日本新闻: 地銀コロナ禍の中小企業支援で新たな融資枠組みも

地銀ちぎんコロナ禍かの中小ちゅうしょう企業きぎょう支援しえんで新あらたな融資ゆうし枠組わくぐみも

Aug 10, 2020 11:08

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで売り上うりあげが落ち込おちこみ、財務ざいむ基盤きばんが悪化あっかする懸念けねんのある中小ちゅうしょう企業きぎょうが増ふえています。地方ちほう銀行ぎんこうの間までは、こうした企業きぎょうに対にたいしても新あらたな融資ゆうしの枠組わくぐみを通をつうじて、資金繰しきんぐりを支ささえようという動うごきが広ひろがっています。

このうち、横浜よこはま銀行ぎんこうが用意よういしたのは、「劣後ローンれつごろ-ん」と呼よばれる融資ゆうしです。金利きんりは年とし1％程度ていどと、通常つうじょうよりも高たかく設定せっていされていますが、最長さいちょう15年ねんにわたって元本がんぽんを返済へんさいする必要ひつようがなく、企業きぎょうにとっては財務ざいむ基盤きばんの改善かいぜんにもつながるのが特徴とくちょうです。

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで売り上うりあげが落ち込おちこんでいる横浜よこはま市しの自動車じどうしゃ部品ぶひんメーカーも、劣後ローンれつごろ-んで2億おく円えんを調達ちょうたつしました。

「フォルム」の問とい谷たに正利まさとし社長しゃちょうは、「元本がんぽんの返済へんさいまでは金利きんりだけ払はらえばよいので負担ふたんは小ちいさい。財務ざいむ基盤きばんも安定あんていする」と話はなしていました。

横浜よこはま銀行ぎんこうによりますと、すでに10社しゃ程度ていどがこの融資ゆうしを申し込もうしこんでいるということで、萬代ばんだい昭彦あきひこ執行しっこう役員やくいんは、「従来じゅうらいの融資ゆうしでは足たりないという取引とりひき先さきもある。一いち歩ほ進すすんだ支援しえんを、企業きぎょうの立場たちばに立たって行おこないたい」と話はなしていました。

このほか、岐阜ぎふ県けんの十じゅう六ろく銀行ぎんこうや山口やまぐち県けんの山口やまぐち銀行ぎんこうなども同様どうようの取り組とりくみを進すすめていて、地方ちほう銀行ぎんこうの間まで、実質じっしつ無む利子りし・無む担保たんぽ融資ゆうしに加くわえ、新あらたな融資ゆうしの枠組わくぐみも整ととのえることで、資金繰しきんぐりを支ささえようという動うごきが広ひろがっています。

「劣後ローンれつごろ-ん」借り入かりいれた企業きぎょうは

横浜よこはま市し港北こうほく区くの中小ちゅうしょう企業きぎょう、「フォルム」は、創業そうぎょう70年ねんの自動車じどうしゃ部品ぶひんメーカーで、従業じゅうぎょう員いんはおよそ300人にんです。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを受うけた需要じゅようの冷え込ひえこみで受注じゅちゅうが大幅おおはばに減少げんしょうし、ことし6月つき期きの決算けっさんは最終さいしゅう損益そんえきが赤字あかじになりました。

このため、会社かいしゃは、決算けっさんの期末きまつに合あわせて、横浜よこはま銀行ぎんこうから劣後ローンれつごろ-んで2億おく円えんを借り入かりいれました。元本がんぽんを短期間たんきかんで返済へんさいする必要ひつようがないため、問とい谷たに正利まさとし社長しゃちょうは、業績ぎょうせきの回復かいふくに専念せんねんできると言いいます。

また、劣後ローンれつごろ-んは財務ざいむ基盤きばんの改善かいぜんにもつながるため、会社かいしゃの信用しんよう力りょくを高たかめる効果こうかも期待きたいしているということです。

問とい谷たに社長しゃちょうは、「4月つきと5月つきは売り上うりあげが前まえの年としの半分はんぶんに減へった。来月らいげつ（9月つき）以降いこうも計画けいかくに比くらべて3割わり程度ていど減へると見みている。将来しょうらいの見通みとおしが立たたない中なかで、今回こんかいの融資ゆうしは大変たいへん助たすかる」と話はなしています。