南海なんかいトラフ地震じしん ３さんｍめ-とる以上いじょうの津波つなみ確率かくりつ 広ひろ範囲はんいで最高さいこうランクに

政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、南海なんかいトラフ沿ぞいで今後こんご30年ねん以内いないに70％から80％の確率かくりつで発生はっせいするとされるマグニチュード８はちから９きゅうクラスの地震じしんを対象たいしょうに、沿岸えんがんの自治体じちたいが津波つなみに襲おそわれる確率かくりつを計算けいさんし、初はじめて公表こうひょうしました。

津波つなみの高たかさを３さん段階だんかいに分わけ、このうち住宅じゅうたくが流失りゅうしつし始はじめるとされる３さんメートル以上いじょうの津波つなみに襲おそわれる確率かくりつは、四国しこく、近畿きんき、東海とうかいを中心ちゅうしんとした合あわせて71の市区しく町村ちょうそんで最もっとも高たかいランクの「26％以上いじょう」とされました。

また、10メートル以上いじょうの津波つなみに襲おそわれる確率かくりつは、高知こうち県けんや三重みえ県けんを中心ちゅうしんとした合あわせて21の市しと町まちで「６ろく％以上いじょう26％未満みまん」と高たかくなっています。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの平田ひらた直ただし委員いいん長ちょうは「30年ねん以内いないに交通こうつう事故じこでけがをする確率かくりつはおよそ15％とされており、３さんメートル以上いじょうの津波つなみに襲おそわれれる確率かくりつが26％以上いじょうというのは、非常ひじょうに高たかい数値すうちだと捉とらえて備そなえを進すすめてほしい」と話はなしています。

今回こんかいの試算しさんでは、マグニチュード９きゅうを超こえると想定そうていされる最大さいだいクラスの地震じしんは、発生はっせい頻度ひんどが詳くわしく分わかっていないとして対象たいしょうから外はずされています。

対象たいしょうの地震じしんと確率かくりつ 数値すうち捉とらえ方かた

南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんをめぐっては、政府せいふの中央ちゅうおう防災ぼうさい会議かいぎが「考かんがえられる最大さいだいクラス」の地震じしんをマグニチュード9.1とし、高知こうち県けんや静岡しずおか県けん、それに伊豆いず諸島しょとうの一部いちぶで、津波つなみの高たかさが最大さいだい30メートルを超こえるという想定そうていを公表こうひょうしています。

一方いっぽう、今回こんかいの試算しさんでは、最大さいだいクラスの巨大きょだい地震じしんは発生はっせい頻度ひんどが詳くわしく分わからないため確率かくりつが計算けいさんできないとして対象たいしょうから外はずされ、100年ねんから200年ねん間隔かんかくで繰り返くりかえし発生はっせいするマグニチュード８はちから９きゅうクラスの地震じしんを対象たいしょうとしました。

試算しさんでは、福島ふくしま県けんから鹿児島かごしま県けんまでの24都府県とふけん352市区しく町村ちょうそんごとに30年ねん以内いないに津波つなみに襲おそわれる確率かくりつを示しめしていて、

津波つなみの高たかさは、▽３さんメートル以上いじょう▽５ごメートル以上いじょう▽10メートル以上いじょうの３さん段階だんかい、

確率かくりつは▽26％以上いじょう▽６ろく％以上いじょう26％未満みまん▽６ろく％未満みまんの３みっつのランクに分わけられています。

住宅じゅうたくが流失りゅうしつ・全壊ぜんかいし始はじめるとされる高たかさ３さんメートル以上いじょうの津波つなみは、四国しこく、近畿きんき、東海とうかいを中心ちゅうしんに伊豆いず諸島しょとうや九州きゅうしゅうを含ふくむ71の市区しく町村ちょうそんで最もっとも高たかい「26％以上いじょう」となっています。

また、住宅じゅうたくの流失りゅうしつが急増きゅうぞうする５ごメートル以上いじょうの津波つなみは、四国しこく、近畿きんき、東海とうかいを中心ちゅうしんとした合あわせて29市町村しちょうそんで「26％以上いじょう」となっています。

さらに、10メートル以上いじょうの津波つなみは、高知こうち県けんと三重みえ県けんを中心ちゅうしんに愛知あいち県けん、徳島とくしま県けん、和歌山わかやま県けん、静岡しずおか県けんの合あわせて21の市しと町まちで、６ろく％以上いじょう26％未満みまんとなっています。

「30年ねん以内いないに26％以上いじょう」という確率かくりつについて、地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいはほかの災害さいがいで被災ひさいするリスクと比くらべても低ひくくない数字すうじだとしていて、同列どうれつに比較ひかくできないものの、30年ねん以内いないに交通こうつう事故じこでけがをする確率かくりつ15％、火事かじに遭あう確率かくりつ1.1％、台風たいふうで被災ひさいする確率かくりつ0.33％などを挙あげ、数値すうちの重おもみを受け止うけとめるうえで参考さんこうにしてほしいとしています。