沖縄の
アメリカ軍普天間基地の
名護市辺野古への
移設計画をめぐり、
防衛省は、
大幅な
地盤改良にともなう
設計の
見直しを
進めた
結果、
完成まで
およそ12
年かかり、
経費は
当初見積もりの2.5
倍以上と
なる、およそ9300
億円に
上るとしています。
アメリカ軍普天間基地の
名護市辺野古への
移設計画で、
日米両政府は、2013
年にまとめた
返還計画で、
埋め立て
などの
工期は
5年で、
早ければ2022
年度に
普天間基地の
返還が
可能に
なるとしていました。
しかし、大幅な地盤改良が必要になったため、防衛省は設計の見直しを進め、25日開かれた土木や地質などの専門家でつくる検討会に工期と経費の概略を示しました。
それによりますと、地盤改良や埋め立てなどに、およそ9年3か月かかり、飛行場としての機能を持たせる整備も含めると完成まで工期はおよそ12年かかるとしています。このため、普天間基地の返還時期は、2030年代に大幅にずれ込む見通しです。
また経費について政府は少なくとも3500億円と見積もっていましたが、大幅に増え、当初の2.5倍以上となる、およそ9300億円に上るとしています。
さらに、軟弱な地盤を強固にするため、およそ7万7000本のくいを打ち込み、3年8か月かかるとした試算も見直し、3年半ほどかけて、およそ7万1000本のくいを使い、この工事だけで、およそ1000億円かかるとしています。
防衛省は今後、設計の変更を沖縄県に申請することにしていますが、沖縄県は認めない方針で、工事はさらに長期化する可能性もあります。
沖縄県 謝花副知事「まずは話し合いをする方向にチェンジを」
沖縄県の謝花副知事は、記者団に対し、「普天間飛行場の危険性の除去という問題の原点に返るならば、やはりもう一度立ち止まり、政府も工事を止めて、国民的議論をしっかり踏まえて再検討するよい機会ではないかと思う。まずは話し合いをする方向に、チェンジしてもらいたい」と述べました。
また防衛省が今後、設計の変更を申請した場合について、「係争中でもあるので、どういった対応になるかは、その段階でまた考えたい」と述べるにとどめました。
河野防衛相「沖縄県側の理解と協力求めたい」
河野防衛大臣は25日夕方、記者団に対し、「安全確保のための警備や、軟弱地盤の工事などが加わったので、必要な分を計上した。アメリカ側とも、しっかり調整していきたいし、沖縄県側の理解と協力を求めていきたい」と述べました。
そのうえで、「『辺野古が唯一の解決策』ということに変わりはない。普天間基地の危険性の除去は、沖縄県も同様の考えだと思っているので、変更申請について、適切に処理してくれると思っている」と述べました。