日本新聞: 【解説】ウクライナ侵攻2か月戦争いつ終わる？今後の世界は？

ロシアによるウクライナの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまってからおよそ2か月かげつ。この戦争せんそうはどのように終おわりを迎むかえるのか。そして、世界せかい秩序ちつじょはどうなるのか。

国際こくさい政治せいじ学がくが専門せんもんで、安全あんぜん保障ほしょうの歴史れきしに詳くわしい京都きょうと大学だいがく大学院だいがくいんの中西なかにし寛ひろし教授きょうじゅに今後こんご考かんがえられるシナリオと、いま世界せかいが抱かかえるリスクを聞ききました。世界せかい史しの中なかで考かんがえると「国際こくさい社会しゃかいの分裂ぶんれつは、取り返とりかえしのつかないところを過すぎた」と警鐘けいしょうを鳴ならしています。

「出口でぐち見みえず “意志いしと意志いしの争あらそい”に」

Q. ロシア軍ぐんによるミサイル攻撃こうげきや凄惨せいさん（せいさん）な殺害さつがいが続つづいています。戦争せんそうの現在地げんざいちをどうみていますか？

「戦争せんそうの様相ようそうはますます混迷こんめいしています。長期ちょうき化かしていく要素ようそがどんどん強つよまり、出口いでぐちが見みえない状況じょうきょうになってきていると思おもいます」

「ウクライナの非ひ人道的じんどうてきな惨禍さんか、ゼレンスキー大統領だいとうりょうに率ひきいられたウクライナ国民こくみんの勇気ゆうきを見みれば、一刻いっこくも早はやくこの戦争せんそうが終おわってほしいという気持きもちを持もつのは人間にんげんとして当然とうぜんだと思おもいます。西側にしがわが結束けっそくしてロシアに対にたいして厳きびしい経済けいざい制裁せいさいを行おこなっていて、戦争せんそうが終結しゅうけつするということを期待きたいする向むきがあるのも確たしかだと思おもいます」

「しかし、この戦争せんそうはプーチン大統領だいとうりょうからするとすでに体制たいせいの生存せいぞんをかけた戦争せんそうになってしまっていると思おもいます。経済けいざい的てきに苦くるしくなっても、あるいはウクライナで一定いっていの反撃はんげきを受うけてももともとの軍事ぐんじ目標もくひょうを達成たっせいせずに敗退はいたいという印象いんしょうで終おえるということは直ただちに政権せいけんの動揺どうようにつながる事態じたいだと思おもいます。5月つき9日にちの“対たい独どく戦勝せんしょう記念きねん日び”に軍事ぐんじ的てき勝利しょうりの成果せいかを誇ほこるということが今いまの目標もくひょうではないか、と言いわれていて、確たしかにその可能かのう性せいは高たかいと思おもいます。しかし、そこでロシアの側がわから停戦ていせんを持もちかけるということはまずないでしょうし、仮かりにあったとしてもウクライナが決けっして受うけることがないということも、ロシアは理解りかいしていると思おもいます。もはやこの戦争せんそうというのはロシアとウクライナの“意志いしと意志いしの争あらそい”になってきていて、そう簡単かんたんに終おわるということは今いまのところ考かんがえられないと思おもいます」

これから何なにが‥ 鍵かぎとなる“3つのシナリオ”

Q. 今回こんかいの戦争せんそう、今後こんごのシナリオはどう考かんがえていますか？

シナリオ(1) 長期ちょうき化か・休戦きゅうせん

「実際じっさいに何なにが起おこるかは当然とうぜん予測よそくできない要因よういんがたくさんありますので、細こまかいシナリオはいくらでもできると思おもいますけれども、大おおきく分わけて3つに考かんがえられると思おもっています。1つはロシアとウクライナの戦闘せんとうが長期ちょうき化かしていくというパターンです。これは基本きほん的てきにはどちらかの戦争せんそうを続つづける能力のうりょくがつきるまで続つづき、そのときの戦闘せんとう境界きょうかい線せんが1つの合意ごういになって戦闘せんとうが終了しゅうりょうするということです」

「1950年ねんから始はじまった朝鮮ちょうせん戦争せんそうでは、北緯ほくい38度ど線せんが休戦きゅうせんラインになって、いまだに続つづいているという状況じょうきょうですが、そもそも38度ど線せんは、第だい2次じ世界せかい大戦たいせんが終おわったあと、アメリカとソ連それんがそれぞれ朝鮮ちょうせん半島はんとうを占領せんりょうする境界きょうかい線せんとして設定せっていされていたわけです。しかし今回こんかいの場合ばあいは、ことしの戦争せんそうのほかにクリミア半島くりみあはんとうが併合へいごうされていますし、東部とうぶ地域ちいきでもロシアの影響えいきょう下かにある地域ちいきで紛争ふんそうが続つづいていたわけです。地理ちり的てきにも明確めいかくな境界きょうかい線せんがない地域ちいきですので、はっきり休戦きゅうせんラインを引ひいて落ち着おちつきましょうという合意ごういが非常ひじょうに難むずかしいところだと思おもいます。そういう意味いみではある程度あるていど停戦ていせんに近ちかづいていっても戦闘せんとう状態じょうたいはその後そのごも続つづく、火ひがくすぶり続つづけるように紛争ふんそうが続つづくという形かたちで両国りょうこくの戦闘せんとうが徐々じょじょに収束しゅうそくしていくことが、第だい1のパターンだと思おもいます」

シナリオ(2) 戦争せんそう拡大かくだい

「第だい2のパターンは何なんらかのきっかけで戦争せんそうが拡大かくだい、エスカレートしていくというもので、第だい3次じ世界せかい大戦たいせんに至いたる危険きけん性せいをはらんでいると思おもいます。考かんがえられるのは、ロシアがウクライナから反撃はんげきにあった時とき、大量たいりょう破壊はかい兵器へいき・化学かがく兵器へいき・生物せいぶつ兵器へいきあるいは場合ばあいによっては戦術せんじゅつ核兵器かくへいきも使用しようする。それに対にたいしてNATOが直接ちょくせつ的てきな軍事ぐんじ介入かいにゅうをし、それをきっかけにNATO諸国しょこくとロシアがウクライナ以外いがいの地域ちいきでも交戦こうせん状態じょうたいに入はいっていくパターンです」

「また、ウクライナの情勢じょうせいが西側にしがわにとって不利ふりな状況じょうきょうになり、NATOがより高たかいレベルの軍事ぐんじ支援しえんをしていき、ロシアが反撃はんげきする形かたちでポーランドなどのウクライナに近ちかい地域ちいきでのNATO軍ぐんに対にたいし、警告けいこく的てきにでも攻撃こうげきを仕掛しかけ、NATOとロシアが本格ほんかく的てきな戦闘せんとうに入はいっていく、という可能かのう性せいもあると思おもいます。歴史れきし的てきに見みても、1941年ねんにはドイツがヨーロッパとの戦闘せんとうでイギリスを屈服くっぷくさせることができない状況じょうきょうの中なかで、ソ連それんに対にたいする戦争せんそう、いわゆる“独どくソ戦せん”を始はじめました。特とくに戦争せんそうに政権せいけんの生き残いきのこりがかかっていると考かんがえている国家こっかは、このまま敗北はいぼくを受け入うけいれるよりは、思い切おもいきって戦闘せんとうを拡大かくだいすることで何なんらかのチャンスが生うまれるのではないかというふうに考かんがえることは歴史れきし的てきにもあるわけです」

シナリオ(3) プーチン政権せいけん崩壊ほうかい

「3つ目めはロシアで政治せいじ体制たいせいが動揺どうようしていって、プーチン政権せいけんが崩くずれていくというシナリオです。今いまのところ、この可能かのう性せいは西側にしがわが期待きたいしているほど確率かくりつは高たかくないと思おもいます。プーチン体制たいせいは非常ひじょうに強固きょうこですので、反旗はんきを翻ひるがえすような国内こくないの政治せいじ勢力せいりょくはありませんし、政権せいけん内ないでもシロビキと言いわれるプーチンの政権せいけん基盤きばんになっているグループ、あるいはロシア軍ぐんもいずれもプーチンの支配しはい下かにあって、そこからクーデターや反乱はんらんといったようなものが簡単かんたんに起おきるような状況じょうきょうではないと考かんがえられます。ただ、注意ちゅういしないといけないのは、プーチン体制たいせいが仮かりに崩くずれてもその後そのご、簡単かんたんに平和へいわが来くる可能かのう性せいはそれほど高たかくないということです」

「1991年ねん、ソ連それんが崩壊ほうかいしたときには、すでにソ連それんの中なかにあった各かく共和きょうわ国こくに共産党きょうさんとう政権せいけんがあって、そこがくら替くらがえをして、民族みんぞく主義しゅぎ的てきな政治せいじ勢力せいりょくになって受け皿うけざらになりました。ソ連それんの大統領だいとうりょうだったゴルバチョフからロシア共和きょうわ国こくの大統領だいとうりょうだったエリツィンに政権せいけんが移譲いじょうされたわけですが、現在げんざいのロシアについてはそういう政権せいけんの受け皿うけざらが存在そんざいしていません。ですから仮かりに宮廷きゅうていクーデターのようなものでプーチンが追い落おいおとされる、あるいは民衆みんしゅうの反乱はんらんがあってプーチン政権せいけんが倒たおれるということになっても、その後そのご平和へいわ的てきに政権せいけんが移行いこうされる可能かのう性せいはほとんどないだろうと思おもいます」

Q. この3つのシナリオで、現時点げんじてんではどれがいちばん可能かのう性せいが高たかいと思おもいますか？

「現時点げんじてんで言いえば(1)が高たかいと思おもいますけれども、(2)で、いきなり第だい3次じ世界せかい大戦たいせんにならないにしても、戦線せんせんが拡大かくだいされる可能かのう性せいもそれなりにあると思おもいます。(3)の可能かのう性せいはこの戦闘せんとうが一定いってい期間きかんたてばあると思おもいますけれども、今いまのところ確率かくりつは低ひくいと思おもいます」

「今いまは“危機ききの30年ねん” 国際こくさい社会しゃかいの分裂ぶんれつ」

Q. 歴史れきし的てきな観点かんてんでいうと、現在げんざいの状況じょうきょうはどの時代じだいに似にているのでしょうか。

「“歴史れきしは繰り返くりかえすことはないが、韻いん（いん）を踏ふむ”と言いわれます。過去かこと同おなじことが起おきることはありえないんですが、似にたようなことはいろいろな時代じだいに見みることができると思おもいます。あまりいい類推るいすいではないのですが、近ちかいと思おもうのは、やはり第だい1次じ世界せかい大戦たいせんと第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの戦せん間かん期きです。イギリスの歴史れきし家かで政治せいじ学者がくしゃのE.H.カーはこの戦せん間かん期きを“危機ききの20年ねん”と呼よび、本ほんを書かきました。今回こんかいの事態じたいが起おこり、私わたしが真っ先まっさきに思い出おもいだしたのがこの本ほんです。冷戦れいせんが終おわってからのこの30年間ねんかんというのが“危機ききの30年ねん”で、まさに大おおきな戦争せんそうになりかねない、“とば口とばくち”に世界せかいは立たっていると考かんがえます」

Q. この戦争せんそうによって世界せかいの構図こうずはどのように変化へんかしていくんでしょうか。

「冷戦れいせんが終おわったときにできたある種たねの国際こくさい協調きょうちょうの枠組わくぐみが1つの終しゅうえんを迎むかえた。そして2010年代ねんだいに進行しんこうしていた国際こくさい社会しゃかいの分裂ぶんれつというのが、今回こんかいある意味いみで決定けってい的てきになった、取り返とりかえしのつかないところをすぎてしまったと思おもいます」

「アメリカと中国ちゅうごくがいちばん大おおきな塊かたまりであることは確たしかで、それぞれ同盟どうめい国こくや経済けいざい的てきに関係かんけいが深ふかい国くにがあると思おもいます。しかし、かつてアメリカとソ連それんを頂点ちょうてんとした冷戦れいせんと比くらべると、今いまのアメリカと中国ちゅうごくが世界せかいに対にたいして持もっている支配しはい力りょくや影響えいきょう力りょくというのは、どちらもはるかに低ひくいと思おもいます。2010年代ねんだいは、2014年ねんのロシアによるクリミア併合へいごう、中国ちゅうごくによる南シナ海みなみしなかいへの進出しんしゅつや香港ほんこんに対にたいする国家こっか安全あんぜん維持いじ法ほうの制定せいてい、またトランプ政権せいけんによる西側にしがわ同盟どうめい関係かんけいに対にたいする圧力あつりょくや経済けいざい協調きょうちょう体制たいせいへの打撃だげき、イギリスのEU離脱りだつ…。それに追い打おいうちをかけるような形かたちでコロナによる経済けいざい社会しゃかい的てきな影響えいきょうがあり、世界せかいはグローバリゼーションによる一体いったい化かから、分裂ぶんれつの方向ほうこうに向むかっていたと思おもいます」

「今回こんかいロシアによるウクライナ侵攻しんこうで、国連こくれんの安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいが機能きのうしなかったこと、そして経済けいざい的てきにも西側にしがわが従来じゅうらいにない厳きびしい経済けいざい制裁せいさいを、一定いっていの経済けいざい規模きぼを持もつロシアに対にたいして行おこなったことは、世界せかいの分断ぶんだんをむしろ固定こてい化かする、あるいは長期ちょうき化かするという意味いみでも、もう前まえの時代じだいには戻もどりそうにないことが明あきらかです」

Q. この30年ねんでできなかったこと、足たりなかったことは何なになのでしょうか。

「長期ちょうき的てきな視点してんからの国際こくさい秩序ちつじょの構築こうちくということだと思おもいます。西側にしがわは冷戦れいせんが終おわったあと短期たんき的てきな思考しこうにとらわれて、眼前がんぜんの敵てきをどう倒たおすかいうことに集中しゅうちゅうしてそれを倒たおせば世界せかいがバラ色しょくになると、簡単かんたんに言いってしまえば“ユートピア的てき”なビジョンというのを繰り返くりかえしてきたのではないかと思おもいます」

「例たとえばアフガニスタンでは、ソ連それんのそれまでの侵略しんりゃくが終おわっていたわけですが、西側にしがわはその後そのごほぼ無視むしをして、やがてそこがタリバンが支配しはいする地域ちいきになり、イスラム過激かげき派はのアルカイダの本拠地ほんきょちになって、テロの温床おんしょうになっていく。そして2001年ねんには9・11同時どうじ多発たはつテロが起おき、アメリカが主導しゅどうするテロとの戦たたかいになり、世界せかい中ちゅうが少すくなくとも一いち時期じきはサポートしたわけです。しかし、結果けっか的てきにアフガニスタンでの軍事ぐんじ作戦さくせんから、アメリカはイラクへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを選えらんで国際こくさい社会しゃかいを分裂ぶんれつさせてしまったわけです。その時とき、ロシアはプーチンが登場とうじょうしてすぐだったわけですけれども、西側にしがわはプーチンのさまざまな問題もんだいに目めをつぶって、“テロとの戦たたかいの同盟どうめい国こく”という形かたちに位置いちづけて協力きょうりょく関係かんけいをむしろ深ふかめました」

「2008年ねんに中国ちゅうごくで北京ぺきんオリンピックがあり、その直前ちょくぜんにはロシアがジョージアとの領土りょうど紛争ふんそう、戦争せんそうをする事態じたいになったわけですけれども、西側にしがわとしては特とくにアメリカがテロとの戦争せんそうに苦労くろうしているということもありましたし、中国ちゅうごくやロシアの問題もんだいに大おおきく踏み込ふみこまず、むしろリーマン・ブラザーズの経営けいえい破綻はたん以降いこうの世界せかい経済けいざい危機ききに対応たいおうする方ほうを優先ゆうせんし、結果けっかとして習近平ちから政権せいけんや現在げんざいのプーチン政権せいけんのような巨大きょだいな専制せんせい的てき国家こっかの成長せいちょうを見過みすごしてしまったということだと思おもいます」

「今回こんかい行おこなっているSWIFTからのロシアの主要しゅよう銀行ぎんこうの排除はいじょというのはそれ以前いぜんからすると非常ひじょうに大おおきなことだと考かんがえられてきました。基本きほん的てきには禁きんじ手しゅとすら言いわれていたことをやったわけです。ロシアの侵略しんりゃくが深刻しんこくで、それに対抗たいこうしないといけないという正当せいとう性せいがあることは確たしかにしても、結果けっか的てきに起おきているのは、これまで西側にしがわが避さけたいと思おもっていた“世界せかい経済けいざいのブロック化か”というのが現実げんじつに起おき始はじめていて、中国ちゅうごくやそのほかの国くにも、今回こんかいのような西側にしがわの態度たいどを見みれば、やはり西側にしがわ主導しゅどうの世界せかい経済けいざい体制たいせいというのは信用しんようできない、いざとなればそれは西側にしがわによって政治せいじ的てき武器ぶきとして使つかわれるものだと認識にんしきしたと思おもいます」

「大量たいりょうの情報じょうほうの中なかで“歴史れきし的てき想像そうぞう力りょく”を」

Q. この戦争せんそうが世界せかいそして私わたしたちに突つきつけているもの、そしてこれから私わたしたちが向き合むきあっていかなければならないことはなんでしょうか？

「やはり、過去かこに起おきたことが最もっとも貴重きちょうな参考さんこう材料ざいりょうになると思おもいます。単たんに過去かこを振り返ふりかえるだけでなく、必要ひつようなのは現代げんだいという時代じだいを見据みすえたうえでの想像そうぞう力りょくだと思おもうんですね。今いままさに情報じょうほう社会しゃかい、情報じょうほう文明ぶんめいの時代じだいになっていますので、すでにこの戦争せんそうについてわれわれは毎日まいにち大量たいりょうの情報じょうほうを得えるわけです。脳のうはその情報じょうほうを処理しょりするだけで精せいいっぱいになってしまって、より大おおきな事態じたいを包括ほうかつ的てきにとらえてそれがどういう結末けつまつをもたらすのかについての想像そうぞう力りょく、思考しこう力りょくが不足ふそくしてきているんだろうと思おもいます。長ながい目めで見みてどのような選択せんたくをすればよりよい未来みらいが得えられるのか、深ふかい議論ぎろんをする機会きかいが世界せかい的てきに減へってしまっていると思おもいます」

Q. 最後さいごに、日本にっぽんの今後こんごの立たち位置いちはどう考かんがえますか？

「日本にっぽんとして重要じゅうようなのは、やはりインド太平洋たいへいよう地域ちいきに、この戦争せんそうをきっかけに新あたらしい分裂ぶんれつ分断ぶんだんをもたらさないということだと思おもいます。アメリカ、中国ちゅうごく以外いがいの国くにとどれぐらい密接みっせつな関係かんけいをつくれるか、ということが重要じゅうようです。今回こんかいウクライナの問題もんだいでG7の1国こくとしてNATOの外相がいしょう会合かいごうなどにも参加さんかし、ヨーロッパとの関係かんけいをステップアップしましたが、同時どうじにインド太平洋たいへいようではオーストラリア、インドとの関係かんけいも持もっている。また東南アジアとうなんあじあとも長期ちょうき的てきに関係かんけいを結むすんでいる。さらにアフリカや中東ちゅうとうの諸国しょこくとも従来じゅうらい以上いじょうに踏み込ふみこんだ関係かんけいを模索もさくしてきているというのは今いまの日本にっぽんの流ながれだと思おもいますけれども、やはりその流ながれをさらに強化きょうかし、アメリカ中国ちゅうごくと関係かんけいを保たもちつつ依存いぞんし過すぎない外交がいこう、安保あんぽ体制たいせいを経済けいざいも含ふくめて作つくっていく必要ひつようがあります」