Báo tiếng Nhật: 熱海土石流市が盛り土の危険認識も対策命じる文書発出せず

熱海あたみ土石流どせきりゅう市しが盛り土もりつちの危険きけん認識にんしきも対策たいさく命めいじる文書ぶんしょ発出はっしゅつせず

Oct 18, 2021 19:10 1

Furigana

ことし7月つき、静岡しずおか県けん熱海あたみ市しで起おきた土石流どせきりゅう災害さいがいで、熱海あたみ市しの斉藤さいとう市長しちょうは10年ねん前まえに上流じょうりゅう部ぶの盛り土もりつちの危険きけん性せいを認識にんしきし、安全あんぜん対策たいさくを命めいじる文書ぶんしょを作成さくせいしながら、発出はっしゅつを見送みおくっていたことを明あきらかにしました。

斉藤さいとう市長しちょうは「一定いっていの安全あんぜん性せいが担保たんぽされたと判断はんだんした。当時とうじの判断はんだんは正ただしかった」などと述のべたうえで、行政ぎょうせいの責任せきにんについては明言めいげんを避さけました。

ことし7月つきに熱海あたみ市し伊豆山いずやま地区ちくで起おきた土石流どせきりゅう災害さいがいで、熱海あたみ市しの斉藤さいとう栄さかえ市長しちょうは18日にち、記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、上流じょうりゅう部ぶにあった盛り土もりつちをめぐるこれまでの対応たいおうについて説明せつめいしました。

この中なかで斉藤さいとう市長しちょうは、10年ねん前まえの平成へいせい23年ねんに市しが危険きけん性せいを認識にんしきし、県けんと対応たいおうを相談そうだんしたうえで盛り土もりつちを造成ぞうせいした会社かいしゃ側がわに安全あんぜん対策たいさくを実施じっしするよう命めいじる文書ぶんしょを作成さくせいしたものの、発出はっしゅつを見送みおくっていたことを明あきらかにしました。

その理由りゆうについては、それまで防災ぼうさい工事こうじの要請ようせいに応おうじてこなかった業者ぎょうしゃが工事こうじを一部いちぶ進すすめるなどし、盛り土もりつちの地盤じばんの安定あんてい化かが図はかられたなどとして「一定いっていの安全あんぜん性せいが担保たんぽされたと判断はんだんした」と述のべたうえで、当時とうじの判断はんだんについては「正ただしかったと思おもっている」と述のべました。

一方いっぽう、今回こんかいの土石流どせきりゅうの被害ひがいについては「重おもく受け止うけとめている」と述のべましたが、市しの責任せきにんについては現在げんざいも続つづいている市しの調査ちょうさや第三者だいさんしゃとしての県けんの調査ちょうさに委ゆだねる考かんがえを示しめし、明言めいげんを避さけました。

遺族いぞくが会見かいけん「行政ぎょうせいに重大じゅうだいな過失かしつ」

静岡しずおか県けんと熱海あたみ市しの会見かいけんを受うけて、遺族いぞくや被災ひさい者しゃでつくる「被害ひがい者しゃの会かい」の会長かいちょうで、亡なくなった瀬下せしも陽子ようこさんの長男ちょうなんの瀬下せしも雄つよし史しさんが会見かいけんを開ひらきました。

瀬下せしもさんは「調査ちょうさ結果けっかは非常ひじょうに公明こうめい正大せいだいと言いえるものが出でてきた。今回こんかいの資料しりょうを見みるかぎり、明あきらかな過失かしつがあったと言いえる。行政ぎょうせいに重大じゅうだいな過失かしつがあったと言いわざるをえない」と述のべました。

そのうえで「なぜ放置ほうちされていたのか、適切てきせつだったのかという点てんは行政ぎょうせいで明あきらかにしてほしい。もみ消もみけさずに事実じじつを出だしてもらい、適切てきせつな対応たいおうだったのか防ふせぐことができたのかどうか、つまびらかにしてほしい」と訴うったえていました。

また、加藤かとう博太郎ひろたろう弁護士べんごしは「防ふせぐことができた人災じんさいであったことが明あきらかになった。行政ぎょうせいに対にたいしては直ただちに法的ほうてき責任せきにんの追及ついきゅうは考かんがえておらず、被災ひさい者しゃに真摯しんし（しんし）に向き合むきあってもらって真相しんそう解明かいめいを自発じはつ的てきに行いってほしい」と述のべました。

遺族いぞくや被災ひさい者しゃ、合あわせて70人にんは土石流どせきりゅうの被害ひがいについて、盛り土もりつちを造成ぞうせいした不動産ふどうさん会社かいしゃの代表だいひょうや今いまの土地とち所有しょゆう者しゃなどに対にたいして、先月せんげつ、静岡しずおか地方ちほう裁判所さいばんしょ沼津ぬまづ支部しぶに32億おく円えん余あまりの賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしています。

静岡しずおか県けん難波なんば副ふく知事ちじ “命令めいれい出だすべきだったと思おもう検証けんしょうが必要ひつよう”

熱海あたみ市しが安全あんぜん対策たいさくを命めいじる文書ぶんしょを作成さくせいしながら、発出はっしゅつを見送みおくっていたことについて、静岡しずおか県けんの難波なんば副ふく知事ちじは会見かいけんで「命令めいれいについて県けんには資料しりょうが残のこっていないが、県けんも十分じゅうぶんな協議きょうぎをしたと思おもう。私わたしは命令めいれいを出だすべきだったと思おもうが、なぜ市しが発出はっしゅつをしなかったのかまだよく分わかっておらず、これから検証けんしょうしていかなければいけない。ただ命令めいれいを出だしていたら会社かいしゃ側がわが従したがっていたかは別べつ問題もんだいだと思おもう」と述のべました。

土地とち所有しょゆう者しゃ側がわ「誠まことに遺憾いかん」

18日にちの熱海あたみ市しの記者きしゃ会見かいけんを受うけて、盛り土もりつちが造成ぞうせいされた土地とちの今いまの所有しょゆう者しゃの代理人だいりにんを務つとめる河合かわい弘之ひろゆき弁護士べんごしが声明せいめいを発表はっぴょうし「事実じじつ関係かんけいを確認かくにんするべく、当方とうほうに対にたいしてヒアリングを行おこなう必要ひつようがあるにもかかわらず一切いっさい経へておらず誠まことに遺憾いかんです。所有しょゆう者しゃは市しや県けんの指導しどうに従にしたがい、盛り土もりつちについて土地とちを購入こうにゅうしてから土石流どせきりゅう災害さいがいが生しょうじるまで一切いっさいの工事こうじをしていません」とコメントしています。