その後の調べで、ほかにも元メンバーの男女に対し金を払うよう脅したり、顔を殴ったりしたほか、バッグを奪ったりした疑いがあることが警視庁などへの取材で分かりました。
このサークルはパーティーを定期的に開催し、「運営費」と呼ばれる参加費を払うよう求める契約書を書かせたうえ、ほかの参加者を勧誘するノルマを課して達成できなければ罰金を徴収していたということです。
暴行されたのは、いずれも参加費や罰金を払えずにサークルを辞めた元メンバーだったということです。
現場には逮捕された2人以外にもほかの幹部がいたこともあったということで、警視庁はサークル内で執ように金銭を取り立てていたとみて、調べています。
学生向けのパーティーなどを開催するサークルの幹部で、いずれも日本大学4年の村尾光康容疑者(21)と清水勝護容疑者(22)はことし6月、東京 港区西麻布でサークルの元メンバーの22歳の学生に暴行を加え、バッグを奪ったとして、強盗の疑いで逮捕されました。
その後の調べで、ほかにも元メンバーの男女に対し金を払うよう脅したり、顔を殴ったりしたほか、バッグを奪ったりした疑いがあることが警視庁などへの取材で分かりました。
このサークルはパーティーを定期的に開催し、「運営費」と呼ばれる参加費を払うよう求める契約書を書かせたうえ、ほかの参加者を勧誘するノルマを課して達成できなければ罰金を徴収していたということです。
暴行されたのは、いずれも参加費や罰金を払えずにサークルを辞めた元メンバーだったということです。
現場には逮捕された2人以外にもほかの幹部がいたこともあったということで、警視庁はサークル内で執ように金銭を取り立てていたとみて、調べています。
元メンバーが語る 運営実態
サークルの元メンバーの女性はイベントへの勧誘方法や、参加者に義務づけていたノルマなど、運営実態について詳しく語りました。
警視庁や女性によりますと、サークルには「会長」の下に「代表」と「副代表」がいて、さらにその下に「最高幹部」「幹部」「副幹部」「幹部補佐」が連なり、末端がおよそ150人ほどいる「メンバー」だということです。
逮捕された村尾容疑者はナンバー3の「副代表」で、清水容疑者はナンバー4の「最高幹部」でした。
イベントへの勧誘はツイッターのハッシュタグ機能を使って「#日大」などと大学名で手当たり次第に検索し、「インカレサークルに興味ありませんか?」と、新入生などにメッセージを送っていたということです。
そして反応した学生を東京 新宿区の事務所や、喫茶店に呼び出し、PR動画を見せたということです。
動画には「日本一楽しいサークル」と銘打って、「春はお花見」、「夏は海へ」、「秋はハロウィーン」、「冬はクリスマスパーティー」と季節ごとに楽しめるほか、バーベキューや誕生日パーティーも開催していて、友達を増やしたい人は参加してほしいと呼びかけていました。そのうえで最低3回分のイベントに参加する契約書を書かせていました。
契約書には1回のイベントごとに「運営費」と呼ばれる3万円程度の参加費を支払うことなどを義務づけると記されていました。合計で9万円余りになりますが、ほかの学生を勧誘すると1人当たり2000円ほどのキャッシュバックがあり、学生を勧誘すればするほど自分の負担が減る仕組みだと説明していたということです。
しかし、途中でイベントの参加を辞めると、残りの分の参加費の徴収が始まり、電話を何度もかけたり自宅に押しかけたりしたということです。
サークルに入る際に学生証や健康保険証などをカメラで撮影し、自宅の住所も書かせていたということです。
また、サークルの運営内容について外部に話すと、「情報漏えい」として、10万円の支払いも求めていたということです。
元メンバーの女性も途中で辞めたため、50万円余りを要求され、引っ越しを余儀なくされたということです。
女性は「お金を払うメンバーには優しかったですが、払わないと暴力的になる感じでした。保険証などの証明書の写真を撮って自宅を把握し、家に押しかけて居座りしつこく回収していました。顔写真入りのチラシを近所に貼られた人もいました。罪を償ってほしいです」と話していました。
勧誘された女性は
サークルに勧誘された19歳の女性は、辞めた後も5万円余りを要求され、逮捕された村尾容疑者に顔を殴られたということです。
女性がサークルに関わるようになったのはことしの春ごろ、ツイッターに「学生イベントに参加しませんか?」というメッセージが届いたことがきっかけでした。
女性はすぐにサークルに入るつもりはありませんでしたが、その場で最低3回分のイベントに参加する契約書にサインするよう迫られたということです。
1回のイベントごとに「運営費」と呼ばれる3万円程度の参加費を払うよう求められ、学生証をカメラで撮影されたうえ、自宅の住所を書かされたということです。
女性は「ツイッターで『学生イベントがあるんですけど、お話だけでも』という感じで勧誘され、話くらいならと思って行ったら、急に契約書を書かされました。指紋まで採られて指で判を押すよう求められ、強制的に加入させられました」と振り返りました。
すぐに女性はサークルが嫌になり、辞めましたが、「『家や学校に行くぞ』と脅されサークルの幹部らが自宅に押しかけてきたこともありました。母親が対応して追い払いましたが、ものすごく怖かったです。見張られていると思い、外に出るのも怖かったです」と話しました。
その後、女性は友達と出かけた際にサークルの幹部ら数人に見つかり、取り囲まれて金を払うよう脅されたということです。その時の様子が撮影された動画には、「全額、振り込め」、「4万円は確実に払え」などと脅される状況が写っていました。
女性が下を向いて黙っていたところ、「聞いてるのか」と言われ、村尾容疑者に顔を殴られたということです。
女性は「偶然会った幹部に囲まれ『払えるよな、払うよな』と脅されました。光康容疑者には暴力をふるわれたので、隣にいた友達も震えていて、『じゃあ払いますから』と言うしかなかったです。『お前の家も学校も知っているからいつでも行けるぞ。こっちは何でもできるんだぞ』と言われ、うなずくことしかできなかったです」と涙ながらに話していました。
2人が逮捕されたことについては「毎日ずっと怖くて、学校にも行くことすらできなくなった時期がありました。逮捕されて安心しましたが、他の幹部もいるので、お金の要求は続くかもしれないと思うと、不安は消えません」と話していました。