ＪＲじぇいあ-る山手やまて線せんで自動じどう運転うんてんの走行そうこう試験しけん

車両しゃりょうは大崎おおさき駅えきを出発しゅっぱつし、１いち周しゅう34.5キロを２に周しゅうします。

今回こんかいの試験しけんでは運転うんてん士しは立ち会たちあいましたが、出発しゅっぱつの操作そうさのあとは、運転うんてん台だいのレバーに触ふれることなく速度そくどの調整ちょうせいや各駅かくえきの停車ていしゃが自動じどうで行おこなわれました。

そして、適切てきせつな加速かそくや減速げんそくができるかや乗のり心地ごこち、それにダイヤが遅おくれた場合ばあいに回復かいふくできるかなどを確認かくにんしていました。ＪＲ東日本じぇいあ-るひがしにほんは、今回こんかいの走行そうこう試験しけんを通をとおして、まず自動じどう運転うんてんの技術ぎじゅつ的てきな課題かだいを検証けんしょうすることにしています。

ＪＲ東日本じぇいあ-るひがしにほん運輸うんゆ車両しゃりょう部ぶの得とく永えい諭さとし一郎いちろう担当たんとう部長ぶちょうは「運転うんてん士しの運転うんてんに比くらべ余分よぶんな加速かそくや減速げんそくがあり、より滑なめらかな運転うんてんを目指めざす必要ひつようがある。走行そうこう試験しけんの結果けっかを生いかして、なるべく早はやい段階だんかいで自動じどう運転うんてんが実用じつよう化かできるよう取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。

背景はいけいに人手ひとで不足ふそく

ＪＲ東日本じぇいあ-るひがしにほんは将来しょうらい的てきな人手ひとで不足ふそくに備そなえるため、おととしプロジェクトチームを立たち上あげ、運転うんてん士しが乗務じょうむしない自動じどう運転うんてんの導入どうにゅうに向むけた検討けんとうを進すすめています。

社員しゃいんの年齢ねんれい構成こうせいを見みると、去年きょねん４月しがつの時点じてんで旧きゅう国鉄こくてつ時代じだいに採用さいようされた55歳さい以上いじょうが４よん分ぶんの１いち近ちかくを占しめているのに対にたいし、民営みんえい化かの前後ぜんごの時期じきは採用さいようを抑おさえていたため、45歳さいから54歳さいの層そうが１いち割わり程度ていどにとどまっています。

このため、社員しゃいんの多おおい年齢ねんれい層そうが定年ていねんを迎むかえて退職たいしょくしたあと、近ちかい将来しょうらい、運転うんてん士しや車掌しゃしょうなどの不足ふそくが見込みこまれています。

安全あんぜんへの課題かだいは

運転うんてん士しが乗務じょうむしない自動じどう運転うんてんは、神戸こうべ市しの「ポートライナー」や、東京とうきょうの「ゆりかもめ」など、外部がいぶの交通こうつうと交まじわらない高架こうか橋きょうやトンネルでの運転うんてんを前提ぜんていに設計せっけいされた新しん交通こうつうシステムですでに導入どうにゅうされています。

しかし、一般いっぱんの鉄道てつどうでは、線路せんろに踏切ふみきりがあることや、乗客じょうきゃくへの対応たいおうも必要ひつようなことから、自動じどう運転うんてんの導入どうにゅうが難むずかしいとされていて、新あらたに路線ろせんすべてでの高架こうか化かやホームドアの設置せっちなどの対策たいさくが必要ひつようになります。

ＪＲ東日本じぇいあ-るひがしにほんでは、自動じどう運転うんてん導入どうにゅうの具体ぐたい的てきな時期じきや路線ろせんはまだ決きまっていませんが、ほかの路線ろせんからの乗り入のりいれがない山手やまて線せんや、高架こうか化かされた東北とうほく新幹線しんかんせんなどでの導入どうにゅうを検討けんとうしています。

ＪＲ東日本じぇいあ-るひがしにほんの２に０ぜろ２に７なな年ねんまでの中期ちゅうき経営けいえいビジョンでは、緊急きんきゅう時じに備そなえて車掌しゃしょうなどの係員かかりいんだけが乗車じょうしゃすることを想定そうていし、将来しょうらい的てきには乗務じょうむ員いんを完全かんぜんに無人むじん化かすることも検討けんとうしているということです。

ただ、これまで人ひとが判断はんだんしていた車両しゃりょうの異常いじょうな音おとや異臭いしゅうなどをシステムが判断はんだんする必要ひつようもあり、技術ぎじゅつ的てきな課題かだいは多おおく残のこされています。

このほか、駅えきの設備せつびや運行うんこう条件じょうけんのルールの見直みなおしも必要ひつようになることから、国土こくど交通こうつう省しょうは専門せんもん家かや鉄道てつどう各社かくしゃでつくる検討けんとう会かいを設置せっちして、法的ほうてきな課題かだいについても議論ぎろんを進すすめています。