日本にっぽん郵政ゆうせいグループ ３さん社長しゃちょうの辞任じにん発表はっぴょう 日本にっぽん郵政ゆうせい次期じき社長しゃちょうは増田ますだ氏し

総務そうむ省しょうの前まえの事務じむ次官じかんから行政ぎょうせい処分しょぶんの検討けんとう状況じょうきょうを聞き出ききだしたとされる、日本にっぽん郵政ゆうせいの鈴木すずき康雄やすお上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょうも辞任じにんします。

一方いっぽう、日本にっぽん郵政ゆうせいの後任こうにんの社長しゃちょうには元もと総務そうむ大臣だいじんの増田ますだ寛ひろし也氏しが来月らいげつ６ろく日にちに就任しゅうにんします。そして、日本にっぽん郵便ゆうびんとかんぽ生命せいめいの後任こうにんの社長しゃちょうには、いずれも旧きゅう郵政省ゆうせいしょう出身しゅっしん者しゃが起用きようされ、それぞれ、日本にっぽん郵政ゆうせいの衣川きぬがわ和秀かずひで専務せんむ執行しっこう役やくとかんぽ生命せいめいの千田せんだ哲也てつや副ふく社長しゃちょうが就任しゅうにんします。

３さん社しゃのトップはこれまで民間みんかんの大手おおて金融きんゆう機関きかんの出身しゅっしん者しゃが務つとめていましたが、３さん社しゃとも、官僚かんりょう出身しゅっしん者しゃに代かわることになります。

新あらたにグループの経営けいえいトップとなる増田ますだ寛ひろし也氏しは68歳さい。当時とうじの建設省けんせつしょう出身しゅっしんで、平成へいせい７なな年ねんから岩手いわて県けんの知事ちじを３さん期き務つとめ、いわゆる改革かいかく派はの知事ちじの１いち人にんとして知しられました。平成へいせい19年ねんからは総務そうむ大臣だいじんを務つとめたほか、平成へいせい25年ねんからは郵政ゆうせい民営みんえい化かの進捗しんちょく状況じょうきょうを検証けんしょうする政府せいふの郵政ゆうせい民営みんえい化か委員いいん会かいの委員いいん長ちょうも務つとめました。

郵政ゆうせい事業じぎょうに通つうじた増田ますだ氏しのもとで、日本にっぽん郵政ゆうせいグループは、不適切ふてきせつな販売はんばいで不利益ふりえきを受うけた顧客こきゃくへの対応たいおうや再発さいはつ防止ぼうし策さくの着実ちゃくじつな実行じっこうに取り組とりくむことになります。不適切ふてきせつ販売はんばいの問題もんだいで失うしなった信頼しんらい回復かいふくに道筋みちすじをつけられるか、問とわれることになります。

長門ながと社長しゃちょう 会見かいけんでの発言はつげん

日本にっぽん郵政ゆうせいグループは、金融きんゆう庁ちょうと総務そうむ省しょうから行政ぎょうせい処分しょぶんを受うけたことを踏ふまえ、27日にち午後ごご６ろく時じから東京とうきょう都内とないで日本にっぽん郵政ゆうせいの長門ながと正ただし貢みつぎ社長しゃちょう、日本にっぽん郵便ゆうびんの横山よこやま邦男くにお社長しゃちょう、それに、かんぽ生命せいめいの植うえ平たいら光彦みつひこ社長しゃちょうの３さん人にんが記者きしゃ会見かいけんを行おこなっています。

この中なかで長門ながと社長しゃちょうは「このような事態じたいを招まねいたことを、深ふかく反省はんせいしております。お客様おきゃくさまをはじめ、関係かんけいのみなさまに多大ただいなご迷惑めいわくをおかけすることを深ふかくおわび申し上もうしあげます。グループの全ぜん役職やくしょく員いんが今回こんかいの行政ぎょうせい処分しょぶんを厳粛げんしゅくに受け止うけとめ、今後こんご２に度どとこのような事態じたいを起おこさぬよう、再発さいはつ防止ぼうしに向むけて内部ないぶ管理かんり体制たいせいのより一層いっそうの強化きょうかと、コンプライアンスの徹底てっていに取り組とりくむとともに、一いち日にちでも早はやく、信頼しんらいを取り戻とりもどせるよう、グループ一丸いちがんとなって全力ぜんりょくを尽つくします」と述のべ、陳謝ちんしゃしました。

長門ながと社長しゃちょうは「ことしの８月はちがつ上旬じょうじゅんには経営けいえい責任せきにんを取とらなければならないと、覚悟かくごしていた。再発さいはつ防止ぼうし策さくをできるところからつくり、構築こうちくしていくことをみずからのリーダーシップでやることが大事だいじで、自分じぶんだけとっとと逃にげるわけにはいかないと思おもっていた。きょう、たいへん重おもい処分しょぶんを受うけたが、辞任じにんを発表はっぴょうする時期じきだなと思おもった」と述のべました。

長門ながと社長しゃちょうは「経営けいえい者しゃとしての欠陥けっかんがあったとすれば、肝心かんじんの足元あしもとを見みていなかった。コンプライアンス＝法令ほうれい順守じゅんしゅを重視じゅうしすべきと言いってきたが、そういう経営けいえいの基本きほん路線ろせんを踏ふんでいれば、非常ひじょうに難むずかしい環境かんきょうにある会社かいしゃの経営けいえいではあったと思おもうが、十分じゅうぶんにやれたはずだった。皆様みなさまにご迷惑めいわくをおかけする大だい事件じけんとなり、ひとえに私わたし自身じしんの経営けいえい力りょくのなさで環境かんきょうのせいではないと考かんがえている」と述のべました。

また後任こうにんの社長しゃちょうに就任しゅうにんする元もと総務そうむ大臣だいじんの増田ますだ寛ひろし也氏しについて、「県知事けんちじを務つとめ県政けんせいをマネージした経験けいけんのある人ひとであり、総務そうむ大臣だいじんとして日本にっぽん郵政ゆうせいを管轄かんかつする役所やくしょのトップもやっていた。いま考かんがえられる中なかでベストの後継こうけい者しゃだと思おもう。日本にっぽん郵政ゆうせいはＩｏＴの時代じだいに、可能かのう性せいのある企業きぎょうだと思おもうので、グループの長所ちょうしょを伸のばしてほしい」と期待きたい感かんを示しめしました。

さらに総務そうむ省しょうの前まえの事務じむ次官じかんから行政ぎょうせい処分しょぶんの検討けんとう状況じょうきょうを聞き出ききだしたとされる、日本にっぽん郵政ゆうせいの鈴木すずき康雄やすお上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょうについて「第だい三さん者しゃの弁護士べんごしに調査ちょうさをお願おねがいしようと動うごいていたが、総務そうむ省しょうの事務じむ方かたトップが辞やめるという事実じじつがあり、それを鈴木すずき上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう自身じしんが重大じゅうだいなことだと認識にんしきしてみずから辞職じしょくという道みちを選えらんだ。これを受うけて、調査ちょうさは行おこなわないことを決断けつだんした」と述のべました。

日本にっぽん郵便ゆうびん 横山よこやま社長しゃちょう「説明せつめいのあり方ありかた 十分じゅうぶんではなく道みち半なかば」

日本にっぽん郵便ゆうびんの横山よこやま邦男くにお社長しゃちょうは、記者きしゃ会見かいけんで「12月つきぐらいからは辞任じにんというけじめをつけることについて認識にんしきしていた。後悔こうかいがあるかと問とわれると、高齢こうれいのお客様おきゃくさまへの説明せつめいのあり方ありかたについては、対策たいさく本部ほんぶをつくり、出来できてきていたと私わたしは認識にんしきしているが、かんぽ生命せいめいの募集ぼしゅう全体ぜんたいで全部ぜんぶ出来できていたかというと、それが十分じゅうぶんではなく道みち半なかばだったことを後悔こうかいをしている」と述のべました。

また横山よこやま社長しゃちょうは「経営けいえい上じょう、何なにが難むずかしいかという観点かんてんでいえば、全国ぜんこくでユニバーサルサービスを行おこなうことを国くにから委託いたくされている。しかし、実際じっさいには商品しょうひん性せいの問題もんだいなどで制約せいやくがあり手てかせ、足あしかせもある。ユニバーサルサービスを行おこなうのであれば、そうした制約せいやくを外はずしてもらうのが筋すじではないかと思おもう」と述のべました。

かんぽ生命せいめい 植うえ平たいら社長しゃちょう「退任たいにん すでに頭あたまの中なかに」

かんぽ生命せいめいの植うえ平たいら光彦みつひこ社長しゃちょうは会見かいけんで「退任たいにんということについてはすでに頭あたまの中なかにはあった。会社かいしゃによる調査ちょうさのめどが立たち、特別とくべつ調査ちょうさ委員いいん会かいの報告ほうこく書しょも出だされ、きょうづけで金融きんゆう庁ちょうから処分しょぶんを受うけたことで、決断けつだんをさせていただいた」と述のべました。

後任こうにんの３さん人にん

増田ますだ寛ひろし也氏しは68歳さい。昭和しょうわ52年ねんに当時とうじの建設省けんせつしょうに入はいり、平成へいせい７なな年ねんの岩手いわて県知事けんちじ選挙せんきょで初はつ当選とうせんして３さん期き務つとめました。この間このかん、情報じょうほう公開こうかいを積極せっきょく的てきに進すすめるとともに、民間みんかんの経営けいえい手法しゅほうを取り入とりいれて行政ぎょうせい改革かいかくに取り組とりくみ、いわゆる改革かいかく派はの知事ちじの１いち人にんとして知しられました。そして、平成へいせい19年ねんに第だい１いち次じ安倍あべ改造かいぞう内閣ないかくで総務そうむ大臣だいじんに起用きようされ、地方ちほう再生さいせいへの取り組とりくみに尽力じんりょくしました。平成へいせい25年ねん７月しちがつから平成へいせい28年ねん９月くがつまで３さん年ねん余あまり、金融きんゆう庁ちょうや総務そうむ省しょうといった関係かんけい省庁しょうちょうから独立どくりつした立場たちばで民営みんえい化かの進捗しんちょく状況じょうきょうを検証けんしょうする政府せいふの郵政ゆうせい民営みんえい化か委員いいん会かいの委員いいん長ちょうを務つとめました。増田ますだ氏しは現在げんざい、東京とうきょう大学だいがく公共こうきょう政策せいさく大学院だいがくいんの客員きゃくいん教授きょうじゅや野村のむら総合そうごう研究所けんきゅうじょの顧問こもんを務つとめています。

日本にっぽん郵政ゆうせいの衣川きぬがわ和秀かずひで専務せんむ執行しっこう役やくは62歳さい。昭和しょうわ55年ねんに当時とうじの郵政省ゆうせいしょうに入はいり、平成へいせい19年ねんの郵政ゆうせい民営みんえい化か以降いこう、かんぽ生命せいめいの人事じんじ部長ぶちょうや専務せんむ執行しっこう役員やくいんを経へて、平成へいせい28年ねんに親しん会社かいしゃの日本にっぽん郵政ゆうせいの専務せんむ執行しっこう役やくに就任しゅうにんしました。

かんぽ生命せいめいの千田せんだ哲也てつや副ふく社長しゃちょうは59歳さい。昭和しょうわ59年ねんに当時とうじの郵政省ゆうせいしょうに入はいり、平成へいせい19年ねんの郵政ゆうせい民営みんえい化か以降いこう、かんぽ生命せいめいの経営けいえい企画きかく部長ぶちょうや専務せんむ執行しっこう役やくなどを経へてことし４月しがつから副ふく社長しゃちょうを務つとめています。

辞任じにんする４よん人にん

日本にっぽん郵政ゆうせいの長門ながと正ただし貢みつぎ社長しゃちょう（71）は傘下さんかに「日本にっぽん郵便ゆうびん」、「ゆうちょ銀行ぎんこう」、「かんぽ生命せいめい」の３さん社しゃをもつ日本にっぽん郵政ゆうせいグループの経営けいえいトップです。長門ながと社長しゃちょうは旧きゅう興銀こうぎん、今いまのみずほフィナンシャルグループの出身しゅっしんで、当時とうじのみずほコーポレート銀行ぎんこうの常務じょうむ執行しっこう役員やくいんを務つとめたあと、外資がいし系けいのシティバンク銀行ぎんこうの会長かいちょうなどを務つとめました。平成へいせい27年ねん６月ろくがつに日本にっぽん郵政ゆうせいに取締役とりしまりやくとして入はいり、よくとし４月しがつ、社長しゃちょうに就任しゅうにんしました。

日本にっぽん郵便ゆうびんの横山よこやま邦男くにお社長しゃちょう（63）は旧きゅう住友銀行すみともぎんこう、今いまの三井みつい住友すみとも銀行ぎんこうの出身しゅっしんです。三井みつい住友すみとも銀行ぎんこうの頭取とうどりを務つとめた西川にしかわ善文よしふみ氏しが郵政ゆうせい民営みんえい化かにあたって、日本にっぽん郵政ゆうせいの社長しゃちょうになったことに伴ともない、平成へいせい18年ねん２月にがつから日本にっぽん郵政ゆうせいの執行しっこう役員やくいんを務つとめました。その後そのご、三井みつい住友すみともグループの資産しさん運用うんよう会社かいしゃのトップなどをへて平成へいせい28年ねん６月ろくがつに日本にっぽん郵便ゆうびんの社長しゃちょうに就任しゅうにんしました。

かんぽ生命せいめいの植うえ平たいら光彦みつひこ社長しゃちょう（63）は損害そんがい保険ほけん大手おおて、東京とうきょう海上かいじょうホールディングスの執行しっこう役員やくいんを務つとめたあと、平成へいせい25年ねん６月ろくがつに常務じょうむ執行しっこう役やくとしてかんぽ生命せいめいに入はいりました。その後そのご、専務せんむ執行しっこう役やくをへておととし６月ろくがつから（2017）社長しゃちょうを務つとめていました。

日本にっぽん郵政ゆうせいの鈴木すずき康雄やすお上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょう（69）は昭和しょうわ48年ねんに当時とうじの郵政省ゆうせいしょうに入省にゅうしょうし、平成へいせい21年ねんに総務そうむ省しょうの事務じむ方かたトップである事務じむ次官じかんを務つとめました。総務そうむ省しょうを退官たいかんしたあと、平成へいせい25年ねんに日本にっぽん郵政ゆうせいの副ふく社長しゃちょうに就任しゅうにんし、平成へいせい27年ねんからは上級じょうきゅう副ふく社長しゃちょうを務つとめています。かんぽ生命せいめいの保険ほけんの不適切ふてきせつな販売はんばいをめぐっては、衆議院しゅうぎいんの予算よさん委員いいん会かいなどに参考さんこう人じんとしてたびたび出席しゅっせきし、問題もんだいの原因げんいんや背景はいけいを説明せつめいしました。また、この問題もんだいを報ほうじた去年きょねん４月しがつのＮＨＫえぬえいちけいの番組ばんぐみ「クローズアップ現代げんだいプラス」の放送ほうそう後ごに抗議こうぎを行おこなった経緯けいいなどについて答弁とうべんをしていました。