日本新闻: うつ病の発症ウイルスが持つ遺伝子が関与している可能性

うつ病うつびょうの発症はっしょうウイルスが持もつ遺伝子いでんしが関与かんよしている可能かのう性せい

Jun 11, 2020 14:06

Furigana

うつ病うつびょうの発症はっしょうに、多おおくの人ひとが幼おさない頃ころに感染かんせんする「ヘルペスウイルス」が関係かんけいしている可能かのう性せいがあるとする研究けんきゅう成果せいかを東京とうきょう慈恵じえ会かい医科いか大学だいがくのグループが発表はっぴょうし、うつ病うつびょう発症はっしょうのメカニズムや治療ちりょう薬やくの開発かいはつなどに役立やくだつと期待きたいされています。この研究けんきゅうを行おこなったのは、東京とうきょう慈恵じえ会かい医科いか大学だいがくの近藤こんどう一博かずひろ教授きょうじゅらのグループです。

グループでは、多おおくの人ひとが子こどもの頃ころに感染かんせんする「ヒトヘルペスウイルス6」というウイルスが脳のうの一部いちぶに感染かんせんすると、ウイルスが持もつ「ＳＩＴＨー1」という遺伝子いでんしが強つよく働はたらくことを突き止つきとめました。

そこで、マウスの脳のうでこの遺伝子いでんしを人為じんい的てきに働はたらかせたところ、マウスの行動こうどうが変化へんかし、うつによく似にた症状しょうじょうがみられることが確認かくにんされたということです。

さらにグループが、うつ病うつびょうの患者かんじゃ84人にんと健康けんこうな人ひと82人にんの血液けつえきを調しらべたところ、うつ病うつびょうの患者かんじゃでは79.8％の人ひとでこの遺伝子いでんしが強つよく働はたらいている反応はんのうがあったのに対にたいし、健康けんこうな人ひとでは24.4％だったということです。

このためグループでは、このウイルスの遺伝子いでんしが強つよく働はたらくことが、うつ病うつびょうの発症はっしょうに関係かんけいしている可能かのう性せいがあるとしています。

近藤こんどう教授きょうじゅは「これまで、うつ病うつびょうの原因げんいんは、はっきりとは特定とくていされていなかったが、ウイルスが関与かんよしている可能かのう性せいが分わかった。さらに研究けんきゅうが進すすみ、発症はっしょうの詳くわしいメカニズムが解明かいめいできれば、新あらたな治療ちりょう薬やくの開発かいはつなどにつながるはずだ」と話はなしています。