日本新聞: 大川原化工機冤罪事件遺族に警視庁と検察庁の幹部直接謝罪

大川原おおかわら化工かこう機き冤罪えんざい事件じけん遺族いぞくに警視庁けいしちょうと検察庁けんさつちょうの幹部かんぶ直接ちょくせつ謝罪しゃざい

N1 Aug 25, 2025 11:08 14

Furigana 翻译

横浜よこはま市しの「大川原おおかわら化工かこう機き」をめぐる冤罪えんざい事件じけんで、勾留こうりゅう中ちゅうにがんが見みつかり、無実むじつが明あきらかになる前まえに亡なくなった元もと顧問こもんの遺族いぞくに対たいし、警視庁けいしちょうと検察けんさつの幹部かんぶが25日にじゅうごにち、直接ちょくせつ謝罪しゃざいしました。

横浜よこはま市しの「大川原おおかわら化工かこう機き」の社長しゃちょうなど3人さんにんが逮捕たいほされ、その後ご、無実むじつが明あきらかになった冤罪えんざい事件じけんで、元もと顧問こもんの相嶋あいじま静夫しずおさんは勾留こうりゅう中ちゅうにがんが見みつかりましたが保釈ほしゃくが認みとめられず、72歳ななじゅうにさいで亡なくなりました。

25日にじゅうごにちは▽警視庁けいしちょうの鎌田かまた徹郎てつお副ふく総監そうかんと▽東京とうきょう地方ちほう検察庁けんさつちょうの市川いちかわ宏ひろし次席じせき検事けんじ、それに▽最高さいこう検察庁けんさつちょうの小池こいけ隆たかし公安こうあん部長ぶちょうが横浜よこはま市内しないにある相嶋あいじまさんの墓はかを訪おとずれ、遺族いぞくが見守みまもる中なか、手てを合あわせて頭あたまを下さげました。

相嶋あいじまさんの妻つまは、保釈ほしゃく請求せいきゅうが認みとめられない中なかで東京とうきょう拘置こうち所しょの所長しょちょうに宛あてて治療ちりょうを受うけられるよう求もとめた手紙てがみを読み上よみあげ、「命いのちだけは助たすけて下ください」などと伝つたえていたと幹部かんぶらに訴うったえました。

このあと3人さんにんは相嶋あいじまさんの妻つまや長男ちょうなん、次男じなんに対たいして深ふかく頭あたまを下さげ、違法いほうな逮捕たいほや起訴きそについて「深ふかくおわび申し上もうしあげます。

誠まことに申し訳もうしわけありませんでした」と謝罪しゃざいしました。

これに対たいして相嶋あいじまさんの妻つまは、「謝罪しゃざいは受うけ入いれますが決けっして許ゆるすことができません。

夫おっとは面会めんかいが許ゆるされたときに『何なにも悪わるいことをしてないのに何なんでこんな目めに遭あうのだろう』と激怒げきどしていました」と述のべました。

そのうえで遺族いぞくは、今月こんげつ7日なのかに警視庁けいしちょうや最高さいこう検察庁けんさつちょうが公表こうひょうした検証けんしょう結果けっかは原因げんいんの追及ついきゅうが不十分ふじゅうぶんで、警察官けいさつかんや検察官けんさつかんの処分しょぶんも甘あまく受うけ入いれられないとして、再さい検討けんとうするよう求もとめました。

警視庁けいしちょうと検察けんさつの幹部かんぶは25日にじゅうごにち午前ごぜん、相嶋あいじまさんの墓はかを訪おとずれ、遺族いぞくが見守みまもる中なか、手てを合あわせて頭あたまを下さげました。

墓前ぼぜんでは相嶋あいじまさんの妻つまが相嶋あいじまさんががんと診断しんだんされたあとに拘置こうち所しょの所長しょちょう宛あてに書かいた手紙てがみを読み上よみあげました。

手紙てがみでは「夫おっとは拘置こうち所しょのなかでは日々ひび衰弱すいじゃくし、強度きょうどの貧血ひんけつを起おこし顔面がんめん蒼白そうはく、立たつこともできない状況じょうきょうです。

家族かぞく一同いちどう、心配しんぱいのあまり夜よるも眠ねむることができません。このまま夫おっとは見殺みごろしにされてしまうのかといてもたってもいられず気きが狂くるいそうです」と状況じょうきょうを訴うったえた上うえで、「拘置こうち所しょの中なかで検査けんさ、治療ちりょうを受うけさせて下ください。外部がいぶの病院びょういんに行いけるようお願おねがいします。命いのちだけは助たすけて下ください。家族かぞく一同いちどう切せつにお願おねがい致いたします。どうか、どうか助たすけて下ください」などと適切てきせつな治療ちりょうを受うけられる機会きかいを求もとめていました。

読み上よみあげたあと、相嶋あいじまさんの妻つまから「自分じぶんがこのような立場たちばにたったらどうするか」などと問とわれると、東京とうきょう地検ちけんの市川いちかわ　宏次こうじ席せき検事けんじは（いちかわ・ひろし）「ご家族かぞくの気持きもちを考かんがえ、また、自分じぶんの身みに置き換おきかえて考かんがえますと、どれほどご心痛しんつうであったか言葉ことばもございません。