抗議活動が
続く香港で、
区議会議員選挙の
投票が24
日に
行われ、
候補者らは
街頭で
演説を
行うなど最後まで
支持を
訴えています。
4年に
1度行われる
香港の
区議会議員選挙は、18の
区議会の
合わせて452の
議席を
選ぶもので、
今回はすべての
選挙区で
親中派と
民主派の
候補者が
争う構図となっていて、
民主派が
どこまで
議席を
伸ばすかが
焦点となっています。
投票日を24日に控え、候補者らは繁華街や住宅街で最後まで支持を訴えています。
このうち、九龍半島の繁華街で行われた民主派の街頭活動では、候補者は「区議会がいままで役に立たなかったのは、親中派が多かったからだ。皆さんの一票で民主派を議会に送ってほしい」と訴えていました。
一方、民主派を批判する候補者は、抗議活動が過激化したことを念頭に「暴力に反対し社会を安定させよう。異なる意見があってもいいが、互いに尊重すべきだ」と訴えていました。
20代の男性は「今の議会は親中派が多すぎる。市民の意見を反映する議員を増やし、今の状況を変えたいので民主派に投票したい」と話していました。
一方、60代の男性は「私は商売をやっているので安定を望んでいる。民主派には投票したくない」と話していました。
香港では、警察などとの無用な衝突を控えるよう呼びかける動きが広がり、23日もこれまでのところ目立った衝突は起きていません。
投票は、日本時間の24日午前8時半から午後11時半まで行われ即日開票されますが、香港政府は、安全が確保できなければ投開票の延期もあり得るとしていて、24日、混乱なく選挙が行われるか注目されます。
今回の区議選の意義は
香港の区議会は本来、生活に関わる身近な問題を扱うことが多く、区議会議員自体が持つ権限は大きくありません。
しかし、今回の選挙では、一連の抗議活動を背景に、民主派候補の多くが香港政府に対する反発を示す絶好の機会と捉えて臨んでいます。
多くの市民は、政府に対する反発の度合いを示すいわば「住民投票」と捉えていて、民主派の勢力が政府寄りの立場をとる親中派を上回るかどうかが焦点となります。
現在はすべての議席のうち親中派がおよそ7割に対し、民主派はおよそ3割で、親中派が圧倒的に大きい勢力となっていますが、選挙の結果、民主派が議席を大幅に伸ばせば抗議活動を続けてきた市民にとっては勝利と言え、これまで市民が政府に求めてきた「民主的な選挙の実現」や、警察による取締りの対応などを検証する「独立調査委員会の設置」といった要求をさらに強めることが予想されます。
これに政府が応じなければ、「選挙で示された民意を無視した」として、抗議活動が強まっていく可能性があります。
一方、民主派が伸び悩んだ場合は、これまでの抗議活動がそれほど支持を得られなかったという受け止めにもつながり、抗議活動が弱まる可能性もあります。