タンカー攻撃こうげき 米べい国務こくむ長官ちょうかん「イランに責任せきにん」

その後そのご、「コクカ・カレイジャス」の乗組のりくみ員いん21人にんは、アメリカ軍ぐんの駆逐くちく艦かんが救助きゅうじょしたということです。

また、「フロント・アルタイル」の関係かんけい者しゃは、乗組のりくみ員いん23人にんは全員ぜんいん、無事ぶじだとしています。

今回こんかいの攻撃こうげきについて、アメリカのポンペイオ国務こくむ長官ちょうかんは日本にっぽん時間じかんの午前ごぜん３さん時じすぎから緊急きんきゅうの記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、「アメリカ政府せいふは今回こんかいの攻撃こうげきはイランに責任せきにんがあると分析ぶんせきしている。イランに代かわってこれだけ高度こうどに洗練せんれんされた攻撃こうげきを行おこなう組織そしきはない」と述のべ、攻撃こうげきはイランによるものだという見方みかたを示しめしました。

そのうえで「安倍あべ総理そうり大臣だいじんがイランに歴史れきし的てきな訪問ほうもんを行おこない、事態じたいをエスカレートさせず対話たいわに応おうじるよう求もとめたのに、イランは拒絶きょぜつし、日本にっぽんのタンカーを攻撃こうげきして乗組のりくみ員いんの生命せいめいを脅おびやかし、日本にっぽんを侮辱ぶじょくした」と厳きびしく非難ひなんしました。

一方いっぽうで、ポンペイオ長官ちょうかんは「イランが対話たいわの席せきに戻もどるよう経済けいざい的てき、外交がいこう的てきな努力どりょくを続つづける」と述のべ、あくまで経済けいざい的てきな圧力あつりょくをてこにイランに対話たいわを迫せまる考かんがえを示しめしました。

イラン大統領だいとうりょう「平和へいわと安全あんぜん実現じつげんに努つとめてきた」

一方いっぽう、イランのロウハニ大統領だいとうりょうは国営こくえいテレビでの演説えんぜつで、「ペルシャ湾ぺるしゃわんという火種ひだねの多おおい地域ちいきで、治安ちあんの確保かくほは最さい重要じゅうよう課題かだいだ。それはイランにとってだけでなく、中東ちゅうとう、アジア、世界せかい全体ぜんたいにとって重要じゅうようで、われわれは常つねに平和へいわと安全あんぜんの実現じつげんに努つとめてきた」と述のべました。

また、イラン外務省がいむしょうの報道ほうどう官かんはツイッターに「日本にっぽんの総理そうり大臣だいじんがイランの最高さいこう指導しどう者しゃと面会めんかいするのと時ときを同おなじくして、日本にっぽんに関連かんれんするタンカーが攻撃こうげきされるという『怪あやしい事件じけん』に懸念けねんを表明ひょうめいする」と書き込かきこみました。

イランに敵対てきたいする勢力せいりょくが、イランの仕業しわざだと見みせかけようとした攻撃こうげきだという見方みかたを示しめしたものとみられます。

そのうえで、「イランはこの地域ちいきの安全あんぜんのために、周辺しゅうへん国こくとの協力きょうりょくや対話たいわを推し進おしすすめる」として、地域ちいきの安定あんていを脅おびやかす事態じたいに周辺しゅうへん国こくと協調きょうちょうして対処たいしょする姿勢しせいを示しめしています。

国連こくれん事務じむ総長そうちょう「強つよく非難ひなん」

国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうは、安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいで開ひらかれたアラブ情勢じょうせいの会合かいごうの中なかで強つよい懸念けねんを表明ひょうめいしました。

そのうえで、「民間みんかんの船舶せんぱくに対にたいするいかなる攻撃こうげきも強つよく非難ひなんする。事実じじつ関係かんけいと攻撃こうげきの責任せきにんを明あきらかにしなければならない。国際こくさい社会しゃかいが対応たいおうできなければ、これは中東ちゅうとう地域ちいきの本格ほんかく的てきな衝突しょうとつになる」と述のべ、事実じじつ関係かんけいの解明かいめいを呼よびかけました。

会合かいごうでは南アフリカみなみあふりかなど各国かっこくの大使たいしからも懸念けねんの声こえが上あがり、アメリカのコーエン国連こくれん大使たいし代行だいこうは「民間みんかん船舶せんぱくへの攻撃こうげきは受け入うけいれられない。今回こんかいの攻撃こうげきはわが国わがくににとって深刻しんこくだ。必要ひつような支援しえんを行おこなうとともに状況じょうきょうを分析ぶんせきする」と述のべて、誰だれが攻撃こうげきを行おこなったのか調しらべる考かんがえを示しめしました。

さらに安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいでは、アメリカの要請ようせいを受うけて日本にっぽん時間じかんの14日にち朝あさ、今回こんかいのタンカー攻撃こうげきに関にかんする非公開ひこうかいの会合かいごうを開ひらくことになり、国際こくさい社会しゃかいとしての今後こんごの対応たいおうを話し合はなしあうことにしています。

菅かん官房かんぼう長官ちょうかん「背景はいけい含ふくめ予断よだん控ひかえる」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、アメリカのポンペイオ国務こくむ長官ちょうかんがイランによる攻撃こうげきだとして厳きびしく非難ひなんしたことについて「アメリカとも緊密きんみつに連携れんけいをとって情報じょうほう交換こうかんを行おこなっていることは事実じじつだが、まだ情報じょうほう収集しゅうしゅう中ちゅうなので背景はいけいを含ふくめて予断よだんをもって答こたえることは控ひかえたい」と述のべました。

そのうえで、菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは「いずれにしろ今回こんかいの安倍あべ総理そうり大臣だいじんのイラン訪問ほうもんについてはイラン側がわも高たかく評価ひょうかをしており、地域ちいきの緊張きんちょう緩和かんわの観点かんてんから有意義ゆういぎだったと思おもっている」と述のべました。