核かく合意ごうい 協議きょうぎ不調ふちょうならイランも離脱りだつ辞じさず 最高さいこう指導しどう者しゃハメネイ師し

これについてイランの最高さいこう指導しどう者しゃハメネイ師しは９きゅう日にち、国民こくみん向むけの演説えんぜつで、「われわれがすべての合意ごうい事項じこうを履行りこうしているにもかかわらず、あの男おとこはそれを認みとめず、離脱りだつした」と述のべて、トランプ大統領だいとうりょうの判断はんだんを強つよく非難ひなんしました。

そのうえで今後こんご、アメリカ抜ぬきで核かく合意ごういにとどまるかについては「ヨーロッパの国くにも信用しんようはできない。国益こくえきが守まもられるという保証ほしょうがなければこのまま進すすむべきではない」と述のべて、アメリカ以外いがいの国くにとの協議きょうぎが不調ふちょうに終おわれば合意ごういからの離脱りだつも辞じさない構かまえを示しめしました。

アメリカ抜ぬきの合意ごういについて、ロウハニ大統領だいとうりょうはすでに各国かっこくと協議きょうぎする考かんがえを表明ひょうめいしていますが、イラン国内こくないでは保守ほしゅ強硬きょうこう派はを中心ちゅうしんに合意ごういにとどまるべきではないという意見いけんも広ひろがっています。

そうしたなか最高さいこう指導しどう者しゃのハメネイ師しが合意ごういからの離脱りだつも辞じさない構かまえを示しめしたことが、今後こんごの議論ぎろんにどのような影響えいきょうを与あたえるのか注目ちゅうもくされます。

仏ふつとイラン首脳しゅのうが電話でんわ会談かいだん“合意ごうい維持いじで一致いっち”

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうがイラン核かく合意ごういからの離脱りだつを表明ひょうめいしたのを受うけて、フランスのマクロン大統領だいとうりょうとイランのロウハニ大統領だいとうりょうは９きゅう日にち、電話でんわで会談かいだんを行おこない、核かく合意ごういの維持いじに向むけて取り組とりくんでいくことで一致いっちしました。

フランス大統領だいとうりょう府ふによりますと、電話でんわ会談かいだんの中なかでマクロン大統領だいとうりょうはロウハニ大統領だいとうりょうに対にたいして、イギリスやドイツとともに核かく合意ごういを引き続ひきつづき履行りこうしていく意向いこうを伝つたえ、イランに対にたいしても核かく合意ごういを守まもるよう強調きょうちょうしました。そのうえで２に人にんは、核かく合意ごういの維持いじに向むけて関係かんけい国こくと協力きょうりょくして取り組とりくんでいくことで一致いっちしたということです。

また、マクロン大統領だいとうりょうは核かく合意ごういの期限きげんが切きれる２に０ぜろ２に５ご年ねん以降いこうやイランが進すすめる弾道だんどうミサイルの開発かいはつなどについて協議きょうぎしたい考かんがえを示しめしたということです。

一方いっぽう、イラン側がわによりますと、ロウハニ大統領だいとうりょうは「イランの国益こくえきが守まもられなければならない」と述のべて、アメリカが経済けいざい制裁せいさいを再開さいかいさせる中なかでも合意ごういで約束やくそくされた経済けいざい的てきな恩恵おんけいを受うけられることが重要じゅうようだという認識にんしきを示しめしました。

フランス、イギリス、ドイツ、そしてイランは１いち４よん日にちにも外相がいしょう会議かいぎを開ひらいて今後こんごの対応たいおうを協議きょうぎすることにしていて、アメリカが離脱りだつを表明ひょうめいしたあとも核かく合意ごういの維持いじに向むけて経済けいざい的てきな連携れんけいを続つづけていけるかが焦点しょうてんとなります。

「核かく合意ごういは維持いじ」ドイツ メルケル首相しゅしょう

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうがイラン核かく合意ごういからの離脱りだつを表明ひょうめいしたことについて、ドイツのメルケル首相しゅしょうは９きゅう日にち、ベルリンで行おこなわれた与党よとうの会議かいぎで遺憾いかんの意いと懸念けねんを示しめしました。

そのうえで「われわれは核かく合意ごういにとどまる。また、イランが、合意ごういした義務ぎむを将来しょうらいも果はたしていくようわれわれはあらゆることをしていく」と述のべて、アメリカが離脱りだつしても核かく合意ごういを維持いじする考かんがえを示しめしました。

メルケル首相しゅしょうは、今月こんげつ１いち８はち日にちにロシア南部なんぶのソチを訪問ほうもんしてプーチン大統領だいとうりょうと会談かいだんする予定よていで、シリアやウクライナ情勢じょうせいに加くわえてイラン核かく合意ごういについても協議きょうぎするものと見みられます。

英えい外相がいしょう「合意ごういに背せを向むけない」

イギリスのジョンソン外相がいしょうは９きゅう日にち、議会ぎかいで演説えんぜつし、「合意ごういが中東ちゅうとう地域ちいきの安定あんていと安全あんぜんのために必要ひつよう不可欠ふかけつなものだという考かんがえになんら変化へんかはなく、われわれは背せを向むけることはない」と述のべました。

そのうえで、「イランが合意ごういの内容ないようを守まもるかぎり、その国民こくみんが経済けいざい制裁せいさいの緩和かんわによる恩恵おんけいをうけられるよう、イギリスはほかの関係かんけい国こくと力ちからを合あわせていくつもりだ」と述のべ、フランスやドイツなどと協力きょうりょくし合意ごういを守まもっていく考かんがえを示しめしました。

中国ちゅうごく「核かく合意ごうい履行りこうへ各国かっこくに呼よびかけ」

中国ちゅうごく外務省がいむしょうの耿爽報道ほうどう官かんは、９きゅう日にちの定例ていれい記者きしゃ会見かいけんで、遺憾いかんだとしたうえで、「核かく合意ごういを維持いじすることは国際こくさい社会しゃかいの核かく不ふ拡散かくさん体制たいせいを守まもり、中東ちゅうとう地域ちいきの平和へいわと安定あんていを促進そくしんすることにつながる。核かく合意ごういを引き続ひきつづき履行りこうする正ただしい道みちに戻もどるよう各国かっこくに呼よびかける」と述のべて、核かく合意ごういを履行りこうすべきだと主張しゅちょうしました。

インド 合意ごうい履行りこうへ建設けんせつ的てきに取り組とりくむべき

インド外務省がいむしょうは声明せいめいを出だし、「インドは、イランの核かく問題もんだいについて対話たいわと外交がいこうで解決かいけつするべきだという立場たちばを常つねに維持いじしてきた。すべての関係かんけい各国かっこくは核かく合意ごういを尊重そんちょうし、問題もんだいの解決かいけつに向むけて建設けんせつ的てきに取り組とりくむべきだ」として、核かく合意ごういを履行りこうするべきだという考かんがえを示しめしました。

インドはイラン産さんの原油げんゆを多おおく輸入ゆにゅうしているほか、イランの港みなとの開発かいはつ事業じぎょうを支援しえんするなど、関係かんけいの強化きょうかに乗り出のりだしていただけに、アメリカの経済けいざい制裁せいさいの再開さいかいによる影響えいきょうを懸念けねんする声こえが強つよまっています。

ＩＡＥＡあいえいい-えい「イランは合意ごうい守まもっている」

ＩＡＥＡあいえいい-えい＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんの天野あまの事務じむ局長きょくちょうが９きゅう日にち、コメントを出だし、「ＩＡＥＡあいえいい-えいは、国連こくれん安保理あんぽりなどの求もとめに応おうじてイランの査察ささつを行おこなっている。イランに対にたいしては世界せかいで最もっとも厳きびしい査察ささつが行おこなわれており、大おおきな成果せいかだ。これまでのところ、イランは合意ごういを守まもっている」などとして、核かく合意ごういの重要じゅうよう性せいを改あらためて強調きょうちょうしました。