Actualités japonaises: TICAD きょう横浜で開幕石破首相新経済圏構想打ち出す方針

TICAD（ティカッド）＝アフリカ開発かいはつ会議かいぎが20日はつか、横浜よこはま市しで開幕かいまくします。石破いしば総理そうり大臣だいじんはインドから中東ちゅうとう、アフリカにかけての一帯いったいを新あらたな経済けいざい圏けんと位置いちづける構想こうそうを打うち出だすとともに各国かっこくの首脳しゅのうらと個別こべつに会談かいだんを重かさね、関係かんけい強化きょうかを図はかりたい考かんがえです。

日本にっぽん政府せいふが主導しゅどうする国際こくさい会議かいぎ、TICADは20日はつかから3日間みっかかん、横浜よこはま市しで開ひらかれ、石破いしば総理そうり大臣だいじんとアフリカ各国かっこくの首脳しゅのうらが出席しゅっせきします。

石破いしば総理そうり大臣だいじんは19日じゅうくにち「アフリカの人的じんてき資源しげん、物的ぶってき資源しげんを日本にっぽんの成長せいちょうと世界せかいの繁栄はんえいにどうつなげていくか、日本にっぽんとアフリカの両方りょうほうの利益りえきとなるよう議論ぎろんしたい」と述のべました。

会議かいぎの中なかで石破いしば総理そうり大臣だいじんはインドから中東ちゅうとう、アフリカにかけての一帯いったいを新あらたな経済けいざい圏けんと位置いちづける構想こうそう「インド洋よう・アフリカ経済けいざい圏けんイニシアティブ」を打うち出だす方針ほうしんです。

また、東京とうきょう大学だいがく大学院だいがくいんの研究けんきゅう室しつやJICA＝国際こくさい協力きょうりょく機構きこう、それに">それにアフリカの大学だいがくと連携れんけいし、今後こんご3年間">年間さんねんかんにAIの分野ぶんやで3万さんまん人にんの人材じんざいを育成いくせいする考かんがえを表明ひょうめいする見通みとおしです。

会議かいぎでは「平和へいわと安定あんてい」や「経済けいざい」に加くわえ、「社会しゃかい」をテーマに討議とうぎを行おこない、最終さいしゅう日びには成果せいかを盛もり込こんだ「横浜よこはま宣言せんげん」を採択さいたくし、石破いしば総理そうり大臣だいじんらが共同きょうどう記者きしゃ会見かいけんを行おこなう予定よていです。

一方いっぽう、石破いしば総理そうり大臣だいじんは期間きかん中ちゅう、30さんじゅっか国かこく以上いじょうの首脳しゅのうらと個別こべつに会談かいだんを重かさねる予定よていで、中国ちゅうごくやロシアなどがアフリカとの結むすび付つきを強つよめていることも念頭ねんとうに、透明とうめい性せいのある開発かいはつ協力きょうりょくなどを通とおじて関係かんけい強化きょうかを図はかりたい考かんがえです。

TICADとは

TICAD＝アフリカ開発かいはつ会議かいぎは、1993年せんきゅうひゃくきゅうじゅうさんねんから日本にっぽん政府せいふが主導しゅどうして開ひらいてきた国際こくさい会議かいぎです。

現在げんざいは3年さんねんに一度いちど開ひらかれていて、アフリカ各国かっこくの首脳しゅのうや国際こくさい機関きかん、それに企業きぎょうなどの関係かんけい者しゃが、日本にっぽんとの経済けいざい協力きょうりょくや開発かいはつ援助えんじょ、それにアフリカが抱かかえる課題かだいなどについて、広ひろく議論ぎろんする場ばとなっています。

TICADは当初とうしょ、先進せんしん国こくによる大だい規模きぼな援助えんじょが冷戦れいせんの終結しゅうけつによって縮小しゅくしょうする中なか、日本にっぽんがアフリカとの連携れんけいを強化きょうかしようと開発かいはつ援助えんじょに重点じゅうてんを置おいて始はじまりました。

その後ご、天然てんねん資源しげんの価格かかく高騰こうとうなどによってアフリカ各国かっこくが経済けいざい発展はってんを遂とげると、テーマは「援助えんじょから投資とうしへ」と変化へんかし、アフリカを投資とうし先さきと位置いちづけて民間みんかん企業きぎょうによるビジネスチャンスの拡大かくだいが注目ちゅうもくされるようになります。

こうした中なか、アフリカの成長せいちょうを取とり込こもうと、中国ちゅうごくや韓国かんこく、それにインドネシアやサウジアラビアなども相次あいついでアフリカとの国際こくさい会議かいぎを開ひらくようになりました。

このうち中国ちゅうごくは、2000年にせんねんから中国ちゅうごく版ばんTICADとも言いわれる「中国ちゅうごくアフリカ協力きょうりょくフォーラム」を3年さんねんごとに開催かいさいし、インフラ建設けんせつや巨額きょがくの融資ゆうしを続つづけて結むすび付つきを強つよめてきました。

またロシアも、アフリカとの経済けいざい会議かいぎを2019年にせんじゅうきゅうねんから開催かいさいし存在そんざい感かんを高たかめようとしていて、特とくに2022年にせんにじゅうにねんに始はじまったウクライナ侵攻しんこう以降いこう、欧米おうべいとの対立たいりつが強つよまる中なかで、よりアフリカとの関係かんけいを重視じゅうししています。

一方いっぽう、アメリカはことし1月いちがつにトランプ大統領だいとうりょうが就任しゅうにんして以降いこう、対外たいがい援助えんじょを大幅おおはばに削減さくげんし、援助えんじょに頼たよってきた現場げんばでは資金しきん難なんのため、さまざまな活動かつどうが停止ていしする事態じたいにもなっています。

中国ちゅうごくやロシアなどがアフリカとの結むすび付つきを強つよめる中なか、日本にっぽんとしては9回きゅうかい目めとなる今回こんかいのTICADで官民かんみんの連携れんけいを深ふかめ、日本にっぽん企業きぎょうによる投資とうしの促進そくしんやアフリカとの一層いっそうの関係かんけい強化きょうかにつなげられるかが問とわれることになります。

アフリカの経済けいざい成長せいちょう

アフリカでは天然てんねん資源しげんの需要じゅようの高たかまりや、人口じんこうが急増きゅうぞうする中なかでの消費しょうひ市場しじょうの拡大かくだいなどにより、経済けいざい成長せいちょうが進すすんでいます。

世界せかい銀行ぎんこうによりますと、サハラ砂漠さばく以南いなんのアフリカで、去年きょねん、1人ひとり当あたりのGDP＝国内こくない総そう生産せいさんはおよそ1500せんごひゃくドルで、TICADが始はじまった30年さんじゅうねんほど前まえと比くらべると、およそ2。

3倍にいてんさんばいになっています。

また国連こくれんは、ことし1月いちがつの報告ほうこく書しょの中なかでアフリカ全体ぜんたいの経済けいざい成長せいちょう率りつは去年きょねんが3。

4％さんてんよんパーセント、ことしが3。7％さんてんななパーセントで来年らいねんには4％よんパーセントに拡大かくだいすると予測よそくしました。

世界せかい全体ぜんたいのことしの成長せいちょう率りつは2。

8％にてんはちパーセントにとどまると予測よそくされているため、アフリカは世界せかいの成長せいちょう率りつを上回うわまわる見込みこみです。

さらに、ことしの国くに別べつの成長せいちょう率りつ予測よそくをみると、

▽モーリタニアが9。

5％きゅうてんごパーセントで世界せかい2位にい

▽リビアが8。

6％はってんろくパーセントで3位さんい

▽セネガルが7。

9％ななてんきゅうパーセントで4位よんい

▽ルワンダが7。

5％ななてんごパーセントで5位ごいと、上位じょういをアフリカの国々くにぐにが占しめています。

一方いっぽう、アフリカでは干かんばつなどの気候きこう変動へんどうによるリスクや、高たかい失業しつぎょう率りつ、貧困ひんこん率りつの上昇じょうしょう、インフレなどが問題もんだいになっていて、さらなる経済けいざい成長せいちょうのためにはこうした課題かだいの改善かいぜんが重要じゅうようになっています。

先進せんしん国こくの援助えんじょも減少げんしょう傾向けいこうに

アフリカへの資金しきんの投入とうにゅうをめぐっては、中国ちゅうごくが2000年にせんねんからアフリカ諸国しょこくと定期ていき的てきに「中国ちゅうごくアフリカ協力きょうりょくフォーラム」を開ひらき、巨大きょだい経済けいざい圏けん構想こうそう「一帯いったい一路いちろ」のもとインフラ建設けんせつや巨額きょがくの融資ゆうしを通とおじて影響えいきょう力りょくを拡大かくだいしてきました。

ただ、アメリカ・ボストン大学だいがくのグローバル開発かいはつ政策せいさくセンターのまとめによりますと、中国ちゅうごく経済けいざいの減速げんそくなどを背景はいけいにピークの2016年にせんじゅうろくねんにおよそ288億にひゃくはちじゅうはちおく2000万にせんまんドルだった融資ゆうし額がくは、おととし、およそ6分ろくぶんの1いちの46億よんじゅうろくおくドル余あまりまで減少げんしょうしています。

一方いっぽう、先進せんしん国こくによるアフリカへの援助えんじょも減少げんしょう傾向けいこうにあります。

アメリカはトランプ政権せいけんのもと、対外たいがい援助えんじょを管轄かんかつするUSAID＝アメリカ国際こくさい開発かいはつ庁ちょうの事業じぎょうが停止ていしされ、支援しえんに大おおきな影響えいきょうが出でると指摘してきされています。

日本にっぽんでも、今年度こんねんどのODA＝政府せいふ開発かいはつ援助えんじょの予算よさんは5664億ごせんろっぴゃくろくじゅうよんおく円えんと、最もっとも多おおかった1997年度せんきゅうひゃくきゅうじゅうしちねんどのおよそ半分はんぶんです。

こうした中なか、増ふえ続つづけているのが民間みんかんによる投資とうしです。

海外かいがいからアフリカ全体ぜんたいへの直接ちょくせつ投資とうしは増加ぞうか傾向けいこうにあり、国連こくれん貿易ぼうえき開発かいはつ会議かいぎによりますと、去年きょねんはおよそ970億きゅうひゃくななじゅうおくドル、日本にっぽん円えんで14兆じゅうよんちょう円えん余あまりだったということです。

JETRO＝日本にっぽん貿易ぼうえき振興しんこう機構きこうは「人口じんこう増加ぞうかや経済けいざい成長せいちょう、豊富ほうふな資源しげんなどが見込みこまれるアフリカとの経済けいざい面めんでの連携れんけいは、日本にっぽん企業きぎょうにとってますます重要じゅうようになっている。

アフリカにとっても、援助えんじょ額がくが少すくなくなる中なかで、公衆こうしゅう衛生えいせいや環境かんきょう問題もんだい、教育きょういくや人材じんざい育成いくせいなど、アフリカが抱かかえる重要じゅうような社会しゃかい課題かだいの解決かいけつに資しする民間みんかん投資とうしやスタートアップの展開てんかいは重要じゅうようだ」とコメントしています。