車に乗っている場合、それ以上に水位が上がる前に外へ逃げなければ、命が危なくなるということです。
道路の冠水状況ごとに、どう対応すべきか聞きました。
(1)タイヤが水につかりはじめたら
→タイヤのゴムの部分、地面から約10センチメートルぐらいの位置まで水が来たらUターンしたりして冠水していない場所に戻り、もっと高い安全な場所まで避難する。
(2)水位がひざ下くらいまできたら
→車を捨てるタイミング。一刻も早く安全な場所に逃げる。
しかし、その先はさらに深くなっていることもあれば、急に水位が上昇することもあります。 車の外に逃げるタイミングを逸して水深が1メートルほどになると、車が浮いて流されるおそれがあるといいます。
「車は重いから流されないだろうと思っていたらとんでもありません。どんどん深い方へと流されていきます。しかも並行に移動するだけではなく、側溝やガードレールにひっかかると転覆することもある。過去の水害ではひっくり返った車の中で溺れて亡くなった方もいるのです」
そうした状況に陥った場合にどうすればいいのか。 JAF=日本自動車連盟の担当者が教えてくれたのが、脱出用ハンマーで窓ガラスを割って車外に出る方法です。 (JAF東京支部 JAF認定 セーフティアドバイザー 由水雅也さん) 「脱出用ハンマーはぜひ備えていただきたいです。窓ガラス割るためには脱出用ハンマーじゃないと割れません」 JAFは、車内にありそうなもので窓ガラスが割れるか過去に実験を行っています。 ヘッドレスト、小銭を入れた袋、スマートフォン、ビニール傘、車のキー。 いずれも、割ることはできなかったということです。 このうちヘッドレストは、金属部分を窓の隙間に差し込んでてこの原理で割るという方法がインターネットなどで紹介されていますが、必ずしも割れるとは限らないそうです。
「脱出用ハンマーは標準装備されている車とそうでない車があるので、確認していただきたいです。シートベルトを切る機能がついているものがおすすめです。せっかく買っても後部座席などに置いているといざというときに使えないので、運転席から手の届くところに置きましょう」
また脱出用ハンマーがない場合もあります。 (由水さん) 「窓ガラスを割ることができない場合は、車の中にどんどん水が入ってきますので、慌てず冷静に車の内側と外側の水位差が同じになるのを待ちましょう。水位差が大きい状態だと、車外から強い水圧がかかっているので、開けようとしても開けられませんが同じになるとなんとか開けられます」
こうした状況にならないことが大切だといいます。 (水難学会会長 斎藤さん) 「窓ガラスを割らなければ脱出できない水位というのは、人が流される水位です。車の外に出られたとしても無事に避難できる保証はなく、生きるか死ぬかの状況になってしまいます。そういう状況になるまで、車内で待っていてはいけません。危険を感じたらすぐに車を捨てて逃げてほしいと思います」
「マイクロソフト」を作ったビル・ゲイツさんは、自分のお金を全部使って、貧しい国や貧しい人を助ける計画を発表しました。
車は浮いて、流される
ドアが開かなくなってしまったら
窓ガラスが割れなくても諦めないで
危険を感じたらすぐに車を捨てて逃げて