両りょう陛下へいか 天皇てんのう皇后こうごうとして初はつの地方ちほう訪問ほうもん きょうから愛知あいち県けんへ

続つづいて、あま市しを訪おとずれ、特産とくさんの七宝焼しっぽうやきを紹介しょうかいする施設しせつで、作品さくひんをご覧ごらんになったり、作品さくひん作づくりを体験たいけんする地元じもとの小学生しょうがくせいたちと触れ合ふれあわれたりします。

夕方ゆうがたからは宿泊しゅくはく先さきのホテルで、全国ぜんこく植樹しょくじゅ祭さいの関連かんれん行事ぎょうじに臨のぞまれます。

２に日にち目めの２に日にちは、尾張旭おわりあさひ市しの愛知あいち県けん森林しんりん公園こうえんで70回かい目めを迎むかえた植樹しょくじゅ祭さいの式典しきてんに出席しゅっせきされ、天皇てんのう陛下へいかがおことばを述のべられます。

そして、お二に人にんで記念きねんの植樹しょくじゅに臨のぞみ、スギやシデコブシなどの苗木なえぎを植うえられることになっています。

このあと、岡崎おかざき市しにある障害しょうがいのある人ひとたちの治療ちりょうや生活せいかつ支援しえんを行おこなう施設しせつも訪おとずれ、特別とくべつ機きで帰京ききょうされることになっています。

両りょう陛下へいかにとって、今回こんかいが天皇てんのう皇后こうごうとして初はじめての地方ちほう訪問ほうもんとなり、

各地かくちで地元じもとの人ひとたちと交流こうりゅうされます。

植樹しょくじゅ祭さい 上皇じょうこうさまと同おなじ形かたちで行事ぎょうじに臨のぞむことに

「全国ぜんこく植樹しょくじゅ祭さい」は、戦後せんごの荒廃こうはいした国土こくどの復興ふっこうを目指めざし、昭和しょうわ25年ねん、山梨やまなし県けんで最初さいしょの大会たいかいが開ひらかれました。

緑みどり豊ゆたかな国くにづくりを願ねがった昭和しょうわ天皇てんのうは、昭和しょうわ62年ねんの38回かい目めまで、各かく都道とどう府県ふけんの持ち回もちまわりで行おこなわれる大会たいかいに出席しゅっせきし続つづけました。

あとを継ついだのが上皇じょうこうさまで、上うえ皇后こうごうさまとともに毎年まいとし、植樹しょくじゅ祭さいに出席しゅっせきし、森林しんりんの大切たいせつさについて人々ひとびとの理解りかいが深ふかまることを願ねがわれました。

そして、先月せんげつ１いち日にちの皇位こうい継承けいしょうに伴ともなって、天皇てんのう陛下へいかが植樹しょくじゅ祭さいの出席しゅっせきを受け継うけつがれました。

天皇てんのう陛下へいかは、上皇じょうこうさまと同おなじ形かたちで行事ぎょうじに臨のぞむことになっていて、大会たいかい当日とうじつの式典しきてんのほか、前日ぜんじつには大会たいかい関係かんけい者しゃらのレセプションに出席しゅっせきし、国土こくど緑化りょくか運動うんどう・育いく樹じゅ運動うんどうのポスター原画げんがコンクールなどで入賞にゅうしょうした作品さくひんをご覧ごらんになります。

平成へいせい21年ねん以降いこう、上皇じょうこうさまの負担ふたん軽減けいげんのため、植樹しょくじゅ祭さいの式典しきてんでのおことばは取とりやめられていましたが、主催しゅさいする愛知あいち県けんからの要望ようぼうを受うけ、天皇てんのう陛下へいかは今回こんかい、式典しきてんでおことばを述のべられます。

天皇てんのう陛下へいか 上皇じょうこうさまの思おもい受け継うけつぐ考かんがえを明確めいかくに

天皇てんのう陛下へいかはこれまで、上皇じょうこうさまと同おなじように、各地かくちへの訪問ほうもんなどを通をつうじて多おおくの国民こくみんと接せっすることが大切たいせつだという考かんがえを表あらわされています。

退位たいいした上皇じょうこうさまは、全国ぜんこく各地かくちに足あしを運はこんで国民こくみんと直接ちょくせつ触れ合ふれあうことを大切たいせつにし、在位ざいい中ちゅう、上うえ皇后こうごうさまとともに、全国ぜんこく47すべての都道とどう府県ふけんを二に巡じゅんされました。

上皇じょうこうさまは３さん年ねん前まえのビデオメッセージで「私わたしはこれまで天皇てんのうの務つとめとして、何なによりもまず国民こくみんの安寧あんねいと幸しあわせを祈いのることを大切たいせつに考かんがえて来きましたが、同時どうじに事ことにあたっては、時ときとして人々ひとびとの傍かたわらに立たち、その声こえに耳みみを傾かたむけ、思おもいに寄り添よりそうことも大切たいせつなことと考かんがえて来きました」と述のべ、象徴しょうちょうの務つとめを果はたすうえで、一貫いっかんして大切たいせつにしてきた考かんがえを表あらわされました。

天皇てんのう陛下へいかは、こうした上皇じょうこうさまの思おもいを受け継うけつぐ考かんがえを明確めいかくに示しめされています。

おととしの誕生たんじょう日びにあたっての記者きしゃ会見かいけんでは、上皇じょうこうさまのビデオメッセージを振り返ふりかえったうえで「ふだんの公務こうむなどでも国民こくみんの皆みなさんとお話おはなしをする機会きかいが折々おりおりにありますが、そうした機会きかいを通つうじ、直接ちょくせつ国民こくみんと接せっすることの大切たいせつさを実感じっかんしております」と話はなされました。

そして「両りょう陛下へいかがまさになさっておられるように、国民こくみんに常つねに寄り添よりそい、人々ひとびとと共とともに喜よろこび、共ともに悲かなしむ、ということを続つづけていきたい」と述のべられました。

また、即位そくいを前まえにしたことし２月にがつの記者きしゃ会見かいけんでは、ご自身じしんの地方ちほう訪問ほうもんを振り返ふりかえり「国民こくみんの中なかに入はいり、国民こくみんに少すこしでも寄り添よりそうことを目指めざし、行いく先々さきざきでは多おおくの方々かたがたのお話おはなしを聴きき、皆みなさんの置おかれている状況じょうきょうや関心かんしん、皇室こうしつが国民こくみんのために何なにをすべきかなどについて的確てきかくに感じ取かんじとれるように、国民こくみんと接せっする機会きかいを広ひろく持もつよう心掛こころがけてまいりました」と話はなされました。

そのうえで「こうしたことは、今後こんごとも自分じぶんの活動かつどうの大おおきな柱はしらとして大切たいせつにしていきたいと思おもいます」と述のべられています。

雅子まさこさま体調たいちょうを整ととのえながら務つとめを着実ちゃくじつに

天皇てんのう陛下へいかの即位そくいに伴ともなって皇后こうごうとなった雅子まさこさまは、この１いちか月かげつ間かん、体調たいちょうを整ととのえながら一ひとつ一ひとつの務つとめを着実ちゃくじつに果はたされています。

皇后こうごうさまは療養りょうよう生活せいかつに入はいって15年ねん余あまりになりますが、努力どりょくと工夫くふうを重かさねて体調たいちょうを整ととのえ、天皇てんのう陛下へいかの即位そくいに伴ともなって先月せんげつ上旬じょうじゅんに行おこなわれた一連いちれんの儀式ぎしきや行事ぎょうじには欠席けっせきすることなく臨のぞまれました。

また、上うえ皇后こうごうさまから日本にっぽん赤十字せきじゅうじ社しゃの名誉めいよ総裁そうさいを受け継うけつぎ、先月せんげつ22日にちには日本にっぽん赤十字せきじゅうじ社しゃの全国ぜんこく大会たいかいに出席しゅっせきされました。

天皇てんのう陛下へいかの即位そくい後ごに皇后こうごうさまがお一いち人にんで公務こうむに臨のぞまれたのはこれが初はじめてでした。

先月せんげつ27日にちには、天皇てんのう陛下へいかとともに、国賓こくひんとして来日らいにちしたアメリカのトランプ大統領だいとうりょう夫妻ふさいを歓迎かんげいする行事ぎょうじに臨のぞまれました。

アメリカのハーバード大学だいがくを卒業そつぎょう後ご、外交がいこう官かんとして第一線だいいっせんで活躍かつやくしていた皇后こうごうさまは、通訳つうやくを介かいさずに大統領だいとうりょう夫妻ふさいと親したしくことばを交かわされました。

そして、この日ひの夜よるには、皇后こうごうさまは16年ねんぶりに宮中きゅうちゅう晩ばんさん会かいのすべての行事ぎょうじに臨のぞまれました。

天皇てんのう陛下へいか即位そくいからの１いちか月かげつ

天皇てんのう陛下へいかの即位そくいから１いち日にちで１いちか月かげつとなりますが、天皇てんのう陛下へいかは、上皇じょうこうさまの築きずかれた象徴しょうちょう天皇てんのう像ぞうを念頭ねんとうに務つとめを果はたしながら、新あたらしい時代じだいの天皇てんのう像ぞうの模索もさくも始はじめられています。

先月せんげつ１いち日にち、新あらたに即位そくいした天皇てんのう陛下へいかは「即位そくいの礼れい」の儀式ぎしきに臨のぞまれました。

即位そくい後ご初はじめて国民こくみんを代表だいひょうする人々ひとびとと会あう「即位そくい後ご朝見ちょうけんの儀ぎ（そくいご ちょうけんのぎ）」では、三権さんけんの長ちょうや閣僚かくりょう、地方ちほう自治体じちたいの代表だいひょうなどを前まえに、天皇てんのうとして初はじめてとなるおことばを述のべられました。

天皇てんのう陛下へいかは「上皇じょうこう陛下へいかがお示しめしになった象徴しょうちょうとしてのお姿すがたに心こころからの敬意けいいと感謝かんしゃを申し上もうしあげます」としたうえで「皇位こういを継承けいしょうするにあたり、上皇じょうこう陛下へいかのこれまでの歩あゆみに深ふかく思おもいを致いたし、また、歴代れきだいの天皇てんのうのなさりようを心こころにとどめ、自己じこの研けんさんに励はげむ」と述のべ、上皇じょうこうさまが築きずかれた象徴しょうちょう天皇てんのう像ぞうを継承けいしょうする姿勢しせいを示しめされました。

同時どうじに、かつての上皇じょうこうさまのおことばより平易へいいなことばを使つかわれました。

例たとえば、30年ねん前まえの同おなじ儀式ぎしきで上皇じょうこうさまが「身みに負おった大任たいにんを思おもい、心こころおのずから粛然しゅくぜんたるを覚おぼえます」と述のべられたのに対にたいし、天皇てんのう陛下へいかは「この身みに負おった重責じゅうせきを思おもうと粛然しゅくぜんたる思おもいがします」と述のべられました。

この３さん日にち後ごの先月せんげつ４よん日にち、即位そくいを祝いわう一般いっぱん参賀さんがが皇居こうきょで行おこなわれ、天皇てんのう陛下へいかは、皇后こうごうとなられた雅子まさこさまや皇族こうぞく方かたとともに宮殿きゅうでんのベランダに６ろく回かい立たって、訪おとずれた14万まん人にん余あまりの祝意しゅくいに応こたえられました。

この日ひ、東京とうきょうの都心としんは最高さいこう気温きおんが25度ど近ちかくになり、熱中ねっちゅう症しょうによる脱水だっすい症状しょうじょうなどを訴うったえて救護きゅうご所しょで手当てあてを受うける人ひとが相次あいつぎました。

天皇てんのう陛下へいかは５ご回かい目めからおことばを変かえて「このように暑あつい中なか、来きていただいたことに深ふかく感謝かんしゃいたします」と述のべ、訪おとずれた人ひとたちを気遣きづかわれました。

先月せんげつ８はち日にちには、皇后こうごうさまとともに、皇居こうきょの「宮中きゅうちゅう三さん殿どの」で即位そくい後ご初はじめての宮中きゅうちゅう祭祀さいし（さいし）に臨のぞまれました。

天皇てんのう陛下へいかは、平安へいあん時代じだいから儀式ぎしきでの天皇てんのうの装束しょうぞくとされる「黄櫨染こうろぜん御ご袍ほう（こうろぜんのごほう）」に初はじめて身みを包つつみ、皇室こうしつの伝統でんとうを継承けいしょうする姿すがたを示しめされました。

先月せんげつ27日にちには、国際こくさい親善しんぜんのための公務こうむとして、国賓こくひんとして来日らいにちしたアメリカのトランプ大統領だいとうりょう夫妻ふさいを歓迎かんげいする行事ぎょうじに臨のぞまれました。

豊富ほうふな海外かいがい経験けいけんを生いかし、通訳つうやくを介かいさずに大統領だいとうりょう夫妻ふさいやアメリカ側がわの随員ずいいんらと親したしくことばを交かわされる場面ばめんが何なん度ども見みられました。

そして、この日ひの夜よる、天皇てんのう陛下へいかが宮中きゅうちゅう晩ばんさん会かいで述のべたおことばには、上皇じょうこうさまから受け継うけつがれた平和へいわへの思おもいが込こめられていました。

天皇てんのう陛下へいかは「上皇じょうこう陛下へいかは、天皇てんのうとして御ご在位ざいい中ちゅう、平和へいわを心こころから願ねがわれ、上うえ皇后こうごう陛下へいかと御ご一緒いっしょに戦争せんそうの犠牲ぎせい者しゃの慰霊いれいを続つづけられるとともに、国際こくさい親善しんぜんに努つとめられました」と語かたったうえで「今日きょうの日にち米べい関係かんけいが多おおくの人々ひとびとの犠牲ぎせいと献身けんしん的てきな努力どりょくのうえに築きずかれていることを常つねに胸むねに刻きざみつつ、両国りょうこくの国民こくみんがこれからも協力きょうりょくの幅はばを一層いっそう広ひろげながら、揺ゆるぎない絆きずなを更さらに深ふかめ、希望きぼうにあふれる将来しょうらいに向むけて、世界せかいの平和へいわと繁栄はんえいに貢献こうけんしていくことを切せつに願ねがっております」と述のべられました。