熊の
市街地への
出没や
人への
被害が
相次ぐ
中、
人の
生活圏で
熊などが
出没した
際に
市町村の
判断で
特例的に
市街地などでの
猟銃の
使用が
可能と
なる改正法が
1日、
施行されました。
随着熊频繁出现在市区并对人造成伤害,允许市町村在熊等野生动物出现在人类生活圈时,根据判断特例性地在市区等地使用猎枪的修订法律于1日正式施行。
1日に
施行された
改正鳥獣保護管理法では、
▽
熊などが
人の
生活圏に
侵入しているか、
侵入の
おそれが
大きい
場合で、
▽
緊急性があり、
▽
迅速に
捕獲できる手段がほかになく、
▽
人に
弾丸が
到達するおそれがないという、
4つの
条件をすべて
満たした
場合に
猟銃の
使用が
可能になる「
緊急銃猟」という
制度が
創設されました。
法律の
改正前は、
住宅が
密集している
地域などでは
猟銃を
使用することは
禁止され、
人に
危険が
生じるといった
緊急時のみ、「
警察官職務執行法」に
基づいた
警察官の
命令などで
猟銃が
使用されていました。
在法律修订之前,在住宅密集等地区禁止使用猎枪,只有在出现对人身安全造成危险等紧急情况时,才会根据《警察官职务执行法》等由警察官的命令等使用猎枪。
しかし、
人の
生活圏での
熊の
出没が
増える
中、より
予防的かつ
迅速な
対応が
求められることから、
法律が
改正され、
市町村の
判断で
行うことになりました。
然而,随着熊在人的生活区域出没的情况增多,对更具预防性和迅速性的应对措施的需求也在上升,因此法律进行了修订,现由市町村根据自身判断来采取行动。
市町村は
猟銃の
使用をハンターに
委託でき、
猟銃を
使用する
前には、
周辺の
住民の
通行制限や
避難指示などを
行って
安全を
確保することが
求められます。
市政府可以委托猎人使用猎枪,在使用猎枪之前,需要采取限制周边居民通行或发布疏散指示等措施,以确保安全。
また、
コンクリートなどに
当たって
弾丸が
跳ね
返るおそれがないかや、
弾丸が
後方などに
飛んで
いくことを
避ける「バックス
トップ」が
確保されているかなどを
確認する
必要があります。
此外,还需要确认是否存在子弹击中混凝土等物体后反弹的风险,以及是否设置了防止子弹向后方等方向飞出的“背部阻挡装置”。
それでも物的損害や
人身事故が
生じた
場合はハンターではなく、
市町村が
損失を
補償・
賠償するとしています。
即便如此,如果发生了财产损失或人身事故,也不是由猎人负责,而是由市、町、村来进行赔偿和补偿。
環境省は、ことし
7月にガイドラインを
公表し、
市町村に
対し、マニュアルの
作成や
訓練の
実施、それに
損害が
出た
場合に
備えた
保険の
加入を
推奨しています。
环境省在今年7月公布了指南,建议市町村制定操作手册、开展训练,并建议为可能发生的损害投保保险。
林官房長官「
熊への
迅速対応が
可能に」
林官房長官は
午前の
記者会見で「
改正法により、
熊な
どの出没に
対し、
安全かつ
迅速に
対応することが
可能となり、
国民の
安全の
確保に
資するものと
承知している。
銃猟を
安全かつ
円滑に
実施するための
規定も
整備されており、
円滑運用に
努めていく」と
述べました。
为了安全、顺利地实施枪猎,相关规定也已完善,并将努力实现顺利运作。
その上で「
改正法について
理解をいただき、
地域での
熊の
出没に
関する
自治体からの
情報に
注意をするなど、
引き続き
十分な
警戒を
お願いしたい」と
述べました。
在此基础上,他表示:“希望大家理解修订法案,并继续保持高度警惕,比如注意地方政府关于熊出没的相关信息。”
熊市街地駆除の
新制度 詳しく【Q&A】
Q.
改正法施行の
背景は?
A.
近年、ヒグマやツキノワグマ、イノシシの
人の
生活圏への
侵入が
相次いでいて、
人身被害も
多く
発生していることが
背景にあります。
近年来,棕熊、亚洲黑熊和野猪频繁进入人类生活圈,造成人身伤害事件频发,这成为了背景原因。
とりわけ、
令和5年度には、
熊による
人身被害の
件数が
過去最多となり、
早急な
対策強化が
求められていました。
特别是在令和五年度,熊造成的人身伤害案件数量创下历史新高,因此迫切需要加强应对措施。
Q.
今年度の
熊被害は?
A.
環境省のまとめではことし
4月から
7月末までに
熊に
襲われてけがをするなどの
被害にあった
人は
長野県が
13人、
岩手県が
12人、
秋田県、
福島県、
新潟県で
それぞれ4人などの
合わせて
55人となっています。
根据日本环境省的统计,今年4月至7月底,被熊袭击并受伤等受害的人数,长野县有13人,岩手县有12人,秋田县、福岛县、新潟县各有4人等,总计为55人。
このうち、
北海道と
岩手県、
長野県でそれぞれ
1人、
合計3人が
死亡しました。
在这些人中,北海道、岩手县和长野县各有1人死亡,合计3人死亡。
過去の
同じ
時期と
比べると、
年間を
通じて
過去最多の
被害者数となった
2023年度は
56人で、
今年度は
ほぼ同じ
水準となっています。
与过去同期相比,全年受害者人数最多的2023年度为56人,今年度则几乎保持在同一水平。
また、
学校やその
周辺でも
熊の
出没が
相次いでいて、
命を
守るための
対策が
引き続き
求められています。
此外,学校及其周边地区也频繁出现熊的踪迹,因此仍然需要采取措施来保护生命安全。
Q.
改正法の
施行によりどのような
場面で
猟銃が
使用されるようになる?
A.
場所としては
主に、
熊などが
建物に
侵入している
場合や、
農地、
河川敷が
想定されています。
主要场所包括熊等动物侵入建筑物时,以及农田、河滩等情况。
猟銃の
使用に
当たっては、
人に
弾丸が
到達するおそれがなく
安全性が
確保されていることなど
4つの
条件をすべて
満たす
必要があり、
どんなケースでも
猟銃が
使用できるわけではありません。
在使用猎枪时,必须满足包括“确保子弹不会击中人等安全性得到保证”在内的四项条件,任何情况下都不是都可以使用猎枪的。
猟銃の
使用の
判断は
市町村が
行い、
実際の
発砲は、ハンターに
委託でき、
市町村は
事前に
避難誘導や
通行制限などを
行います。
猎枪的使用由市町村判断,实际射击可以委托给猎人,市町村会事先进行疏散引导和通行限制等措施。
Q.ハンターに
求められる
要件は?
A.
要件は
免許を
持ち、
1年に
2回以上、
銃を
用いた
猟または
射撃の
練習をしていること、
過去3年以内に
市街地などで
使用する
銃と
同じ
種類の
銃を
使用して、
熊やイノシシ、
二ホンジカの
捕獲を
行った
経験などが
ある人です。
要求是持有执照,并且每年进行两次以上使用枪支的狩猎或射击练习,且在过去三年内有在市区等地使用同类型枪支捕获熊、野猪或日本鹿等经验的人。
ハンターをめぐっては、
全国的に
数が
減少しているという
課題があります。
環境省によりますと、ライフル
銃や
散弾銃を
使用するために
必要な「
第一種銃猟」の
免許を
取得している
人の
数は、
1985年度は
29万7000人でしたが、
2020年度には
9万人に
減っているということです。
Q.
自治体は
改正法施行に
向けてどんな
準備を
進めているの?
A.
一部の
自治体では
市街地で
熊が
出没したという
想定での
訓練を
行っています。
例えば、
新潟県新発田市では、
8月25日に、
市職員のほか
警察や
猟友会のメンバーなど
合わせて
およそ50人が
参加した
訓練が
行われ、
人が
近づかないように
周囲の
道路を
閉鎖したり、
広報車を
使って
住民に
避難を
呼びかけたりするなど、
一連の
流れを
確認していました。
例如,在新潟县新发田市,8月25日进行了包括市政府职员、警察和猎友会成员等共约50人参加的训练,确认了一系列流程,比如关闭周边道路以防止人员接近,利用宣传车呼吁居民避难等。
また、
万が一、
猟銃の
弾が
建物に
当たるなどの
損害が
出た
場合に
備えて、
保険に
加入する
動きも
出ています。
此外,为了防备万一猎枪子弹击中建筑物等造成损害,也开始有人投保保险。
保険商品を
販売している
大手損保会社によると、
8月までに
100以上の
自治体から
保険に
加入したいという
連絡があったということです。
据一家销售保险产品的大型财产保险公司称,截至8月,已有100多个地方政府联系表示希望加入保险。
Q.
今後の
課題は?
熊の
生態に
詳しい
東京農工大学大学院の
小池伸介教授は
次のように
指摘しています。
今后的课题是什么?对熊的生态非常了解的东京农工大学研究生院的小池伸介教授指出了以下几点。
【
1.
自治体職員の
専門性】
自治体の
鳥獣担当職員が
必ずしも
鳥獣に
対する
専門的な
知識を
持っているとは
限らない。
異動もあり
長期にわたって
担当するわけでもなく、そうした
人が
発砲の
判断をしなければいけないというのは
職員にとって
負担が
大きい。
调动频繁,且并非长期负责,由这样的人来判断是否开枪,对工作人员来说负担很大。
自治体が
鳥獣の
捕獲に
専門的に
従事する
職員を
雇用することや
時間がかかっても
職員を
育成していくことが
必要だ。
地方政府需要雇佣专门从事捕捉鸟兽的工作人员,或者即使花费时间也要培养这样的工作人员。
【
2.
侵入経路を
塞ぐなど
市街地に
入り込めない
対策】
野生動物が
市街地に
出没するのは
何かしらの
理由がある。
原因が
残っているかぎりは
1回駆除しても
何回も
動物の
侵入が
繰り返される。
只要原因还存在,即使驱赶了一次,动物还是会反复入侵。
やぶを
刈り
払うなど
侵入経路を
遮断して
簡単には
森から
人里・
市街地に
入り込めないよう
根本的な
対策をしなくては
市街地出没の
問題は
解決しない。
必须采取根本性的对策,比如清除灌木丛、切断入侵通道,防止野生动物轻易从森林进入人类居住区和市区,否则市区出现野生动物的问题无法得到解决。
【
3.
平時からの
対策を】
市街地に
出没させないために
長期的に
何をしなくてはいけないかを
もう1回見つめ
直し、
人材育成や
住民への
啓発などそもそも
森から
動物を
出さないための
対策を
平時から
進めなくてはならない。
我们需要重新审视为了防止野生动物出现在市区,长期来看应该采取哪些措施,并且平时就要推进人才培养、居民宣传等,从根本上防止动物从森林进入城市的对策。