新型コロナ
対策としての
マスクの
着用について、
専門家でつくる
政府の
分科会は、
来月13
日から
屋内・
屋外を
問わず
個人の
判断に
委ねる方針を
了承しました。
政府は
このあと、
持ち回りの
対策本部で
正式に
決定します。
新型コロナ対策をめぐり、10日午後、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。
この中で、政府は、マスクの着用について、来月13日から屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねるとする一方、医療機関を受診する際や通勤ラッシュ時といった混雑した電車やバスに乗る際などには、マスクの着用を推奨するなどとした方針を諮りました。
また学校教育の現場では、新学期となる4月1日から着用を求めないことを基本とするほか、それに先立って行われる卒業式は、その教育的意義を考慮し、児童・生徒などは着用せずに出席することを基本とするとしています。
加藤厚生労働大臣は「国民にはマスク着用の考え方の見直しについて、しっかりと説明し、理解と協力を得ながら円滑に移行できるよう準備を進めていく」と述べました。
そして分科会では、こうした方針が了承されました。
政府はこのあと、持ち回りの対策本部で正式に決定します。
専門家「必要ないから外してよい、ということではない」
今後の
マスク着用の
考え方について
政府の
分科会メンバーで
東邦大学の
舘田一博 教授は「
大事な
感染対策は
維持しつつ
緩和できることはないか、マスクの
使い方も
含めて
考え方を
変えていく時期にさしかかっている。コロナに
感染してもワクチンや
治療薬によって、
多くの
人はかぜのような
症状ですむようになったが、
高齢者や
基礎疾患が
ある人は
死亡のリスクが
高まることを1
人1
人が
理解し、
周りの
人を
感染させて
しまうと
どんなことが
起きるのか
想像しながら、
場合に
応じて
マスクを
使うことが
大事だ」と
話しています。
その上で「一生に一度の卒業式や友達と過ごす最後の機会で、話を静かに聞くような場面ではマスクを着ける必要性は下がるが、式の後、友達どうしで集まって大声で騒ぐような場面ではマスクを着けた方がいいかもしれない。また、高齢者や持病がある人と同居していて、家にウイルスを持ち込まないために、積極的にマスクを着けたいと思う子どももいるかもしれない。それぞれの思いや判断を尊重することが大切で、差別や偏見が起きないよう、注意しなければいけない」と指摘しました。
そして「マスク着用をめぐって、緩和する方向ばかり注目されがちだが、強調したい最も重要なことはマスクは今でも一定の効果がある大事な感染対策だということだ。効果がない、必要ないから外してよい、ということではない。たとえば高齢者や持病がある人も含めた不特定多数の人と密になるような電車内や、重症化リスクが高い人が多い医療機関などでは、自分を感染から守るためだけでなく、周りを感染させず、不安を与えないためにマスクを使っていくことが必要になる」と強調しました。