大学で集団食中毒


菌はラーメンのトッピングに使用された食材や、調理に使用したシンク、作業台などからも検出されたということです。
家庭でも、梅雨の時期は食材の温度管理を徹底しないと、食中毒を発生させるリスクがあるといいます。 例えば、高い室温の中で食材を置きっぱなしにしたり、弁当に水けの出やすい生野菜を入れたりすると、細菌が増殖して食中毒の原因になる場合があります。
調理をする前は、食品や手、調理器具を洗うことを徹底する必要があります。 ▽2つ目は、食べ物に付着した細菌を「増やさない」。 食品を常温で放置せず、冷蔵庫や冷凍庫で保存すること。 調理したものはできるだけ早く食べて、残ったものは冷蔵庫で保存することで、細菌の増殖を防ぐことができます。 ▽3つ目は食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」。 食品を加熱する際は、内部までしっかりと火を通すこと。 加熱の目安は中心部を75度以上で1分以上です。
まず、手を洗う前に、どれほど汚れがついているのか、蛍光塗料を塗った手にブラックライトを照らすと…。
手を洗う際には、はじめに水洗いをして汚れを全体的に落とします。その後、洗剤をまんべんなくつけて、手のひら、甲、指の間をしっかりとこすりながら洗います。
このため保健所では、2回の手洗いを推奨しています。
シンクを洗浄する際は食器を洗うものと分けて、洗浄用のスポンジを使用。家庭用の台所用洗剤をつけてシンク全体をふきます。洗剤の界面活性剤の効果で汚れを浮かせて洗い流すことが目的です。
まな板は長く使っていると、傷の隙間に菌や汚れが残りやすくなるので、洗剤でまな板全体を洗って、塩素や熱湯による消毒が有効です。
「梅雨の時期は気温が高くなるので細菌が増殖し、家庭でも食中毒が発生する可能性があります。予防の3原則の中でも、一番は菌を増やさないことが重要なので、手洗いや調理器具の消毒に加えて、この時期は特に食品を室内に置きっぱなしにしない、調理したものはすぐに食べることを徹底してほしい」
また、「黄色ブドウ球菌」は健康な人の体にも存在していますが、手洗いや消毒が不十分な場合や手荒れや化のうなどから媒介されて食中毒に陥る可能性が高いということです。
「6月は気候が変わってくる時期なのでどうしても食材の温度管理が甘くなってしまいます。本当に暑くなってくると、皆さん保冷剤を入れるなど対策を取りますが、この時期は中途半端な時期なので、発生が多くなる1つの要因だと思います」
セントラルキッチンで調理したシューマイやえびチリなどの総菜を、都内に6か所ある百貨店や商業施設の店舗に配送しています。
泡を手の甲や指の間などすみずみにわたらせて、2回洗います。爪の間の汚れを取るためにブラシも使い、最後はアルコールをふきかけて殺菌します。
最も力を入れて対策しているのは食材の温度管理です。
食材に火を通したあと、粗熱をとる必要がありますが、長く放置すると食中毒の原因となる細菌が繁殖するため、この調理場では急速冷却機を導入しています。 マイナス30度で10分ほど冷やすことで、食材の温度を3度くらいまで下げることができ、食中毒のリスクを減らせるといいます。
「その場ですぐに食べてもらえるレストランと違い、総菜は提供するまでに時間がかかるので、おいしいのはもちろん大事ですが、食中毒が一番こわいので、菌を増やさないようにしっかり冷やして保管して安心して食べてもらえるように徹底しています」
厚生労働省によりますと、おととしの食中毒の発生件数は717件と1996年以降、最も少なくなったほか、去年食中毒にかかった患者数も6856人と統計を取り始めた1952年以降最少となりました。 ここ数年、食中毒が減っている要因について専門家はコロナ禍で飲食店の休業が相次いだことや、外食に行く機会が減ったこともあるのではないかと分析しています。
「感染症対策と食品衛生対策は必ずしもすべて一致しているわけではありませんが、食中毒の場所として起こる1番多い場所は飲食店関係なので、食中毒が増える傾向になるのではと心配しています。食品の安全対策をどうすべきか事業者がもう一度見直して行うことが重要です」
家庭でも注意が必要
食中毒予防の3原則
手洗いのポイント
シンクや調理器具は
この時期に多い「細菌性」の食中毒
飲食店での対策は
コロナ禍で減少も 再び増加の可能性