女性への暴力問題に関する国連特別報告者は29日までに、新型コロナウイルスの蔓延で世界各国が外出制限などを打ち出す中で家庭内暴力が増える恐れが非常に強いと警告する声明を発表しました。
警察や電話相談サービスへの初期段階の通報内容を見た限り、その兆候は既に出ているとも指摘しました。
報告者であるドゥブラブカ・シモノビッチ氏は多くの女性や子どもにとって自宅は恐怖や虐待の場となりうると主張しました。感染対策の隔離措置などが進められると共にこのような苦境は一層悪化するとし、親密な間柄のパートナーによる女性の殺害件数が増加する可能性があるとも危惧しました。
感染の広まりに伴い、家事、子どもや高齢者の親族、病気の家族の世話などで女性の負担は増しているとも説明しました。移動の規制、家計の制約や一般的な不安感がさらに事態をこじらせているとし、家庭内暴力の実行者をより大胆にさせかねないことに注意を促しました。