新型コロナウイルスに
感染した
患者の
治療薬としての
効果が
期待できるとして、
一部の
国ですでに
投与されている、エイズの
発症を
抑える
抗ウイルス
薬について、
中国の
医師らの
研究グループは「
目立った
効果は
確認できなかった」とする
臨床試験の
結果を
発表しました。エイズの
発症を
抑える
抗ウイルス
薬の「ロピナビル」と「リトナビル」を
配合した
薬は、
新型コロナウイルスに
感染した
患者の
治療薬として
効果が
ある可能性があるとされ、すでに
中国やタイ、
それに日本国内で
複数の
患者に
投与されています。
このうち、中国の医師らの研究グループが行った、この薬の臨床試験の報告が18日付けのアメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表されました。
それによりますと、臨床試験では、新型コロナウイルスに感染し一定の症状がある患者199人のうち、およそ半数に抗ウイルス薬を投与し、どのような経過をたどるか、薬を投与しない患者と比較しました。
その結果、試験開始から28日後の患者の致死率を比較したところ、抗ウイルス薬を投与されたグループではおよそ19.2%だったのに対し、投与されなかったグループでは25%と、薬を投与されたグループが致死率で下回り、集中治療室に滞在した期間も短かったという結果が出たということです。
しかし、症状が改善する経過には大きな違いが見られなかったということで、研究グループは「今回の試験では、抗ウイルス薬の効果を確認できなかった」と結論づけています。
一方、研究グループでは、今後、症状の程度ごとに比較するなど、さらに試験を行って慎重に検証すべきだとしています。