで野球やきゅう人生じんせいが変かわる選手せんしゅがいると思おもうので、1年ねんでも早はやくという思おもいはある」と話はなしていました。

これまでキャリアを積み重つみかさねてきたベテラン投手とうしゅみずからが、若わかい世代せだいのために思おもいを伝つたえる異例いれいの訴うったえが選手せんしゅを極力きょくりょく長ながい期間きかん保有ほゆうしたい球団きゅうだん側がわの譲歩じょうほを引き出ひきだし、今回こんかい、FAの登録とうろく日数にっすうが加算かさんされる新あらたなルールの導入どうにゅうという形かたちで実みを結むすぶ結果けっかとなりました。