日本新聞: 全米の死者累計20万人超える新型コロナウイルス

アメリカで、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんして死亡しぼうした人ひとの数かずが22日にち、20万まん人にんを超こえました。ことし11月つきの大統領だいとうりょう選挙せんきょを前まえに野党やとう・民主党みんしゅとうのバイデン候補こうほは政府せいふが効果こうか的てきな感染かんせん対策たいさくをとらなかったことが事態じたいの悪化あっかを招まねいたとしてトランプ大統領だいとうりょうを強つよく非難ひなんするなど、感染かんせんへの対応たいおうが争点そうてんとなっています。

ジョンズ・ホプキンス大学だいがくのまとめによりますと、全米ぜんべいから報告ほうこくされた新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんして亡なくなった人ひとの数かずの累計るいけいが22日にち、20万まん人にんを超こえました。

1日にち当あたりの感染かんせん者しゃ数すうは8月つきに入はいって減少げんしょう傾向けいこうとなったものの、9月つき中旬ちゅうじゅんから、中西部ちゅうせいぶのウィスコンシン州しゅうやミネソタ州しゅう、南部なんぶテキサス州しゅうなどで感染かんせん者しゃが増加ぞうかしたことで再ふたたび増加ぞうか傾向けいこうに転てんじていて、依然いぜん、深刻しんこくな状況じょうきょうです。

ワシントン大学だいがくの研究所けんきゅうじょはこの状況じょうきょうが続つづけば、死者ししゃは来年らいねん1月つき1日にちまでに37万まん8000人にんに達たっする可能かのう性せいがあるとしています。

感染かんせん抑制よくせいの見通みとおしが立たたない中なか、野党やとう・民主党みんしゅとうは政府せいふが各州かくしゅうに対策たいさくを任まかせ、効果こうか的てきな感染かんせん対策たいさくを率先そっせんして打ち出うちださなかったことが事態じたいの悪化あっかを招まねいたとして、トランプ政権せいけんの対応たいおうに批判ひはんを強つよめています。

民主党みんしゅとうのバイデン候補こうほは20日にち、「トランプ大統領だいとうりょうはウイルスの脅威きょういを過小かしょう評価ひょうかするだけでなく、感染かんせんを制御せいぎょする計画けいかくも能力のうりょくも持ち合もちあわせていない」と非難ひなんしました。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうはこうした批判ひはんに対にたいし、「対応たいおうに誤あやまりはなく、多おおくの命いのちが救すくわれた」と反論はんろんしていて、11月つきの大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけて、新型しんがたコロナウイルスへの対応たいおうが争点そうてんとなっています。

米べい政府せいふの対応たいおう医療いりょう専門せんもん家かからも批判ひはん

これまでのトランプ政権せいけんの感染かんせん対策たいさくには医療いりょうの専門せんもん家かからも批判ひはんが上あがっています。

アメリカでは、ことし1月つきから2月つきにかけてCDC＝疾病しっぺい対策たいさくセンターが各州かくしゅうに検査けんさキットを配布はいふしましたが、検査けんさ結果けっかが不ふ正確せいかくなことがわかり、感染かんせん拡大かくだいを早期そうきに検知けんちできなかったことが急速きゅうそくな感染かんせん拡大かくだいの一ひとつの原因げんいんだとされています。

しかし、トランプ大統領だいとうりょうは「ウイルスは奇跡きせきのように消え去きえさるだろう」といった発言はつげんを繰り返くりかえし、危険きけん性せいと対策たいさくを訴うったえる専門せんもん家かの警告けいこくを無視むししてきたと批判ひはんされました。

また、感染かんせんが広ひろがり、各州かくしゅうが外出がいしゅつや経済けいざい活動かつどうの制限せいげんを行おこなったあとも、経済けいざい活動かつどうの再開さいかいや、学校がっこうの対面たいめん授業じゅぎょうの再開さいかいを急いそがせる一方いっぽうで、マスクの着用ちゃくようの義務ぎむ化かや屋内おくないでの集会しゅうかいの制限せいげんなどに明確めいかくな方針ほうしんを示しめしてきませんでした。

こうした中なか、8月つきから9月つきにかけて対面たいめんでの授業じゅぎょうを再開さいかいした高校こうこうや大学だいがくで集団しゅうだん感染かんせんが相次あいついで起おきているほか、中西部ちゅうせいぶサウスダコタ州しゅうで8月つき開ひらかれたオートバイの愛好あいこう家かが集あつまるイベントの参加さんか者しゃを発端ほったんとして集団しゅうだん感染かんせんが起おき、州しゅうをまたいだ感染かんせん拡大かくだいも起おきています。

また、西部せいぶネバダ州しゅうで開ひらかれたトランプ大統領だいとうりょうの政治せいじ集会しゅうかいには州しゅうの指針ししんに違反いはんして、屋内おくないにおよそ5000人にんが集あつまりその多おおくがマスクを着用ちゃくようしていなかったと報ほうじられていて、野党やとう・民主党みんしゅとうの州しゅう知事ちじは大統領だいとうりょう陣営じんえいが感染かんせん対策たいさくに従したがわなかったことについて、強つよく非難ひなんしました。

政権せいけんの感染かんせん対策たいさくについて、ジョンズ・ホプキンス大学だいがくのアメシュ・アダルジャ上席じょうせき研究けんきゅう員いんは「トランプ大統領だいとうりょうは新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうを過小かしょう評価ひょうかし、科学かがくに基もとづいた感染かんせん対策たいさくを示しめしてこなかった。リーダーシップの欠如けつじょがアメリカをこのような状態じょうたいに追い込おいこんだ」と厳きびしく批判ひはんしています。

一方いっぽうで、トランプ大統領だいとうりょうの支持しじ者しゃの中なかには一部いちぶの州しゅうの新型しんがたコロナウイルス対策たいさくは過剰かじょうだと批判ひはんしたり、マスクの着用ちゃくようの義務ぎむ化かや経済けいざい活動かつどうの制限せいげんに反対はんたいしたりする人ひとも多おおく、感染かんせん対策たいさくは政治せいじ的てきな対立たいりつにもつながっています。

ワシントンでは追悼ついとう集会しゅうかい

アメリカの首都しゅとワシントンでは、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんして死亡しぼうした20万まん人にんを追悼ついとうする催もよおしが開ひらかれ、参加さんかした野党やとう・民主党みんしゅとうのペロシ下院かいん議長ぎちょうはトランプ政権せいけんの対応たいおうを非難ひなんしました。

この催もよおしは、アメリカの市民しみん団体だんたいの呼よびかけで22日にち開ひらかれ、ワシントン中心ちゅうしん部ぶの「モール」と呼よばれる広場ひろばの芝生しばふには、新型しんがたコロナウイルスの死者ししゃの数かずの10分ぶんの1にあたる2万まんに上のぼる小ちいさなアメリカ国旗こっきが立たてられました。

参加さんかした野党やとう・民主党みんしゅとうのペロシ下院かいん議長ぎちょうは、「これらのアメリカ国旗こっきは大勢たいせいの死者ししゃと遺族いぞくの苦くるしみを象徴しょうちょうしている。もし科学かがくに従したがっていれば、今回こんかいのような事態じたいは避さけられたはずだ」と述のべ、科学かがく者しゃの意見いけんを軽視けいししたとしてトランプ政権せいけんの対応たいおうを非難ひなんしました。

参加さんかした女性じょせいは「まだ感染かんせんは終おわっていない。トランプ大統領だいとうりょうは終おわったかのようにふるまっているが、われわれは政府せいふの真剣しんけんな行動こうどうを必要ひつようとしている」と話はなしていました。

主催しゅさいした団体だんたいは、「トランプ政権せいけんは追悼ついとう式しきなどもせず、深刻しんこくな事態じたいではないかのように装よそおっているので、今回こんかいの催もよおしを開ひらいた」と説明せつめいしています。

ホワイトハウス報道ほうどう官かん対策たいさくを強調きょうちょう

ホワイトハウスのマケナニー報道ほうどう官かんは22日にちの会見かいけんで、「亡なくなった一人ひとりひとりについて深ふかく悲かなしんでいる」と新型しんがたコロナウイルスの犠牲ぎせい者しゃを悼いたみました。

その一方いっぽう、10倍ばいに当にあたる200万まん人にんが死亡しぼうするおそれがあったという専門せんもん家かの指摘してきを引き合ひきあいに出だし、「そうならなかったのはトランプ大統領だいとうりょうが中国ちゅうごくからの入国にゅうこくを禁きんじるなど直ただちに行動こうどうを取とったからだ」と述のべ、トランプ政権せいけんが対策たいさくに努つとめてきたと強調きょうちょうしました。

そして、マケナニー報道ほうどう官かんは、「トランプ大統領だいとうりょうは感染かんせんの拡大かくだいを非常ひじょうに深刻しんこくにとらえ、毎日まいにち、懸命けんめいに取り組とりくんでいる」と述のべ、年内ねんないのワクチン供給きょうきゅうを目指めざすという考かんがえを改あらためて示しめしました。

トランプ大統領だいとうりょう「中国ちゅうごくのせいだ」

トランプ大統領だいとうりょうは22日にち、記者きしゃ団だんに対にたいし、「残念ざんねんなことだ。だが、私わたしたちがきちんと対応たいおうしていなければ、250万まん人にんが亡なくなっていただろう。そもそも中国ちゅうごくが国外こくがいにウイルスを拡散かくさんさせるべきではなかった。中国ちゅうごくのせいだ。それを覚おぼえておくべきだ」と述のべ、批判ひはんの矛先ほこさきを中国ちゅうごくに向むけて激はげしく非難ひなんしました。