日本新聞: 両陛下皇居外で最後の公務「みどりの学術賞」授賞式に

両りょう陛下へいか皇居こうきょ外がいで最後さいごの公務こうむ「みどりの学術がくじゅつ賞しょう」授賞じゅしょう式しきに

Apr 26, 2019 12:04

Furigana

今月こんげつ30日にちに退位たいいする天皇てんのう陛下へいかは、26日にち都内とないで皇后こうごうさまとともに、植物しょくぶつや自然しぜん保護ほごの研究けんきゅうで功績こうせきがあった人ひとに贈おくられる「みどりの学術がくじゅつ賞しょう」の授賞じゅしょう式しきに臨のぞまれました。天皇てんのう陛下へいかの退位たいいを前まえに、天皇てんのう皇后こうごうとして皇居こうきょの外そとでの最後さいごの公務こうむとなりました。天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかは午前ごぜん10時じすぎに車くるまで皇居こうきょを出発しゅっぱつし、門もんの前まえに集あつまった人ひとたちに笑顔えがおで手てを振ふってこたえられました。

そして東京とうきょう千代田ちよだ区くの憲政けんせい記念きねん館かんに到着とうちゃくし、関係かんけい者しゃの出迎でむかえを受うけられました。

「みどりの学術がくじゅつ賞しょう」は、５月ごがつ４よん日にちの「みどりの日みどりのひ」を前まえに植物しょくぶつや自然しぜん保護ほごの研究けんきゅうで功績こうせきがあった人ひとを総理そうり大臣だいじんが表彰ひょうしょうするもので、両りょう陛下へいかは、平成へいせい19年ねんの第だい１いち回かいの授賞じゅしょう式しきからほぼ毎年まいとし、出席しゅっせきされてきました。

ことしの受賞じゅしょう者しゃは、屋上おくじょうや埋め立うめたて地ちなどの環境かんきょうで植物しょくぶつが育そだつ地盤じばんの条件じょうけんを解明かいめいし、緑化りょくか技術ぎじゅつを確立かくりつした都市とし緑化りょくか機構きこうの輿水こしみず肇はじめ理事りじ長ちょう（74）と、イネの遺伝子いでんし情報じょうほうから穂ほが実みのる時期じきのメカニズムを解析かいせきし、品種ひんしゅ改良かいりょうなどに貢献こうけんした農のう研けん機構きこう＝農業のうぎょう・食品しょくひん産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究けんきゅう機構きこうの矢野やの昌裕まさひろ本部ほんぶ総括そうかつ調整ちょうせい役やく（62）の２に人にんです。

２に人にんには菅かん官房かんぼう長官ちょうかんから賞状しょうじょうが手渡てわたされ、両りょう陛下へいかは拍手はくしゅを送おくられていました。

授賞じゅしょう式しきでは、地域ちいきの緑化りょくか推進すいしん活動かつどうに貢献こうけんした個人こじんと団体だんたいも表彰ひょうしょうされ、両りょう陛下へいかは受賞じゅしょう者しゃが紹介しょうかいされると一いち人にん一いち人にんに会釈えしゃくをされていました。

このあと両りょう陛下へいかはレセプションに出席しゅっせきして受賞じゅしょう者しゃらと親したしくことばを交かわし会場かいじょうをあとにされました。

天皇てんのう陛下へいかは即位そくい以来いらい、皇后こうごうさまとともに式典しきてんへの出席しゅっせきや被災ひさい地ちのお見舞みまいなど、数多かずおおくの公務こうむに臨のぞまれてきましたが、これが天皇てんのう皇后こうごうとして皇居こうきょの外そとでの最後さいごの公務こうむとなりました。

受賞じゅしょう者しゃは

受賞じゅしょう者しゃの輿水こしみず肇はじめさんは「天皇てんのう陛下へいかからは、研究けんきゅう内容ないようについて専門せんもん的てきな質問しつもんを数多かずおおく受うけ、知識ちしきの深ふかさに驚おどろきました。『これからみどりのよい時代じだいになるといいですね』と声こえをかけられ、時代じだいの節目ふしめに思おもいをはせていらっしゃるように感かんじられました。最後さいごの皇居こうきょ外がいでの公務こうむという貴重きちょうなタイミングでお話おはなしできたことを一生いっしょう忘わすれません」と話はなしていました。

また、矢野やの昌裕まさひろさんは「両りょう陛下へいかからは『今後こんごもこのような仕事しごとを世の中よのなかの役に立やくにたつ形かたちで発展はってんさせてください』とねぎらいのことばをかけていただきました。両りょう陛下へいかとも、とても近ちかい距離きょりでお話おはなしくださり、これまでのご公務こうむでも心遣こころづかいをされてきたことが感かんじられ感動かんどうしました」と話はなしていました。