日本新聞: iPS細胞から作った細胞など重ね心臓病患者に移植する初手術

iPS細胞さいぼうから作つくった細胞さいぼうなど重かさね心臓しんぞう病びょう患者かんじゃに移植いしょくする初はつ手術しゅじゅつ

N2 Jul 28, 2025 17:07 1

Furigana 翻译

iPS細胞さいぼうから作つくった心臓しんぞうの細胞さいぼうなどをシート状じょうにして重かさね、重おもい心臓しんぞう病びょうの患者かんじゃに移植いしょくする初はじめての手術しゅじゅつを行おこなったと、開発かいはつを進すすめる京都きょうと市しのベンチャー企業きぎょうなどが発表はっぴょうしました。

京都きょうと市しの医療いりょうベンチャーiHeart Japanと東京とうきょう女子じょし医科いか大学だいがくなどのグループは、iPS細胞さいぼうから作つくった心臓しんぞうの筋肉きんにくや血管けっかんなどの細胞さいぼうをシート状じょうにして5枚ごまい重かさね、「拡張かくちょう型がた心筋しんきん症しょう」という重おもい心臓しんぞう病びょうの患者かんじゃに移植いしょくする治療ちりょうの開発かいはつを進すすめています。

グループは28日にじゅうはちにち会見かいけんを開ひらき、治験ちけんの1例いちれい目めとなる患者かんじゃに手術しゅじゅつを行おこなったと発表はっぴょうしました。

重かさねたシートは心臓しんぞうの表面ひょうめんに貼はり付つけて移植いしょくするということで、1枚いちまいで使つかうより効果こうかを高たかめ、持続じぞくする時間じかんを長ながくするのがねらいだということです。

1例いちれい目めの患者かんじゃはすでに退院たいいんし、経過けいか観察かんさつを続つづけているということで、グループは今後こんご、さらに9人きゅうにんの患者かんじゃに手術しゅじゅつを行おこない安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいを確認かくにんするとしています。

企業きぎょうの科学かがく顧問こもんで開発かいはつを担当たんとうした東京とうきょう大学だいがくの山下やました潤じゅん特とく任にん教授きょうじゅは、「長ながい間あいだ研究けんきゅうを続つづけてようやく治験ちけんが始はじまり、身みの引ひき締しまる思おもいだ」と話はなしました。

iPS細胞さいぼうを使つかう心臓しんぞう病びょうの治療ちりょうをめぐっては、ことし4月しがつ、大阪おおさか大学だいがく発はつのベンチャー企業きぎょうがiPS細胞さいぼうから作つくった「心筋しんきん細胞さいぼうシート」を国くにに承認しょうにん申請しんせいするなど、実用じつよう化かに向むけた競争きょうそうが進すすんでいます。