NTTは、
携帯電話事業を
手がけるNTTドコモのすべての
株式を
取得して、
完全子会社にすることを
決めたと
発表しました。ドコモの
競争力強化や
グループ経営の
意思決定の
迅速化などがねらいで、TOB=
株式の
公開買い付けを
行い、
買収総額は
およそ4
兆2500
億円に
上るとしています。
発表によりますとNTTは29
日、
取締役会を
開き、
子会社のNTTドコモの
株式をすべて
取得して
完全子会社にすることを
決めました。
NTTは現在ドコモの株式のおよそ66%を保有していますが、残るおよそ34%を一般株主などからTOB=株式の公開買い付けによって取得するとしていて、成立すれば、ドコモは上場廃止となります。
買収総額は4兆2544億円に上るとしています。
オンラインの記者会見でNTTの澤田純社長は国内市場でドコモが利益水準で大手の中で3番手となり、GAFAに代表される巨大IT企業が出現するなど競争環境が厳しくなっているという危機感を示したうえで、「目的はドコモの競争力の強化と成長だ。新たなサービスや6Gを見据え、移動と固定の融合型で通信基盤の整備を推進していく」と述べました。
また、菅総理大臣が実現に強い意欲を示している携帯電話料金の値下げについて、NTTの澤田社長は「料金値下げをやるためにドコモを完全子会社にするわけではないが、ドコモが強くなれば、値下げの余力は出てくる」と述べました。
NTTドコモの吉澤和弘社長も「ネットワークやサービスの競争力向上の結果として、低廉で使いやすいサービスを実現していきたい」と述べました。
一方、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行と農林中央金庫などはNTTに対し、NTTドコモのすべての株式を取得する資金として合わせておよそ4兆円を協調融資する方針です。
経済同友会代表幹事「時代に応じて戦略や機能は変わってよい」
経済同友会の櫻田代表幹事は29日の定例会見で「グループ横断のデジタル戦略について、持ち株会社が担ったほうがいいという判断があるのではないかと思う。私自身は、持ち株会社は時代に応じて戦略や機能は変わってよいと思っている」と述べました。
そのうえで、菅総理大臣が強い意欲を示す携帯電話料金の引き下げについては「今まではできないと言っていたことを無理にでもやってみたらいいことが見つかる場合もある。携帯電話の料金は、世界で見た場合に比較的高いことは間違いないので、常識としておかしいことは見直せばよい」と述べ、今後、議論が進むことに期待を示しました。