将棋の
八大タイトルの1つ、「
名人戦」の
七番勝負で、
挑戦者の
渡辺明 二冠がタイトルを
持つ豊島将之 二冠を
破って
自身初となる「
名人」のタイトルを
獲得し、
現在の
棋士で
最多の「
三冠」に
返り咲きました。
新型コロナウイルスの
影響で
開幕が2
か月延期された
第78
期名人戦の
七番勝負は、
タイトルを
持つ豊島将之 二冠(30)に、
初めての
名人挑戦と
なる渡辺明 二冠(36)が
挑み、
ここまで
渡辺二冠が3
勝2
敗としてタイトル
獲得まであと1
勝に
迫っていました。
14日から大阪の関西将棋会館で行われた第6局は、中盤以降、渡辺二冠がリードする展開となり、15日午後5時38分、99手までで豊島二冠を投了に追い込み、渡辺二冠が4勝2敗で「名人」のタイトルを奪いました。
渡辺さんは、平成16年に20歳で「竜王」を獲得して以来、これまでに通算25期のタイトルを獲得し、長く、トップ棋士として活躍していますが、「名人」を獲得するのは今回が初めてです。
また、先月、棋聖戦の五番勝負で藤井聡太 棋聖(18)にタイトルを奪われて「二冠」に後退していましたが、今回の名人獲得で、1か月ぶりに現在の棋士で最多の「三冠」に返り咲きました。
対局のあと渡辺さんは「名人は自分に縁がないタイトルだと思っていたので、まだ実感がありません。ことしはほかのタイトル戦もないので、ちょっと休んで次に備えたいと思います」と話していました。
一方、敗れた豊島さんは「さえない内容の将棋が多く、全体的に押されてしまった。考えていない手を指されることが多く、勉強になりました」と話していました。