米メディアの反応
また、アメリカのメディアからはイラン情勢への関与を国際社会に促すという点で意義があったとする論調が出ている一方、トランプ大統領が呼びかけているイランとの直接対話に向けては、目立った成果はみられなかったという見方が相次いでいます。
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは「政治的レガシーを築こうとする安倍総理大臣にとっては、アメリカとイランの危機はチャンスと言える」と分析する一方で、「日本はイラン核合意に向けた交渉に加わらないなど、イランの問題に関わるのが遅かった」とも指摘しています。
そのうえでアメリカの専門家の話として「成功と言えるものは見えにくいが、今回の訪問によるマイナスの面もない。こうした動きに各国の指導者が続けば、緊張を緩和させることになる」として、国際社会に対してより積極的にイラン情勢に関与することを促すという点では意義があったと伝えています。
一方、AP通信は安倍総理大臣と会談したイランの最高指導者ハメネイ師が、アメリカとの対話を拒否する姿勢を鮮明にしたことを伝えたうえで「安倍総理大臣はアメリカとイランの緊張を緩和させるために仲介者としてイランを訪問したが、成功とは言えないかもしれない」としています。
また、政治専門サイト「ポリティコ」もハメネイ師が対話を拒否する姿勢を示したことを伝えたうえで、「ハメネイ師のコメントは会談が実りあるものではなかったことを示唆している」と指摘しています。
一方、中東のオマーン湾を航行中の2隻のタンカーが攻撃を受けたことをめぐって、有力紙ワシントン・ポストは「安倍総理大臣が地域の緊張を緩和しようとしていたさなかに起きた。緊張緩和に向けた取り組みを台なしにしようとしてタイミングをねらったのかもしれない」という見方を伝えています。