日本新闻: 首都圏新築マンション平均価格バブル期超え10月では過去最高

首都しゅと圏けん新築しんちくマンション平均へいきん価格かかくバブル期き超こえ10月つきでは過去かこ最高さいこう

Nov 28, 2021 17:11

Furigana

マンションの価格かかくが高騰こうとうしています。

10月つき首都しゅと圏けんで発売はつばいされた新築しんちくマンションの平均へいきん価格かかくは、1戸こ当あたり6750万まん円えんと、バブル期きの1990年ねんを超こえて過去かこ最高さいこうになりました。

調査ちょうさ会社かいしゃは、年間ねんかんを通をとおして見みても、ことしのマンション価格かかくはこれまでで最高さいこうになる見通みとおしだとしています。

民間みんかんの調査ちょうさ会社かいしゃ、不動産ふどうさん経済けいざい研究所けんきゅうじょによりますと、東京とうきょう、神奈川かながわ、埼玉さいたま、千葉ちばの1都と3県けんで10月つき発売はつばいされた新築しんちくマンションの平均へいきん価格かかくは、去年きょねんの同おなじ月つきより10.1％上昇じょうしょうし、1戸こ当あたり6750万まん円えんでした。

これは、バブル期きの1990年ねんを超こえて、10月つきとしては過去かこ最高さいこうです。

地域ちいき別べつでは、いずれも去年きょねんの同おなじ月つきと比くらべて、

▽東京とうきょう23区くが11.8％上あがって8455万まん円えん、

▽神奈川かながわ県けんが11％下さがって5101万まん円えん、

▽埼玉さいたま県けんが16.7％上あがって4698万まん円えん、

▽千葉ちば県けんが4.2％下さがって4288万まん円えんと、

東京とうきょう23区くが全体ぜんたいの価格かかくを押し上おしあげる形かたちとなっています。

ことしは、首都しゅと圏けんで発売はつばいされた新築しんちくマンションの平均へいきん価格かかくが1戸こ当あたり7000万まん円えん以上いじょうになった月つきもあり、調査ちょうさ会社かいしゃでは、年間ねんかんを通をとおして見みても、1990年ねんの6123万まん円えんを超こえて、これまでで最高さいこうになる見通みとおしだとしています。

マンション価格かかくなぜ高騰こうとう？背景はいけいに4つの要因よういん

マンション価格かかくはなぜ高騰こうとうしているのか。

背景はいけいには、新型しんがたコロナ、パワーカップル、人手ひとで不足ふそく、それに建築けんちく資材しざい・土地とちの4つの要因よういんがあると指摘してきされています。

1つめの「新型しんがたコロナ」。

多おおくの人ひとにとって外出がいしゅつの機会きかいが減へり、自宅じたくで過すごす時間じかんが増ふえたことで、より快適かいてきに過すごしたいと、持ち家もちいえの需要じゅようが高たかまっているということです。

買い物かいものの利便りべん性せいや、子こどもの進学しんがく先さきの選択肢せんたくしの多おおさなどが重視じゅうしされる傾向けいこうにあり、東京とうきょう23区くの人気にんきが特とくに高たかいとされています。

2つめの「パワーカップル」は、共働ともばたらきで世帯せたい収入しゅうにゅうが高たかい夫婦ふうふのことを言いいます。

パワーカップルが増ふえていることに加くわえ、日銀にちぎんの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわによって超ちょう低てい金利きんりの環境かんきょうが続つづく中なか、住宅じゅうたくローンを組くみやすいこともマンション人気にんきの高たかまりにつながっているとみられます。

さらに建設けんせつ業界ぎょうかいの「人手ひとで不足ふそく」で人件じんけん費ひが上昇じょうしょうしているほか、海外かいがい経済けいざいの正常せいじょう化かや円えん安やすなどに伴ともなって輸入ゆにゅうしている「建築けんちく資材しざい」が値上ねあがりしていること、建設けんせつ用地ようちが限かぎられ、「土地とち」の価格かかくが上あがっていることも要因よういんとされています。

首都しゅと圏けんのマンションの価格かかくは、バブル崩壊ほうかい後ご、2002年ねんには年間ねんかんの平均へいきんで1戸こ当あたり4003万まん円えんまで下落げらくしましたが、その後そのごは上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづき、去年きょねんは6083万まん円えんと、1990年ねんに次ついで過去かこ2番目ばんめの高たかさになっていました。

選手せんしゅ村むら改修かいしゅうの分譲ぶんじょうマンション注目ちゅうもく集あつまる

需要じゅようが高たかまる首都しゅと圏けんのマンション。

11月つきも、ある物件ぶっけんが注目ちゅうもくを集あつめています。

東京とうきょうオリンピック・パラリンピックの選手せんしゅ村むらを改修かいしゅうして分譲ぶんじょうされる、東京とうきょう・中央ちゅうおう区くの大だい規模きぼマンションです。

大会たいかいが延期えんきされたことで、各かく不動産ふどうさん会社かいしゃは販売はんばいを休止きゅうししていましたが、11月つきから再開さいかいさせました。

今回こんかいは、2024年ねん3月つき以降いこうの引き渡ひきわたしに向むけて、およそ630戸こが販売はんばいされます。

間取まどりは2LDKから4LDKで、最もっとも多おおい価格かかく帯たいは5900万まん円えんです。

最寄り駅もよりえきまでは徒歩とほで20分ふんほどかかりますが、マンション価格かかくが高騰こうとうする中なか、値ねごろ感かんがあると、人気にんきだということです。

下見したみに訪おとずれた千葉ちば県けんの50代だいの男性だんせいは、「周辺しゅうへんの相場そうばより安やすく、サラリーマンでも手てが出でるぎりぎりの価格かかく帯たいだと思おもいます」と話はなし、都内とないの60代だいの男性だんせいは、「数すう年ねん前まえと比くらべれば安やすくありませんが、今いまは、ほかのマンションより安やすいかなと感かんじています」と話はなしていました。

また、販売はんばいを担当たんとうする「三井みつい不動産ふどうさんレジデンシャル」の古谷ふるや歩あゆみさんは、「コロナの影響えいきょうで、お客様おきゃくさまの住すまいに対にたいするこだわりがより強つよくなり、『帰かえって寝ねる』だけではなく、自分じぶんが過すごす場所ばしょとして重視じゅうしされるようになったと思おもいます」と話はなしていました。

専門せんもん家か「マンション価格かかく下さがることは考かんがえにくい」

マンション価格かかくの高騰こうとうについて、ニッセイ基礎研究所にっせいきそけんきゅうしょの渡邊わたなべ布ぬの味み子こ准じゅん主任しゅにん研究けんきゅう員いんは、「大だい企業きぎょうで働はたらいている人ひとなど、収入しゅうにゅうに比較的ひかくてき余裕よゆうのある人ひとが購入こうにゅうしているが、誰だれにでも買かえる水準すいじゅんではなくなっている」と話はなしています。

そのうえで、今後こんごの見通みとおしについては、「マンションの建設けんせつは土地とちを仕入しいれたあと1年ねんから2年ねんがかかり、いま発売はつばいされているのはコロナ前まえに土地とちを仕入しいれた物件ぶっけんだ。その後そのごも地価ちかが下さがっていないことを踏ふまえると、マンション価格かかくが下さがることは考かんがえにくい」と指摘してきしました。