20日、テキサス州西部にある「ブルーオリジン」のロケット打ち上げ拠点で初めての有人宇宙飛行となる宇宙船の打ち上げが行われました。
ベゾス氏を含め4人が搭乗した宇宙船は打ち上げからおよそ2分半後にロケットから切り離され、高度100キロメートル以上の宇宙空間に到達することに成功しました。
そしておよそ3分間のいわゆる無重力状態を楽しんだ後無事、地上に帰還しました。
「ブルーオリジン」はことし中にあと2回、宇宙船を打ち上げる予定で今後民間による宇宙旅行が本格化すると期待されています。
1994年にアマゾンを創業したあと、インターネット通販や動画配信、それにクラウド事業など幅広い分野にビジネスを広げ、アマゾンを時価総額で190兆円規模の巨大な企業グループに成長させました。 ベゾス氏は27年にわたって会社を率いてきましたが、今月5日の創業日にCEOを退き、現在は取締役会長として会社の経営に携わっています。 CEOの退任理由は自身が2000年に立ち上げた宇宙開発ベンチャー「ブルーオリジン」など本業以外の事業に注力するためです。 ベゾス氏は若い頃から宇宙旅行に強い興味を持っていたとされ、アメリカメディアは1982年にフロリダ州の高校を首席で卒業した際のスピーチで「地球を周回する200万人、300万人の人々のために宇宙のホテルや遊園地、乗り物やコロニーを建設したい」などと将来の希望を語っていたと報じています。
アメリカの経済誌フォーブスの世界の富豪ランキングでは4年連続でトップとなり、ベゾス氏の資産は1770億ドル、日本円で19兆4800億円あまりにのぼります。 巨額の資産を持つベゾス氏に対し、インターネット上で署名を集めるサイトではベゾス氏が地球に戻ってこないことを求める署名が今月19日時点で16万人分あまり寄せられています。 サイトの説明書きには「億万長者は地球上にも宇宙にも存在すべきではないが、宇宙に行くことを選んだのならずっとそこにとどまるべきだ」などと書かれています。 これについてアメリカメディアは「署名は冗談半分に立ち上げられたが、その背景にある感情は本物のようだ。貧富の差の拡大への世間の怒りは大きくなり大富豪への風当たりは強まっている」などと指摘しています。
ベゾス氏 CEO退き宇宙開発ベンチャーに注力
「地球に戻ってこないで」16万人分余りの署名も