それによりますと、アレン氏はワシントン州シアトルでがんの合併症により死去したということです。65歳でした。
アレン氏は1975年に友人のビル・ゲイツ氏とともにマイクロソフトを創業し、1983年に病気の治療のために退社してからは投資や慈善活動を続けていました。
また、太平洋戦争で沈没した戦艦「武蔵」を71年ぶりに発見した調査を立ちあげたことでも知られています。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは声明を発表し「ポール・アレン氏によるこの会社とこの業界への貢献はなくてはならないものだった」として追悼の意を表し、アメリカのメディアもアレン氏の功績とともに速報で死去をいっせいに伝えました。
ビル・ゲイツ氏「真のパートナーであり友人」
マイクロソフトをともに創業したビル・ゲイツ氏は「最も古くからの、そして最も親しい友人の1人のポール・アレン氏の死去に接して悲しみに打ちひしがれている。シアトルの中学校時代に出会い、マイクロソフトの創業に至るパートナーシップ、さらに共同の慈善活動を通じて、ポールは真のパートナーであり友人だった。彼がいなければ、パソコンは存在し得なかった」とする声明を発表しました。
さらにゲイツ氏は、「テクノロジーの世界や慈善活動に対するポールの貢献は、今後も生き続ける。彼がいなくなり、本当にさびしくなる」として、長年の友人の死を悼みました。
先月から新たな軍艦探す調査開始
アレン氏が率いる調査チームは、先月から、マリアナ諸島の西側のフィリピン海で、旧日本海軍の沈没した軍艦を探すプロジェクトに乗り出したところでした。
NHKは、実際に見つかるまでは探している船の名前や種類を明らかにしないことを条件に、世界で初めてアレン氏が所有する調査船への乗船が許可され、先月、グアムの港から調査に向かう船の内部を取材しました。
アレン氏の調査チームは、3年前、フィリピン沖の水深1200メートルの海底で、旧日本海軍の、世界最大の戦艦「武蔵」を発見しています。
さらに去年には、広島に投下された原子爆弾の部品を運んだアメリカ海軍の巡洋艦、「インディアナポリス」もフィリピン沖の海底で発見しているだけに、今回の調査にも期待が高まっていました。