永尾さんは「1年間、あっという間でした。父を助けることができなかった後悔は今もあります。1年たっても復興がまだまだの状況なので、残った者の使命として命あるかぎり復興に力を尽くしていきたい。頑張って復興するから、安らかに眠ってくださいと伝えたいです」と話していました。
また、人吉市下青井町でひとり暮らしをしていた父の川上博久さん(67)を亡くした長男の正晃さん(38)と次男の晃弘さん(35)は「気持ちはまだ日常には戻りません。亡くなった場所は父が生まれ育った場所だったので、安らかに眠って、一緒に亡くなった愛犬と一緒に僕らを見守っていてほしい。いつか父がしていた林業の会社を継げたらと思います」と話していました。
追悼式は午前10時から坂本町の坂本中学校で行われ、遺族や市の関係者などおよそ50人が参列しました。 はじめに全員で1分間の黙とうをささげたあと、熊本県の田嶋副知事が「被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げ、一日も早い復興を果たすことを誓います」と述べました。 続いて遺族を代表して、叔父を亡くした蓑田政晴さん(70)が「叔父はよく球磨川であゆを釣っていましたが、親しんでいた川に流されてしまう結果となり、いまも胸が張り裂ける思いです」と述べ、追悼しました。 最後に、参列した人たちが祭壇に献花をして犠牲者に祈りをささげました。 ひとり暮らしの妹を亡くし、兵庫県から参列した姉の水口章子さん(71)は「1年たっても、妹の写真に毎日話しかけたり携帯電話に録音されていた声を聞いたりしています。妹とは2歳の年の差でしたが、妹の亡くなった年と自分の年の差が開いていくのが悲しいです」と涙を拭いながら話しました。
八代市坂本町でも追悼式