いつもだったら梅雨空が広がっている6月のいま、なぜこんなに、晴れて暑いのでしょうか。
まずは“真夏のような気圧配置”です。 ことしは太平洋高気圧の勢力が強く、平年の同じ時期に比べて北や西に張り出し、真夏のように本州を広く覆っているということです。 上空を流れる偏西風が日本付近で北へ蛇行しているため、高気圧がより張り出しやすい状況となっていて、広い範囲で晴れて日ざしも強まり、気温が上がりやすくなっているとしています。
こちらは27日ごろから勢力が強まっていて、29日の時点では日本付近まで達しているとみられるということです。 地上付近の太平洋高気圧と上空のチベット高気圧。 気象庁はこの2つの高気圧が重なりあうことで、西日本から東北にかけての広い範囲で下層から上層まで暖かい空気に覆われ、気温が上昇したと分析しています。
気温が特に高い関東北部では、山を越えた風がふもとに吹き下ろす際に乾燥して気温が上昇する「フェーン現象」が発生し、風下にあたる群馬県や埼玉県などで気温が上がったと考えられるということです。 また、東京の都心など都市部では、地面や空気の熱を吸収する緑地が少ないことや自動車やエアコンの室外機から排出される空気などによって、気温がより高くなる「ヒートアイランド現象」により、気温が上昇する傾向もあるとしています。
特に、1日ごろまでは猛暑日となるところがある見込みです。 梅雨明け直後で、まだ暑さに慣れていないため、体調を崩しやすい時期です。 大丈夫だと思っても決して無理をせず、水分を補給して冷房を適切に使用するほか、外出はなるべく避けるなどして熱中症への警戒を続けてください。
真夏の気圧配置で気温上昇
“2層の高気圧”でさらに暑く
地形や都市特有の高温も
厳しい暑さ 来月3日ごろまで続く見通し
30日も危険な暑さが続く見込みで外出はなるべく避け、こまめに水分を補給するなど、熱中症に厳重な警戒が必要です。
九州から東北にかけての広い範囲で高気圧に覆われて強い日ざしが照りつけ、各地で29日も気温が上がりました。
群馬県伊勢崎市では最高気温が40度ちょうどと、
今月25日に続いて40度に達したほか、
▽茨城県筑西市で38.4度、
▽鳥取県倉吉市で36.3度などと
関東甲信や中国地方の6か所で観測史上最も高い記録的な暑さとなりました。
このほか、
▽栃木県佐野市で39.6度、
▽群馬県桐生市で39.5度、
▽前橋市で39.4度、
▽埼玉県鳩山町で39.3度、
▽埼玉県熊谷市と山梨県大月市で39.1度、
▽山梨県甲州市勝沼で39度ちょうどなどと
各地で危険な暑さとなりました。
また、
▽名古屋市で37.5度、
▽富山市で37.2度、
▽岡山市で36.5度、
▽福島県相馬市で36.2度、
▽大分県日田市で35.9度、
▽京都市で35.6度、
▽東京の都心で35.4度などと気象庁の151の観測地点で猛暑日となりました。
30日の朝にかけても気温があまり下がらず、関東甲信や近畿、九州では25度以上の熱帯夜が予想されているほか、30日の日中も広く晴れて気温が上がり、危険な暑さが続く見込みです。
30日の最高気温は、
▽埼玉県熊谷市で40度、
▽前橋市で39度、
▽岐阜市、名古屋市、甲府市で38度、
▽京都市、宇都宮市で37度、
▽福岡県久留米市、岡山市、富山市、東京の都心で36度などと予想されています。
また、熱中症警戒アラートも関東甲信から九州南部にかけて発表されています。
夜の時間帯も熱中症の危険性があるため、寝る際は枕元に「常温」の水を置いてこまめに水分を補給するほか、我慢せずにエアコンを使用することが重要です。
梅雨明け直後は多くの人が暑さに慣れていないため、熱中症の危険性が高くなり、病院に運ばれた人の数も急増しています。
ことしもすでに高齢者などが熱中症の疑いで死亡するケースが確認されています。
屋内では適切に冷房を使用するよう、離れて住む家族の方や周囲の人が声をかけるようにしてください。
