岩井さんは15日、NHKの取材に応じて当時の状況について語りました。
岩井さんは「木の上に子グマがいるのを見つけた直後に体長が1メートルほどの親グマが突進してきた。闘うしかないと思って持っていたつえで追い払おうとしたが、何度も向かってきた。もみ合いになり、両手をひっかかれたが、必死に抵抗するうちにクマは逃げていった。大きな事故につながらずほっとしています」と話していました。
クマに襲われたあと、あとから登ってきた山小屋の仲間が岩井さんがケガをしているのを見つけて警察に通報し、岩井さんは病院で手当てを受けましたが、軽傷だったということです。
専門家「クマの出没に備え準備を」
クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介准教授によりますと、クマは、首都圏でも東京の奥多摩や埼玉県の秩父、神奈川の丹沢地域に生息しているということです。
小池准教授は「登山をする際はクマが出没する可能性があると考えて、鈴やラジオを準備して音を鳴らしながら歩くとクマは臆病なので近づいてこない」と準備して山に入ることが大切だと話しています。
そのうえで、「子グマを守ろうと攻撃的になる場合もある」と指摘し、「逃げられない距離でクマと遭遇してしまった場合は、しゃがみ込んで小さくなり両手で動脈が通る首の後ろをおさえてクマが立ち去るのを待ったほうがよい」と話しています。