鹿児島県鹿屋市の
老人ホームで
介護職員が
相次いで
退職したあと
高齢者6人が
死亡した
問題で、
鹿屋市が
入居者への
虐待の
有無などを
調べたところ、「
介護放棄」などの
行為は
認められないものの、
介護者が
不足しているという
調査結果をまとめたことが
分かりました。
鹿屋市に
ある住宅型有料老人ホーム「
風の
舞」では、ことし
8月から
9月までの
間に、
8人の
介護職員が
全員退職し、
その後、
先月から
今月にかけて
入居していた
高齢者合わせて
6人が
死亡しました。
情報提供を受けた鹿児島県は今月16日に立ち入り検査を行い、運営に問題がなかったか調べていますが、地元の鹿屋市も同じ日に立ち入り調査を行い、入居者への虐待の有無などを調べました。
市によりますと、「介護放棄」などの虐待に当たる行為は認められなかったものの、職員が相次いで退職して以降、夜間は主に施設長1人で対応していたことから、入居者の数に対し、介護者が不足しているという調査結果をまとめたということです。
県は、この結果も踏まえて運営に問題がなかったかどうか判断するということです。
また、地元の老人ホームで作る「肝属老人福祉施設協議会」は、施設を移りたい入居者がいる場合地域内の施設で受け入れに協力することにしています。
入居者の家族「ほかの施設へ」
一方、施設の入居者の家族の中には、今回の問題を受けてほかの施設に移すことを決める家族も出ています。
「風の舞」に80代の義理の母親が入居しているという鹿児島県東串良町の70代の男性は、施設の介護職員が減ったことを受けてほかの老人ホームに移すことを決めています。
男性は「心配です。職員も言っていましたが、介護が手薄になっている感じでした。介護の職員がいなくなれば、健康状態が悪い人にも手が回らなくなるので、職員が減ったことと入居者が亡くなったことには関係があると思います。妻は、義理の母親の部屋が何回も変わったことからおかしいと感じていて、2、3か月前から別の施設に移すことを考えていました」と話していました。
また、90代の母親の様子を見に来たという60代の男性は「ニュースを見てもまさか自分の母親が入居している施設だとは思いませんでした。仕事もあり家で面倒を見るのは難しいので、施設を頼らざるをえませんが、今から様子を見たうえで、問題があるようなら、別の施設に移すことも家族と相談したい」と話していました。