日本新闻: 「生死を分けた」新型コロナ元患者が語る厳しい搬送体制の現状

「生死せいしを分わけた」新型しんがたコロナ元もと患者かんじゃが語かたる厳きびしい搬送はんそう体制たいせいの現状げんじょう

May 1, 2020 16:05

Furigana

新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし一いち時じ、人工じんこう呼吸こきゅう器きを着つけるなど重症じゅうしょうだった60代だいの男性だんせいがＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいに応おうじました。男性だんせいは当初とうしょ軽症けいしょうと診断しんだんされ、自宅じたくで療養りょうようしていましたが、症状しょうじょうが悪化あっかして入院にゅういん先さきが決きまった後のちも保健所ほけんじょが車くるまの手配てはいができず、運転うんてんに不慣ふなれな家族かぞくの車くるまで病院びょういんに到着とうちゃくしたということで「症状しょうじょうが悪化あっかしたらすぐに医療いりょう機関きかんに行いけるようにしてほしい」と訴うったえました。ＮＨＫえぬえいちけいの電話でんわ取材しゅざいに応おうじたのは千葉ちば県けん北西ほくせい部ぶに住すむ60代だいの男性だんせいです。男性だんせいは先月せんげつ上旬じょうじゅんから発熱はつねつが続つづき新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが確認かくにんされました。

軽症けいしょうと診断しんだんされましたがその後そのご、息苦いきぐるしさが増ましたため何なん度ども保健所ほけんじょに電話でんわをし、検査けんさ結果けっかが出でて３さん日にち目めに入院にゅういんする病院びょういんが決きまりました。

受け入うけいれ先さきは自宅じたくからおよそ100キロ離はなれた病院びょういんでしたが

▼保健所ほけんじょはその日ひは車くるまを準備じゅんびできずまた地元じもとの消防しょうぼうでは

▼保健所ほけんじょから救急きゅうきゅう車しゃでの搬送はんそうの打診だしんを受うけたものの遠方えんぽうへ重症じゅうしょう患者かんじゃを運はこぶには医師いしの同乗どうじょうが必要ひつようだと回答かいとうし、調整ちょうせいがつかなかったということです。

そこで男性だんせいはふだんほとんど運転うんてんしない妻つまの車くるまで病院びょういんに向むかい、５ご時間じかん後ごに到着とうちゃくしましたが、呼吸こきゅう状態じょうたいが悪化あっかしていてすぐに集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに運はこばれ、翌日よくじつ、人工じんこう呼吸こきゅう器きを着つけました。

当時とうじの状況じょうきょうについて男性だんせいは「万が一まんがいちの時ときは延命えんめい治療ちりょうをするかどうか聞きかれたが、それどころではなくて、お任まかせしますとしか言いえませんでした。息いきができなくなるような苦くるしさが２に日にちほど続つづいて、あの時ときは本当ほんとうに死しを意識いしきしました」と話はなしていました。

男性だんせいはその後そのご回復かいふくし今週こんしゅう、退院たいいんしました。

千葉ちば県内けんないでは今いまもおよそ240人にんが入院にゅういん調整ちょうせい中ちゅうとなっていますが、男性だんせいは「搬送はんそう体制たいせいが厳きびしいので、きょう病院びょういんに行いきたいなら自力じりきで行おこなってくれと言いわれました。しかたなく妻つまに頼たのんで車くるまで行いきましたが、それが生死せいしを分わけたと言いえるかもしれません。医師いしからも、あと１いち日にち入院にゅういんが遅おくれたら厳きびしかったと言いわれました。症状しょうじょうが悪化あっかしたらすぐに医療いりょう機関きかんに行いけるような体制たいせいにしてもらいたいです」と話はなしていました。